『バイト5人雇って5人分働いてくれたら御の字。6人分なんて夢のまた夢。大抵は4人分、悪いと3人だよ』
それを聞いたのはプールを経営する前だった。
『バイトなんていかにサボるかばかり考えているよ』
自分の学生時代を思い出しても確かにそうだった。
早く時間が過ぎる方法ばかり考えていた。
経営してみて現実を知った。
監視員が全然働かない。
5人雇って2人分ではなかろうか……。
飛び込みは注意しないし、掃除はサボる。
ひどい奴は監視台の上で寝ている。
ほら、こんなことを考えている間にも、プールサイドを子どもが走り回っている。
監視員は、他のバイトメンバーと談笑している。
腹が立つ!!
私は監視員を監視する監視員を、5人を雇うことにした。
それでも緩んだネジを閉めるのは至難の技。
監視員と監視員監視員が仲良くなってしまった。
こうなったら監視員監視員監視員も雇うしかない!
そうすると監視員監視員監視員監視員も必要だぞ!?
1年もするとプールサイドは監視員で埋め尽くされ、物理的に子どもは走れなくなった。
だが業務改善命令を受けているのは言うまでもない。
はあ……。
私も監視してくれよ、誰か……。
面白いもの書きます!