石塚隆(Ryu Ishizuka)

■ funk / soul / hiphop / 80's ■ engine…

石塚隆(Ryu Ishizuka)

■ funk / soul / hiphop / 80's ■ engineer ■ dance ■ media art ■ talkbox ■ Web https://ryuishizuka.com

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  • オーストリア・リンツ3ヶ月滞在記🇦🇹

    この連載では、IAMAS(情報科学芸術大学院大学)でメディアアート作品の制作研究をしている筆者の、オーストリア・リンツ美術工芸大学への3ヶ月交換留学(2023年4月から7月まで)について書いていく。 留学先はリンツ美術工芸大学のInterface Culutres Departmentだ。

  • 随筆📜

    心に浮かんだ事、見聞きした事などを筆にまかせて書いた文章たち。

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オーストリア・リンツ3ヶ月滞在記🇦🇹 - ことはじめ -

はじめにこの連載では、IAMASで構造色を用いたアート作品を研究している筆者の、オーストリア・リンツ美術工芸大学への3ヶ月交換留学(2023年4月から7月まで)について書いていく。留学先はリンツ美術工芸大学のInterface Culutres Departmentだ。 連載記事は以下。 リンツ滞在の目的IAMASとリンツ美術工芸大学との間で行われている学生交流事業を通じて、ヨーロッパ圏内での国際的な展示の実現に向けて計画を進めている。また、海外の大学や研究機関との共同研

    • 万博の記憶と匂いが残るドバイへ -🇦🇹リンツ3ヶ月滞在記 -

      オーストリア・リンツ美術工芸大学への3ヶ月交換留学(2023年4月から7月まで)について書いていく。留学先はリンツ美術工芸大学(University of Arts Linz)のInterface Culutres Departmentだ。 今日はドバイ編。 オーストリアに到着する前のトランジットで寄ったドバイと2020年の万博のお話。 ドバイ近く、砂漠の上の朝焼け 長時間の飛行機に乗ったことがなかったので、飛行機で朝を迎えるのは初めてだった。機内での朝ごはんを食べなが

      • オーストリアの雪山にタレルの「skyspace Lech」を求めて -🇦🇹リンツ3ヶ月滞在記 -

        オーストリア・リンツ美術工芸大学への3ヶ月交換留学(2023年4月から7月まで)について書いていく。留学先はリンツ美術工芸大学(University of Arts Linz)のInterface Culutres Departmentだ。 今日はレッヒ・アームベルグ編。 Lech(レッヒ)という町へ向かうオーストリアについた週は思いがけずイースターホリデーで、学校も連休中ということで、急遽オーストリアの雪山を訪れることを計画した。目的地は、あるゲレンデの頂上付近に聳え立

        • 渡航前日の落花生屋の昔ばなしと"老舗"という言葉 -🇦🇹リンツ3ヶ月滞在記 -

          オーストリア・リンツ美術工芸大学への3ヶ月交換留学(2023年4月から7月まで)について書いていく。留学先はリンツ美術工芸大学(University of Arts Linz)のInterface Culutres Departmentだ。 今日は渡航前夜編。 始発の東海道線にゆられて神奈川へ向かう明日の飛行機でヨーロッパへと渡航するために荷造りを急いで終えて、始発の東海道線に乗った。岐阜大垣始発の列車に乗ると大体神奈川までに6~7時間くらいかかるが、たまにはゆっくりと帰

        • 固定された記事

        オーストリア・リンツ3ヶ月滞在記🇦🇹 - ことはじめ -

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        • オーストリア・リンツ3ヶ月滞在記🇦🇹
          4本
        • 随筆📜
          5本

        記事

          おぼろ月夜と春の足音

          今宵の月は嫌というほど明るく、静まり返った路のコンクリートを照らす。 絶えず流れる霞んだ雲の隙間から朧月が顔を覗かせる。 なんとも禍々しく、それでいて凛としたその姿に憧れながら ふらつく足どりで夜の街を歩く。 人はいない。響くのは自分の足音。 ポケットの中の擦れる音。 ゆったりと流れる川の音。 たまの線路の音と車の音。 静寂の中に柔らかな音と少しの硬さが混じった気配を聴きながら、 進む足取りに身を任せている。 道の端には桜が咲いている。 全ての時間が止まっているように

          おぼろ月夜と春の足音

          雪だるまと現象として溶けていく記憶装置

          雪だるまは 記憶として形作られ、意味として世界に染み出していく。 今日はそんな話を。 大雪が降った2月10日。街に残った雪を眺めながら初雪が降った日のことを思い出す。 初雪が降ったのは年が明けてから間もない1月6日のこと。 暖かい部屋の中から、窓の外が段々と白の世界へと塗り変わっていく姿を眺めていた。 街角の小さな雪だるま 大雪が、心躍る一大イベントから社会的制約を帯びるようになったのはいつからだろうか。 小学生の頃は大雪が降ると何とも言えない高揚感に包まれ、いつもの通

          雪だるまと現象として溶けていく記憶装置

          十五夜の月と時間感覚の逆アプローチ

          十五夜からだいぶ時間が経過して発酵してきた感覚を再考してみたい。 お月見と中秋の名月 2021年の十五夜は9月21日で、中秋の名月という1年で1番美しい月が見える日だ。 そんな中で時間感覚についてしばらく考えていたので振り返る。 十五夜と満月の日は同じになることが少なく、なんでも今年は8年ぶりに十五夜に満月が見れた貴重な日だったそうだ。 最近は光と自分の関係や感覚と疲労について考えていたところ。 ちょうど前日の夜は深夜まで仕事をして、疲労した体で新宿の夜の街を空を眺め

          十五夜の月と時間感覚の逆アプローチ

          手間と面倒。余白と余分。

          ポエティックな余白のない世界に真の豊かさは存在しない。 手間はポエティックな余白であり 面倒はシステマティックな余分だ。 今に生きる私たちはどうやらここが混同しやすいようで、この辺を再考しないと結構まずい道が見えてくる。 両者の違いは質感の違いだとは思うが、質感を捉えられない限りは違いも見えてこないだろう。 時間感覚のパラドックス現代社会では効率化や最適化が進んでいる。というより必死に進めてる、という方が正しいか。 そこの根底にあるものはなんだ?時間がもったいないからだ

          手間と面倒。余白と余分。

          吸い込まれたガキ心を沸騰させたい

          3年ほど前からの生涯におけるテーマだが、「ガキ心」を取り戻したい、と常日頃思っている。 時間の変化を感傷に変えない子供の感性は美しい 人間が社会的円環の中で吸い込まれていった質感のあるもの。 それが人の奥底に潜む「ガキ心」であり、それを沸騰させることで世界は美しく見えるし、人間のいざこざも蒸発するだろうと本気で考えているからだ。 学生のある時期、人との会話や、太陽の日の出、時間、踊り、いろんなものに対していちいち感動的に想うような脳みその土台が出来上がっていた。時があっ

          吸い込まれたガキ心を沸騰させたい

          樹木希林さん主演の「あん」を見て、「間」と「声」を考えてみる

          河瀨直美さん監督、樹木希林さん主演の映画「あん」を見た。 小さなどら焼き屋を営む無口な店長さんのもとに、ある日、病気を患った老人の徳江さんが働きたいと言って訪れる。そこに客として居合わせた落ち着いた中学生のワカナちゃん。それぞれが決して明るくないバックグラウンドを持つ3人の出会いと対話を繰り返しながら、世間とどう付き合っていくか、自分なりにどう生きるか、という問いに向かい合っていく。 そんな3人の姿を、小豆をはじめとした「自然の声」を通して、人社会の捉え方について考えさせ

          樹木希林さん主演の「あん」を見て、「間」と「声」を考えてみる

          チームラボの「超主観空間」を通して次元を考えてみる

          メッセージを人に伝えるには圧倒的な説得力とポップさを兼ね備える必要がある。と体感した。 チームラボに1人で行こうと思った日のことある日、YouTubeで猪子さんのTedXの動画を見た。 以前から日本画の独特なテクスチャがどんな意味を持っているのか気になっていた。というのも、日本画には簡単に言うと、ペタッと貼り付けられたような平面的な描写の一方で、繊細に描かれた箇所、版画のように決まった形で複製しているように見える箇所が点在している。 そんな独特ないわゆる日本の「昔の絵」

          チームラボの「超主観空間」を通して次元を考えてみる