いろんな人がいる空間
昔は、大規模小売店や、ニュータウンなどは無かったから、住宅と商店は隣り合わせにあったのです。
「街」と呼ばれる場所には、商店は多かったけれど、商店主がそこに住んでいることも一般的だったのですね。
工場なども、町中にあったので、通うのも楽でした。
だから、昼と夜で町の人口が極端に増減することもなく、いつもそれなりに賑わって、人の気配がいつもするような空間でした。
それはいわゆる「眠らない街」なのではなく「眠るけど人がいる街」だったのでした。
街には、多くの人が住んだり活動していて、いろんな人の暮らしに触れることが出来たのですね。
子供と大人が、様々な職業の人たちが、近くにいて会話できる空間だったのです。
大阪駅周辺
僕は最近、仕事の関係でJR大阪駅周辺を歩くことが多くなったのですが、今の大阪駅周辺は、梅田再開発計画の途上にあって、巨大なビルが次々と生まれています。
それらは商業施設だけれども、目的は様々で、それぞれに集まる人種的なものは多岐に渡っていると思います。
大阪駅は、何かの用途のためにある駅ではないし、特定の個性を持った町に接続しているわけでもありません。
あらゆる方向から、あらゆる種類・階層の人が集まってくる場所にあって、それらの往来を受け入れているし、あらゆる地方に向かう旅人の出発点でもあるのです。
例えば東京では、東京駅、新宿駅、渋谷駅、上野駅など、大阪駅と似たような駅が複数ありますね。
街の規模が大きいからそうなるのと、生活圏や嗜好が違う人々の、それぞれの拠り所になっている感じがあります。
でも大阪駅は、そこまでの細分化がされていないため、大阪周辺に住む人は大抵、利用することがあるような駅で、総合的な駅なのです。
僕は、一般的な通勤時間帯を外れた時間に駅周辺を通ることが多いので、歩いている人たちは仕事が目的じゃない人も沢山います。
そのせいか、老若男女、本当にいろんな人が行き来しているように見えるし、いろんなファッションを見ることもできます。
大阪駅の中は、夏休みや休日には子供も沢山います。
いろんな人がいる空間は癒しになるかも?
ストレスの多い現代社会ですが、ライフスタイルや価値観が固定化していると、辛く感じる人も多いと思います。
同じような生活をして同じような嗜好を持っている集団の中では、自分がそのどの辺りにいるのかという面ばかり気になりがちです。
真ん中にいる人は安心し、外れたところにいる人は不安になります。
でも、あらゆる種類の人が集まる空間では、そのような感覚は薄れて、みんなが受け入れられている安心感はあると思います。
もし不安があるとすれば、予想もできない人とネガティブな出会いをしてしまう可能性は高いかもしれないということでしょうか。
僕は、梅田の街を歩いていて、とても安らいだ気持ちになります。
祭りのざわめきの中にいるような気さえすることがあります。
巨大なビルがいくつも立ち並んでいるのに、無機質な感じがしないのが梅田の良いところなのではないか?と思うのですね。
みんな、それぞれに悩みがあったりするのだろうけど、街のざわめきに暗さも憂鬱も感じません。
梅田はきっと、これからも良い街であり続けるだろうと思ったりしているのです。
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