お金を稼ぐための特殊知識って13歳からのアート思考じゃない?

お金が欲しいので、youtuberのサラタメさんの「【厳選ベスト5】書籍解説youtuberサラタメが読んでみて、激おもしろかった本ランキング【2022】」を皿洗いしながら聞き流していると一つの単語が耳に残った。

それが「特殊知識」。
書籍『シリコンバレー重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』と言う本の解説の中で出てきました。
サラタメさんいわく、お金儲けに必要な要素の1つで「好奇心と情熱によって得た知識」が「特殊知識」らしいです。

もっと詳しく言うと、流行っているからとかこれをやれば儲かるみたいなところから受け身で得た知識ではなくて
個人として明らかにしないと気が済まない、気になって仕方がない、それが自分の使命であると言うような好奇心と情熱によって蓄積される知識のことのようだ。

私が思うに「好奇心と情熱」とは聞こえの良い言い方で、行ってしまえば性(さが)や癖のようなもの(人によって時にはコンプレックスのようなもの)をいかに「自分なりの考え」としてオリジナリティのある武器にするかっていう話なのだと解釈した。

さらに言い換えてしまうと、大人になってしまった自分が持っている手札を活かして「自分だけのものの見方」を創作できるかと言うことだと思う。

そんな話が私の頭の中で、末永幸歩さんの著書『13歳からのアート思考』とフッと繋がった。
「そういえば、この前読んだ13歳のアート思考で近年ビジネスに求められるものはアーティストのように考えること=自分だけのものの見方をすること」って書いてあったなと思い出したのでした。

この本は物凄く面白くてかなり売れていた本だと思います。
この本の面白いところは、芸術作品を植物の花に喩えてアーティストの考えや制作行為を探求の根と比喩するところです。
多くの人は、花に目がいきます。しかし、芸術を植物として喩えた時にその大半を占めるのは探求の根の方だと言われています。
著名なアーティストの探求の部分を見ると、ビジネス(に限らず人生全般)に必要な「自分だけのものの見方」と言うものが見えてくると。そういう仕組みなっています。

確かに、「自分だけのものの見方」とはいわば「商品の差別化」のことだと言えなくもないのでビジネスには必要ですよね。特にyoutuberに象徴されるコンテンツを作って売る場合は他との差異というのは1番重要です。

そう言う意味で『13歳からのアート思考』では、個人の好奇心や関心や趣味嗜好から出発した探求が他ならぬそのアーティストにしかできなかった製作として紹介されています。かなりエキサイティングです!
というかアート作品こそ、機能性が全くないから「他との差異」のみで成立する付加価値の極地ですよね。

書籍では歴史的な人物の作品を用いてその探求と思考をたどっていくのですが、ここで1つ私の個人的な経験でその探求の片鱗をみた話をします。

大学時代に話を聞かせていただた写真を使って作品を発表している学生さんに聞いた話です。
その人は、とにかく収集が好きでありとあらゆるものを集めるのが好きなのだとか。

で、ある時大きいものは収集できないという壁にぶち当たったらしいのです。
まぁあたりまえの話で、文房具やフィギュアなどはサイズ感的に集められます。しかし、家などの建築物の類は収集できないなぁと思っていたようです。

その時、「ベッヒャー夫妻」と言う写真アーティストの作品を見て「写真ならどんなに大きいものでも収集できる」と思ったらしいのです。
私は、言われてみればそうだが写真をそんなふうに捉えたことはなかったと衝撃を受けました。


ちなみにベッヒャー夫妻とは、とても有名な写真家で例えばいろんな場所の貯水塔を同じ画角、同じ距離、同じ光の具合で撮影し被写体以外の一切の情報を削ぎ落とした写真をカタログのように格子状に並べた作品を発表しています。(気になった方は調べてみてください)

その作品群を見ると確かにこれは収集というかコレクションに他ならないな、と感じました。貯水塔という機能的なものなので形はどれも似通ってはいるものの、余計な情報がないのでそれぞれのちょっとした違いに目がいきます。それが無名の彫刻と名付けられ、このような見せ方によって初めて見えるデザインの違いがとても面白いです。

これは『13歳のアート思考』にも共通している話と感じていて、「貯水塔を撮影する」といういわば誰もが可能なアクションのはずなのに独自の目線で行い新たな価値を創出した(確かベッヒャー夫妻から写真が技術から芸術になったと言われる)のですね。

まさにこれはビジネスで必要な「特殊知識」からなる成果と言えるのではないでしょうか??

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