見出し画像

(12)母の預言、優しい父の言葉と3人目のアメリカ人

日本へ戻った私と船が出港してサンディエゴにいたマトさんとのEmail交流が始まった。
面と向かって会話しても私には聞き取る力がないので、本当に難しい英会話。


『#%//**&%÷/&:^#@_>()[^%==×&<>*??』


から一向に上達せず(笑)
でもEmailは私にとってはかなり好都合。
だって聞き取る必要がないんですよ。
どんなにゆっくり読もうが、会話が続かない心配がない。


毎日、毎日Emailは届きました。ワカラナイ単語も盛りだくさんだったので、辞書片手に調べながら読む。
全部読んで理解したら、それに対して返事を書く。
なんか英語の宿題やってるみたいな感じ。でもこの期間で私はマトさんの使う英語を何度も、何度も読みました。好きかどうか?揺れる気持ちで帰ってきたものの、このEmailのやりとりは、相手を知るのにちょうどいい時間だったのかもしれません。


でも私、もうハワイに遊びに行く計画はないんですよ。
いい加減、仕事もきちんと方向決めなくちゃって思ってたから。ハワイに行ったのは誰かに出会う為ではなく、リフレッシュして今後の事きちんと考えるため。
でもこの時も、市場の仕事に戻らせていただいた。毎日家で仕事もせずにゴロゴロしてられないですから、とりあえず仕事はしながら、きちんと正社員として就職出来るお花屋さん探そうと思ってた。お花の仕事に付いた理由は、ウェディングフラワーに関わる仕事に憧れてたから。その時の仕事、職場は大好きだったけど、アルバイトでずっとはやっぱり中途半端だなと思ってたんです。


そんなEmail交流が続いた2ヶ月が経とうとした頃、マトさんに聞かれました。


『ジャパン マデ アイニイク』


↑もちろん英語でしたけど、そう聞かれた。
この時には私の気持ちもだいぶ"好き"という気持ちが育ってたので、わざわざ日本まで来てくれるというのは単純に嬉しかった。



マトさんはハワイの私の従姉妹とは交流があった。相変わらず例のご近所さんの家に集ってたようで、多分従姉妹から私の事とか色々聞いてたっぽいから、私の知らないところで日本行きへの情報収集は抜かりなかったと思われる。


私は仕事は休む予定もなかったから、一緒にいない時に困ったら大変だなと思って、家から近くのウィークリーマンションを1週間予約した。


でも、でも、ですよ。
会うのには好都合の家の近所。しかしやっぱり近所だと回りの目が気になる訳で。私も小さい頃何度か従兄弟、従姉妹達のそういう場面に遭遇して、みんなに目撃談話したことある。

だから両親にはキチンと説明しておいた方がいいと思った。品川に外国人は珍しくないけれど、一緒に歩いているのを誰かにみられて、目撃談として両親に伝わるのは嫌だなって思ったんです。


私、父に叱られた事が一度もないんですよ。
怒った姿は1度だけみたことがある。
小さい頃、わがままを言って母を困らせた私の姉、駅前留学のかおちゃんを怒鳴った。いつも優しい父が怒鳴った姿は衝撃的だったし怖いと思った。父を怒らせてはいけない、幼心にそう思った。

彼氏を家に連れて行ったことなんてなかった私ですが、父はいつも私やかおちゃんにはこう言っていました。


『お父さんはお前達が選んだ人なら誰でも信用する』


彼氏に限らずだけど、両親は私達の事をいつも"信用してる"と言って育ててくれた。だから、自分で決めた事に反対された事も、怒られた事もない。勉強しろなんて一度も言われた事ない。だから成績だって中の中、たまに上下する程度のもんだった(笑)

父に至っては

『女の子は勉強出来なくても料理ができた方がいい』

なんていう始末。今では時代錯誤と言われかねないこの発言ですが、私は海外暮らし始めた時に、料理が出来て良かったと心から思った。お父さんのアドバイス聞いおいて良かった。でも、勉強も料理も出来たらそれに越した事はないと、今子育てしてみると、そう思います。

そういう両親ですから、私は両親の信用、信頼は裏切りたくないと思ってたから、やっぱりマトさんがハワイから会いに来ることは正直に言おうと思った。勇気がいるけど、お父さんとお母さんに夕食後のテーブルで話した。


『お母さんはそんな気がしていた』


母はそう言いました。
起こる前から感じてた母の勘、現実なっちゃった。
預言者ですか?(笑)

父も母も驚いてはいたけど、怒られる訳もない。
ましてや、うちの家族には既に2人のアメリカ人がいましたから(笑) 2度ある事は3度あるも現実となる。



父が言ったのはやっぱりこれ。


『お前が連れてくる人なら、お父さんは信用する』


私も父がそう言うのは分かってた。
父や母がそうしてくれたように、私も子供達には"信用してる"って事あるごとに言うようにしてる。親になってみると、それって結構難しいんですよ。ついつい口出したくなるけど、子供達の人生、両親がそうしてくれたように、私も自分の子供だから信用したいと思う。



こうして晴れて、マトさんが日本に来る段取りはなんとか完了。
いよいよ次回、マトさんがやってきます。



《今日のヒトサラ》

▪春美さんの白和え

昔は好物ではなかった物も、歳を取ると身体にあってくるのでしょうかね。豆腐はそんなに好きじゃなかった私ですが、春美さんが作る白和えが食べたい。
春美さんの白和えはゴマ風味、まろやかで美味。真似して作ってみたけど、やっぱり何かが違う。日本に帰ってお母さんの料理が食べたい。

画像1


画像2


エッセイに登場する”出演者”である家族に”出演料”として温泉旅行をプレゼントするのが目標です。イッテQ!の温泉同好会の様な宴会をすべく、各自芸を磨いて待機中との事ですので、サポートしていただければ幸いです。スキ、シェアだけでもすごくうれしいです。よろしくお願いしますm(‐‐)m