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日本のDXを成功させる

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最も大事な事を置き去りにしてきてしまったのにそれに気づいていない日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)を真っ当に実行し、国際的にも競争力を高めていく企業改革をテーマとして…
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#DX

「DX成功の鍵:社員を蛸壺から引き揚げる」

「DX成功の鍵:社員を蛸壺から引き揚げる」

明治の富国強兵政策の一環で作られた知識詰め込み型教育システムの弊害が、主体的な思考力の欠如として顕在化し、今の日本の国際競争力低下という形で現れていると言っても過言ではないと思います。

この、思考力訓練を全く行わない教育システムにおいて、思考力は知識修得の過程で副次的なものでしかなく、為政者や収奪系経営者のいいなりで優秀なワーカーを量産するシステムとして最適だったと言えるでしょう。

そしていま

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「DXの本質:総力戦体制への転換」

「DXの本質:総力戦体制への転換」

以前、DX成功の鍵の一つとして、総力戦を戦うための型について言及しました。

また、最近、論理的思考力を身に付けて、メソドロジーを使いこなすことについて言及しました。

そして、企業体としての共通認識を作っていくデータガバナンスの重要性についても言及しました。

他の記事でも触れていますが、DXの本質は未来においても価値ある存在として生き残るために、一人ひとりの力を結集し、総力戦を戦う体制を整える

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「DX成功の鍵:見えないもの触れないものに焦点を当てる」

「DX成功の鍵:見えないもの触れないものに焦点を当てる」

日本人は目に見えないものや触れないものに意識が向きにくいという記事を読んだことあります。
これはやや古い日経ビジネスの記事ですが、筆者によるともっと前から書いているとのことなので、他にもあるのでしょうし、他の方の別メディアでも同様の問題意識について書かれた記事を読んだことがあります。

つまり、日本人は目に見えるものや触れるもの、つまり現物を磨いていくことは得意でも、目に見えないものや触れないもの

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「人を過去に縛る、失敗と成功のdogma」

「人を過去に縛る、失敗と成功のdogma」

心理学的に言えば、「認知的不協和」と「不確実性の恐怖」を乗り越えられないことが、現状維持バイアスの根幹にあり、良いと思ったことでも行動変容できない人が多い残念な現実を如実に表していると思います。
今が酷い状態であっても、今までの自分を正当化したい「認識的不協和」と、失敗つまり思ったようにならないことを過度に嫌がる「不確実性の恐怖」は行動変容を阻む強力な心理的障壁であることは間違いないでしょう。

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「DX成功の鍵:Methodologyの使いこなし」

「DX成功の鍵:Methodologyの使いこなし」

大概の日本企業≒日本人の国際競争力が日々低下している原因は、IT化の遅れにあると言って過言ではないと思います。そして「何故IT化が遅れているのか?」と言うと、戦争に負け、社会システムがリセットされたことによって知の断層が生まれてしまったこと。

そして、30年以上前のコンピュータの本格的活用、つまり大型ホスト機によって、全国統一オンラインリアルタイム化が可能になった時期に、国内時差がないことによっ

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「DX成功の鍵:IT子会社の解散」

「DX成功の鍵:IT子会社の解散」

決してIT子会社の人達が悪いわけではありませんが、IT子会社を抱えているという伝統的な日本企業の構造がDXのボトルネックになっている現実から、経営者は目を背けないで欲しいと思います。

経営者を筆頭にして、システム/ITの事はよくわからないと言って憚らない親会社やグループ会社の人達と、彼らにシステムの事を丸投げされて請け負うことを営みとしているIT子会社の人達という構造で、DXなど上手く行くわけが

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「DX成功の鍵:ギブ・アンド・ギブンの組織文化」

「DX成功の鍵:ギブ・アンド・ギブンの組織文化」

テイカーとDXの相性は最悪人は、善良なるギバー(Givers)と狡猾な収奪者たるテイカー(Takers)に大別できます。バランスを取ろうとするマッチャー(Machers)もいますが、損得をベースにしている以上、私のなかでははテイカーに分類しています。

そして、残念なことに、多くの場合、狡猾な収奪者たるテイカーがギバー達を踏み台にしてピラミッド上部を独占しているようです。日本でも業績が伸び悩んでい

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「DX成功の鍵:NVA仕事をカットする」

「DX成功の鍵:NVA仕事をカットする」

NVAつまりNon-Value-Addedは、お客様からみて価値を付加しているとは言えない仕事、つまり付加価値が認められない仕事のことを言います。

一般的に、多くの仕事が自分たちから見た価値で構成されていますが、お客様から見た価値で点検することで、いつの間にか増えてしまったNVA仕事をみつけることができ、NVA仕事を自動化してNVAソフトウェアを量産して自己満足に浸るなどという愚かな行為を止める

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「DX成功の鍵:周回遅れを認識して共有する」

「DX成功の鍵:周回遅れを認識して共有する」

折に触れ、某プライム上場企業のCDOだった友人と意見交換をするのですが、先日の締めとしては、「日本は、IT化でも周回遅れ、デジタル化でも周回遅れ、AI活用でも周回遅れになろうとしているが、気づいている会社が世界と戦えばいい。元々日本は島国で今も鎖国しているようなものだから、エネルギー問題さえ解決できれば、人口も減るし、グローバル企業から見ても経済的に魅力的な国ではなくなるので、自己完結型で半鎖国型

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「DX成功の鍵:データガバナンス」

「DX成功の鍵:データガバナンス」

少し前(8月24日)、DWHを基盤にSaaSを使い倒し、DX-Readyを実現しましょうという主旨の以下の記事を書きました。

しかし、DWHは、おそらくはそのほとんどが非競争領域のための既存ソフトウェア資産に囲まれ、その維持運用に多くのIT人財を使ってしまっている、どうにも身動きのとれない人たちにとっても重要なことであり、決してSaaSと不可分の関係というわけではなく、「SaaSにとっては必要で

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「DX成功の鍵:Off-JT中心主義への転換」

「DX成功の鍵:Off-JT中心主義への転換」

考えてみれば、企業に就職して以来35年以上、新人研修、主任研修、新任管理職研修などの階層別研修や個別研修プログラムが会社や所属組織から用意され、受講してきました。私個人としては、そこでの学びを活かしてきた方だと思いますが、ほとんどの方は、その場はふむふむと反省含めて納得しても、職場に帰るとなかったことになってしまうと聞きますし、実際にそうなのでしょう。

老害化した先輩後輩・親分子分それは、仕事の

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「DX成功の鍵:メンバーシップの進化」

「DX成功の鍵:メンバーシップの進化」

以下、Facebookにいつも書籍を要約して紹介してくれている田中健太郎さんの投稿によれば、

とあり、結局、自己責任論を追及していくと、孤独な個人主義となり、企業の雇用もジョブ型と言われるものに収斂していくことになるのは自明と言えます。そのかわり、心か体を病んでいくわけです。まさに働くことが罰であるキリスト教の世界観に合致しています。

では、日本の企業も、自己責任のジョブ型にしていくのがいいの

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「DX成功の鍵:善良な人を管理から解放する」

「DX成功の鍵:善良な人を管理から解放する」

日本ではデータが経営資源だという実感がある経営者は極めて少ないのではないでしょうか?

しかし、秩序の確保(混乱の防止)、統制、管理という目的において、不届き者がすり抜け乱すたびにルールが増え、手枷足枷で社員を雁字搦めにしていることくらいには気づいている経営者も多いのではないかと思います。とはいえ、何もできずに、コンプライアンスの名の下に管理者が楽をするためのルールを日々増やしてしまっている企業が

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「DX成功の鍵:競争領域に資源を集中」

「DX成功の鍵:競争領域に資源を集中」

この記事ではビジネスプロセスは非競争領域であり、時にお客様に避けられる理由は作っても、お客様に選ばれる理由を作り出さないので、自社の大切な社員の多くを従事させるようなことなどせず、徹底的にシンプル化するとともに、「データだけはしっかり取り出して管理・活用する」こと、そして「SaaSを使い倒していく」のがDX成功の鍵だということを書きました。

そして言うまでもなく、お客様に製品やサービスを通じて受

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