声をかけらえた

研修四日目。
研修を受けているのは電話を受けているフロアの一角。通路を挟んだ向こう側では実際に電話対応をしており、これからお世話になる先輩オペレーターが相手とやり取りしている中、あまり大声を出さずに座学が続いています。ま、コールセンターの割には比較的落ち着いていることと、人数が少ないから大声は必要ないですけどね。

「では、10分間休憩しましょう」
講師を担当している社員が言ったので、自分はトイレへ行きました。用を足していると、隣の小便器に立った男性から

「お疲れ様。研修頑張ってね」
と言われました。でもその人とは面識がありません。面識がなくても、自分が研修を受けている一人であることを把握しているので、通路の向こうで電話対応をしている先輩だろうと判断し、

「ありがとうございます。過去に似た経験があるのでなんとかなっています」
自分はそのように返事しました。すると

「期待してるよ」
励ましというかプレッシャーというか、照れくさいというかなんともいえない言葉を投げかけられました。

それにしても、ズボンのチャックを下ろして“でんでろりん、でんでろりん、でんでろりん・・・”と出している最中の会話は少々困ります。男性諸氏なら経験があると思いますが、二人以上が並んで用を足しているとき、無理にネタを探し出してああだこうだ言う人がいるかと思えば、視線を合わせないように首を上に向けて用を足すことに集中する人がいたりしますよね。自分は後者で、声をかけられると出るものが出なくなってしまうから、いつもよりも用を足す時間が延びました(苦笑)。

で、声をかけてきた男性は、通路の向こうで電話対応をしている先輩でして、受電待機中に自分たちが研修を受けている様子を見るともなしに見ていたようです。それがわかったから、明日以降は自分からも声をかけようかしらん・・・、ただし、トイレを除く。

(お読みいただきありがとうございました。内容に共感していただけたら心付もお願いします)

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