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消えたアーティスト
はじめまして
この一文から始めさせていただきます。
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TikTokを毛嫌いする20代以上の人は多い。私も毛嫌いまではいかなくても、その波には乗れていない。しかし、TikTokから時代の流行というものが多く生まれているのは事実だ。
音楽というものは特にその傾向が強い。アングラなものは別だが、大衆的でポップなものはTikTokきっかけで日の目を浴びることが増えてきた。音楽番組でも「TikTokでいま話題のあの曲を披露!」という宣伝文句が増えている。
TikTokでバズって急に出てきたアーティストというのを聞いて思い浮かぶアーティストは何人かいるのではないだろうか。
あえてここでは名前は伏せることにするが、そのアーティスト達は短命であるように感じる。TikTokは投稿可能な分数が伸びてきているものの、数十秒のものが一般的だ。動画に使われる曲は一部分を切り抜いて利用されることが多い。そのため、曲がバズるというより、曲の一部分のみがバズる傾向が強い。歌詞に合わせて踊ったり、歌詞に合う映像をはめ込むことが多いTikTokでは一部分の歌詞がバズるということも多い。そんなバズる歌詞を曲全体や他の曲でも書けるならまだしも、そんな偶然の産物を定期的に出すことなど、米津玄師やRADWIMPSのような人間でないと無理だろう。
そのため、昨今はアーティストそのものよりも曲だけが売れるということが多くなった。TikTokだけでなく、サブスクなどで流し聞きする現代ならではの傾向だろう。もちろん実力があり、世間にウケるアーティストはそれをきっかけにずっと売れ続ける。しかし、そうもいかないアーティストが多いのもまた事実だ。
世間から見たら「一時期だけバズってすぐ消えたな」と思われていることだろう。しかし、1回バズることによって、日の目を浴びれば今までに無いほどのファンが付くことも想像に難くない。100人見て50人ファンになるアーティストもいれば、5人しかファンにならないアーティストもいる。しかし、それはあくまで確率論の話である。バズることで見る人の母体数が多くなれば、100人中5人だろうが、100万人中の5万人になる。
アーティスト本人達の思いというのは、聞き手側である私では想像するのは難しい。しかし、世間から見てバズってすぐ消えたアーティストも、アルバイトしながらなんとか生活していた環境から音楽で食べていけるようになり幸せなのではないだろうか。数十人キャパのライブハウスですらスカスカだったアーティストがホール規模で開催出来るようになったら十分成功だろう。世間というものはランキングで1位になるような曲でないと認識すらしない。しかし、バズりきっかけでファンになった人は曲をリリースする度に喜ぶことだろう。
分かりやすく、バズりきっかけのアーティストは短命と表したが、実際はそんなことはない。そもそもアーティストの定義が難しい。ドーム規模を満員にする人も、町のライブハウスで活動する人もアーティストだ。音楽だけで食べていける人がアーティストなのだろうか?
1曲だけバズって一時期話題になったが今は聴かなくなったアーティストはいるだろう。数年後に聴いて懐かしいという感覚になるだろう。そんなアーティストを見て時々、「あのアーティストまだ活動してたんだ」「もうオワコンでしょ」なんていう輩がいる。そんな発言をする際はくれぐれも気をつけるように。目の前の人間が今もファンである可能性は十分にある。せいぜい夜道に気をつけることだ。
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手の届く範囲にいるあなたが
幸せでいることを願います
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