大正ロマンの象徴・竹久夢二が描く華奢で優美なシルエットの美人画に憧れて。
日本の「かわいい」文化の原点ともいわれる夢二デザインと、フェリシモの人気アイテム「フラットブラ」が出会いました
みなさまこんにちは、ミュージアム部です。
この秋フェリシモのインナーブランド・flufeel［フラフィール］から、大正ロマンの象徴である芸術家「竹久 夢二」をテーマにしたブラが発売されました。
竹久 夢二
本名：竹久 茂次郎 1884-1934（明治17年－昭和9年）岡山県生まれ 。画家・詩人。センチメンタルな画風の〈夢二式美人画〉作品をはじめ、恋も多く、旅も重ねて大正ロマンを象徴する存在として広く知られています。明治・大正期の雑誌に発表した数々のイラストレーションをはじめ、日本画・水彩画・油彩画・木版画、さらにデザイン分野の作品を手掛け、詩、童謡の創作にも才能を発揮し、詩画を融合させた芸術を開花させました。
作家をテーマにするとは、いったいどんなブラなのか？
今回はflufeelのプランナー・Mioに、その詳細を紹介してもらおうと思います！それではどうぞ～！！
みなさまこんにちは、flufeelプランナー・Mioです。
大正ロマンの象徴とも言える、竹久夢二。
彼が描いた美人像は、当時の女性たちにとって憧れの存在となり、理想の女性像として強い影響を与えました。そんな彼は美人画で知られるだけでなく、現代日本の「かわいい」文化の原点を築いた人物でもあったと考えられているのはご存じでしょうか？
セノオ新小唄「ゴンドラの唄」竹久夢二 大正7年（1918）発行
『牡丹刷毛』（著）松井 須磨子 （装丁）竹久夢二 大正8年（1919）
すべて 竹久夢二美術館蔵
そんな夢二が織りなす美人画のうつくしさと、夢二が繰り広げた女性の日常生活を彩る「かわいい」デザイン活動からインスピレーションを得て、女性の生活に彩りを与える商品企画が始動しました。
なんと【竹久夢二美術館】さんのご協力の下、夢二の代表的な植物モチーフのデザインをあしらい、夢二の美人画のようにすらっと美しいたたずまいのようになれるフラットブラⓇの商品化が実現！
flufeel 竹久夢二が描いたデザインをまとって
美人画のような私になれるフラットブラ〈パッド付き〉の会
月1枚 ￥3,980（+10% ￥4,378）
※1枚だけ（1ヵ月だけ）の購入も可能です。
※詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご確認ください。
今回はその特別仕様のフラットブラⓇができたきっかけを、竹久夢二美術館の学芸員・石川桂子さんからの解説とともにご紹介いたします。
夢二が与えた生活を彩る「かわいい」の原点
現代の日本では、女性たちが「かわいい」と感じるものに囲まれて生活を楽しむ文化が根付いていますが、その原点とも言える場所が生まれたキッカケは、なんと竹久夢二だそうです。
その「かわいい」文化の原点について、学芸員の石川さんから教えていただきました！
1914年（大正3年）に、現代のファンシーショップの先駆けとも言われる「港屋絵草紙店」が開店しました。この店は、竹久夢二がデザインした商品を販売する店舗として誕生し、女学生や女性を中心に生活に彩りを与える美しい商品を提供しました。
この店の大きな特徴は、開店時に発表した挨拶状と売出しの案内に「可愛い」という言葉を使用して商品を宣伝したことです。
この「可愛い」という表現は、今でこそ当たり前に使われていますが、当時の女性たちにとって新鮮で心を惹きつけるものでした。
港屋絵草紙店で展開した商品では、女学生や女性を中心に生活に美を取り入れることの愉しみを、広告やポスター等では、企業メッセージを大衆に伝えるデザイン制作に尽力し、さらにグラフィックにおける表現の可能性や時代性を追求したかったのではないかと思います。
今回の企画で使用しているデザインは、この「港屋絵草紙店」で販売された千代紙に使用された有名なデザインを使用しました。実際に使用した「椿」「蔓草」「桜草」についてもご紹介できればと思います！
夢二の図案をまとうー「かわいい」の原点を体感するー
今回使用した図案は、「椿」「蔓草」「桜草」の作品です。これら3つのデザインは、大正期に制作されたとのことです。「港屋絵草紙店」で販売する千代紙のために夢二が描いたもので、実際の千代紙は竹久夢二美術館に収蔵されています。
この度、そんな夢二のデザインが持つ繊細な表現と色彩をインナーの柄として再現することを目指しました！
商品化にあたって、竹久夢二美術館に収蔵されている原画の美しい状態の色味を再現するべく、何度も学芸員の石川さんと製造担当者さんとやり取りをして、色調を合わせました。
柄の出方にもこだわり、テキスタイルデザインとしても夢二の美的センスが感じられるように柄の向きや大きさのバランスなども試行錯誤しました。
あしらった作品の見どころについて、学芸員の石川さんの解説とともにご紹介します！
「椿」
椿の花の形は大まかにいうと円形ですが、手描きならではのゆるやかな形状で表現された温かみを感じてほしいです。
「蔓草」
蔓草の曲線描写では、夢二が好んだアールヌーヴォーの影響が垣間見られます。
「桜草」
千代紙は木版で制作されています。桜草がパターンで、繰り返しレイアウトされていますが、花部分の色の付き方はそれぞれ微妙に異なっているので、繊細な色合いに注目してほしいです。
美人画のようなたたずまいー理想をあきらめないー
夢二の美人画で、画業の到達点とも言われている「水竹居」という作品があります。本作は、夢二の永年の夢であった、欧米の美術を学んだ末の最晩年の傑作としても知られているとのことです。
（画像提供元：竹久夢二美術館）
「水竹居」とは、清流と竹林のある書室を指し、中国の故事によれば文人墨客の住まいの理想の環境を意味しています。
昭和8年、夢二がドイツ・ベルリン滞在中に、現地の女性をモデルにしたと伝えられています。女性の顔にみられる大きな眼や通った鼻筋、唇、また髪、手、着物、そして背景の竹林の描写は、これまでの彼の美人画とは一線を画していることが特徴です。
この「水竹居」をはじめとする美人画のモデルは、実在の女性を参考にしつつも、その多くは“夢二の空想から生まれた理想の姿” であったことはご存じでしょうか？
竹久夢二本人が記した文章で言及されていることを石川さんよりお教えいただきました。
モデルを前にした美人画制作も多かった夢二ですが、一部を除いて数々の絵に登場した女性は、夢二の “空想から生まれた美しい娘” であったと、エッセイ「あの頃……」（大正15年）にて言及しています。自身の理想を大切にして、女性を描くことに心を傾けていた夢二の姿勢が窺えます。
夢二が描いた理想の女性は、明治・大正時代を生きた女性や少女たちの憧れとなりました。その姿形や立ち居振る舞いを模倣し、次第に夢二が描くような外見や雰囲気を感じさせる女性も出現したという現実に、その影響力の大きさが伝わってきます。
夢二が理想の女性像を描き続けたように、私たちは無理なくうつくしくなる理想の姿を目指し、フラットブラⓇを通して、女性が抱える体形のコンプレックス解消を目指しました！
フラットブラⓇで無理なくうつくしくー夢二の理想に共感するデザインー
企画スタート時、石川さんより夢二の描く美人画は、ただうつくしいだけでなく、女性の生活感や日常を汲み取った心情が特徴的だとお教えいただきました。
夢二は幼いころから身近な女性の悲哀を感じ取っていて、当時の女性の置かれた境遇を敏感に汲み取り、さらに女性に限らず、弱い立場の人間が抱えるをセンチメンタルな気分を、絵筆によって表現しようと試みていたようです。
そうした背景に感化され、夢二が、人々の儚さや苦しみを敏感に感じ取り、それを作品に表現したように、私たちも現代の女性たちに寄り添うプロダクトをスタートしました。
こだわりポイント①
繊細な気持ちを表現するべく、和モダンな印象の薄手レースに図案をプリントしました。
着物の袷が少し透けて見えるくらい繊細なレースですが、パワーネットと重ねることで、大きな胸もフラットに納めてしまうくらいのパワーを持ちます。その様子はまるで、夢二の作品に登場する繊細さと芯の強さ、たくましさが共存する女性像そのものを表現できればと考えました。
こだわりポイント②
胸もとにパワーネットを面状に取り付けることで、やさしく胸のボリュームを抑えて、夢二の美人画のようにスラっとしたボディーラインになるように工夫しました。
アンダー部分にもパワーネットを取り付けることによって、胸だけでなく背中もスッキリ収まるように工夫しました。
こだわりポイント③
デリケートな場所だからこそ、肌あたりにも考慮しました。
カップ裏面を綿95％の生地を使用し、肌あたりやむれにも配慮。さらに、従来のフラットブラにはなかった平たい薄手挿入パッドを付けました。胸をフラットにしつつも、トップがひびかないように一層デリケートな箇所を守る構造に仕上げました。
フラットブラⓇは、ただ外見を美しくするだけでなく、内面のコンプレックスをもやわらげられればと願いを込めて販売をしています。
胸の大きさに悩まれている方、からだの凹凸をなくしたい方など、体形から来るコンプレックスをきっかけに、お洋服が楽しめない・胸を隠すような姿勢で過ごしている……といった気持ちに寄り添えたらと思います。
この商品では、夢二のデザインと同じく、理想を捨てずに自分の美しさを追求することを応援しています。
忙しい日々をおくる現代の女性がコンプレックスを諦めることなく、無理なくうつくしく、少しずつ前向きに自分らしい美しさを取り戻す一歩を、このフラットブラⓇがサポートできればと思います！
夢二の美人画のように、どこか儚げでありながらも強さを感じさせるデザインは、現代の女性たちの心に寄り添うアイテムになればうれしいです。
flufeel 竹久夢二が描いたデザインをまとって
美人画のような私になれるフラットブラ〈パッド付き〉の会
月1枚 ￥3,980（+10% ￥4,378）
※1枚だけ（1ヵ月だけ）の購入も可能です。
※詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご確認ください。
竹久夢二美術館ー夢二の世界を体感できる場所ー
今回ご協力いただいた竹久夢二美術館では、夢二が手掛けた美人画やデザイン作品を展示しており、夢二の芸術に触れることができます。常時200〜250点の作品が展示され、年に4回、3ヶ月ごとに企画展も開催されています。
竹久夢二美術館はそれだけでなく、夢二の生涯や芸術から様々なテーマを採り上げて、夢二を研究する美術館として内容を深く掘り下げ、希少な資料と併せて展示紹介されています。
ここでしか得られない知識や作品を体感できる竹久夢二美術館で、是非一度、夢二の多彩な創作活動をさらに楽しんでいただければと思います。
ちなみに2024年、竹久夢二は生誕140年を迎えました。このタイミングをキッカケに、夢二の世界に触れ、彼が描いた理想や美の追求に共感してみてはいかがでしょうか……？
竹久夢二美術館
〒113-0032 東京都文京区弥生2-4-2
■開館時間：午前10時～午後5時（入館は午後4時30分まで）
■休館日：月曜日、展示替え期間中、年末年始
※詳しくは公式HPをご覧ください。
竹久夢二美術館のすぐお隣「弥生美術館」もとっても素敵！
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