なぜミュージシャンはカバーをするのか
自分もそうですが、記事トップの画像(カバー画像・ヘッダー画像)は他人がアップした写真やイラストを使ったりしています。
他人の作品を自分の仕事(ワーク)に取り入れたり、ディスコグラフィーに加えることを悪く捉える人もいるとは思いますが、概ね好意的に捉えられており、そのことで広がる世界もあると思います。
発見・出会い
個人的に近ごろ、Instagram の投稿に音楽を添付するのですが、ある楽曲やミュージシャンを探していると、別のミュージシャンや楽曲に出会うことも多いのです。
楽曲を探している場合には、その曲をカバーしている他のミュージシャンも同列に表示されます。
YouTube では他の情報が一緒に表示されるから「一覧」のように分かりやすく見ることはできません。しかし、Instagram の場合は完全な一覧のため、誰がカバーしているか、Instagram 上に何人ぐらいカバーが公開されているかがすぐ分かります。
そうした一覧の上から順に試聴をしていくと、オリジナルが必ずしもいいとは限らない場合があります。
そのミュージシャンの別のアレンジや、他のミュージシャンによるカバーの方が良かったりして。
コアでシビアなファンならば、亜流は一切認めないと思いますが、僕は比較的柔軟に見ています。
たとえばユーミンや桑田佳祐やさだまさしなどは、僕が昔から好きでよく聴いているミュージシャンですが、カバーも非常に多く存在していて、その中にかなり秀逸な作品もあるのですよね。
楽曲に最適な音楽表現は決して一つではなくて、さまざまな可能性があると思います。オリジナルは作った人の意図が正確に反映されてはいますが、最終的な音楽としての完成度が高いかどうかは分かりません。聴く人にも嗜好があるので、素直な気持ちで聴けば、あるいは初めて聴いた人は、必ずしもオリジナルを選ぶとは限らないでしょう。
ジャンルや世界を越える
オリジナル楽曲では、その曲のジャンルや世界、曲を作ったミュージシャンのジャンルや世界がありますが、楽曲を他のミュージシャンがカバーしたときには、新しいジャンルが追加されるのです。
そこにカバーした人もされた人も新しい発見があると思うし、聴く人にも発見があると思います。
「あの曲がこんな風になるのか」「(曲やミュージシャンの)見方が変わったなー」
という発見です。
そこからミュージシャン自体が新しい世界に出会ったり、ファンの見識が広がったりして、相互に音楽性が豊かになっていくのですね。
新しい世界には、その世界の住人がいて、住人に認められるとそこで生活ができるようになります。
ミュージシャンが楽曲のカバーをすることは、単に好きだという表現や発見した感動だけでなく、自身のユーザー層やシェアの拡大につながるのです。
「ブレイクスルー」という言葉がありますが、自身の創作がマンネリ化したりネタ切れになったときに、今まで考えなかった「カバー」という表現を境にして新しい世界に突入することも、決して悪くはありませんね。
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