ステージに隠された秘密。能舞台の松竹梅イヤアクセサリー #はじめての能
能舞台に描かれた松、竹の謎……そして梅の存在は?
ミュージアム部が京都観世会館とコラボレーションして「能舞台に描かれた秘密 松竹梅イヤアクセサリーの会」を作りました。
こんにちはミュージアム部の部長 内村です。今回は能楽師 片山 九郎右衛門さんにお聞きした「能舞台」のお話からイメージして作り上げたイヤアクセサリーについてお話しさせていただきます。
能舞台に描かれた松・竹の謎
能を舞うためのステージである「能舞台」の正面にはひときわ目立つ「松」があります。これは「影向の松」といい、奈良の春日大社にある松がモチーフなのだそうです。
「影向の松」には神さまが宿るといい、能を舞う演者は、「松」の姿として映った神さまに向かい舞っているのだそう。
「松」の側面には「竹」が描かれています。江戸時代(17~19世紀)に、徳川幕府は能を幕府の式楽(儀式用の公式な芸能)と定めたこともあり、先ほどの「松」とともに常緑の植物であることから、生命力や成長を感じることができるということで好まれていたのだそうです。
「松」「竹」ときたら、「梅」はどこに?
日本人だと「松」「竹」ときたらやはり気になるのは「梅」ではないでしょうか、古くから慶事、吉祥のシンボルとして「梅」を含めてなじみ深いものですが、能舞台には描かれていません。
これについては諸説あるのだそうですが、梅は直接見るのではなく暗闇の中からかすかに香るものとして、あえて描いていないのだとか。
能を視覚だけで理解するのではなく、五感で感じるものとすれば、この梅のとらえ方も能の幽玄の考え方に通じる気がしますね。
能舞台に描かれた吉祥のモチーフを
こだわりデザインのイヤアクセサリーに
このように神秘的なストーリーを持つ、能舞台にまつわる「松」「竹」「梅」を職人の手によってイヤアクセサリーとして立体化しました。
神が宿る神秘的な「松」
「松」は、京都観世会館の能舞台に描かれた「影向の松」をイメージしてデザインしました。
2色のメッキを施したパーツをレイヤー状に重ねることで、影向の松の見事な枝ぶりを表現しています。
生命力と成長を感じる「竹」
「竹」のデザインは生命力と成長の象徴であるとして、まっすぐに伸びて成長する力強さを表現しました。
「竹」は節の部分に施したメッキ色を左右で変えているのがポイントです。
暗闇よりかすかに感じる「梅」
「梅」は暗闇の中にかすかに感じる香りが、徐々に明確になっていき梅の香りだと気づくようなシーンをイメージしています。
丸いモチーフが徐々に梅の形になっていく様子をご覧ください。
イヤアクセサリーはピアスタイプとイヤリングタイプを選ぶことができます。
いかがだったでしょうか。能の世界は「演者」や「面」「装束」だけでなく舞台そのものにもさまざまな物語が隠されています。能楽堂に行かれた際は、ぜひ能舞台もご注目ください。
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