(10)英語ワカラナイ&日本語ワカラナイ。そして相手はまさかのあの人
ハワイ3ヶ月滞在も終盤、私はハワイでクリスマス、お正月数日を過ごして帰る予定だった。
12月も半ばになった頃、従姉妹がご近所さんと一緒に私を連れ出しくれた。何度か面識のあるあのヤングセイラー達も一緒。だけど、英語ワカラナイ私はいつも従姉妹に通訳を頼んでみんなと会話してた。
ちなみにヤングセイラー達とは本当に数える程しか面と向かって会話(通訳付き)したことない。
私、当時彼氏もずっといなかったから、従姉妹がちょっと気を使って連れ出してくれたんだと思う。
そのお出かけナイトで、従姉妹から質問された。
『マトが ゆりの事好きなんだって』
マト。。。。ご近所さんの家に来てるヤングセイラーの1人。
通訳付きでお話した感じでは悪い人ではないと思う。
優しい感じのヤングなセイラー。
でも全然タイプって感じではなかった。
だって私、理想は神輿の似合う日本男児。
好きって言っても、私の事そんなに知らなくね?
ってか私もあんまり知らないの、マトさんの事。
知ってるのは優しい感じの好青年という事。
でもちょっとクセがスゴいという事。
だってマトさんは。。。。。
あのクセのスゴい袴みたいなパンタロン履いてた人
ですから(笑)
あり得ないと思ってたあのパンツ。
一緒に歩きたくないと思ってたあのパンツ。
どこで買ったのあのパンツ。
一体幾ら払ったのあのパンツ。
疑問はいっぱいですけど、従姉妹に聞かれたの。
『ゆりはマトの事どう思う?』
えっ? マトの事?
嫌いじゃないし、クセのスゴいパンツ抜きで考えたらイイ人だし、好き、嫌いで言ったら好きかも?
っていう感じの"好き"の意味で好き言ったの。
本人はその場にはいなかったし。
特にそんなに深い意味で好きって言った感じではなかったの、本当に。しかも私、飲めないお酒も入ってたし(笑)
そしたらなんか従姉妹とご近所さんがスゴい盛り上がって話してて、ちょっとこっちこっち!って呼ばれて行ったらそこにいたのマトさん。
あー、どうしよう。なんか嬉しそうな顔して立ってる。
私、その時従姉妹に"好き"の種類が違うかもって言おうかなって思ったんだけど、私以外の3人が盛り上がってるの、"英語で"。私入れない(笑)
その時はそれで帰ったんだけど、翌日マトさんから電話がかかって来た、従姉妹の家に。
ちなみに私は電話に出ても英語ワカラナイから一言も話してない。通訳の従姉妹が私に言いました。
"映画に一緒に行きませんか?" って言ってるけど、どう?
断るという選択肢もあったはず。
でも前夜嬉しそうな顔してたマトさん思い出したら言っちゃったの。なんでかワカラナイけど、
『いいよ』
って。
この時日本帰国まで2週間半くらいだったので、もうすぐ帰るし、映画くらいまぁいっか!って思って。
しかし、この時点でも英語はちっとも上達してないから、デートの段取りは従姉妹におまかせ。
なんかどっかで聞いたことあるな、人に段取ってもらうデート(笑)
(最初から読んで頂くと、誰の事か分かるはず)
そんなこんなで翌日デートの約束をして、迎えに来てくれた。ちょっとドキドキ。何がドキドキって....
"例のパンタロン履いてきたらどうしよう"
後、どうやって乗りきろう、
"通訳なしの英語の時間"
ちなみに、この時赤いバラの花を1本持ってきた。
さすがアメリカ人だなって思った。
私、お花大好きだから嬉しかった。
例え赤いバラが私の好みではなかったとしても、日本人の感覚でいくと"ちょっとキザ"なこの感じも、欧米人だとなんかしっくりくる感じ。なんかずっちーなーって思った(笑)
ドライブして映画館に連れてってくれた。
ホノルル空港横のハウジングから、ワードセンターまでドライブ。無言が辛い私、頑張って頑張って質問した。
"Where are you from?"
中学校の英語の教科書に載ってたやつ(笑)
綺麗な教科書英語、なんとか通じた!
"%$#>/*(>%%# ノースカロライナ #^$@÷/<*("
"ノースカロライナ"その部分は聞きとれた。
ハッキーさんを彷彿とさせるこの感じ。
そしてその後が続かないものの、無言の壁を打ち破った自分を誉めてあげたい(笑)
でもその後はずっと静かな車中。
運転中だからか、言葉が通じないからか、その両方か、
なんだか静かに運転してるけど、私ビビビっときた。
"この人、道に迷ってる"
物凄く簡単な道のりなのに、ぐるぐる回ってる。
私がいつも運転する道と全然違うし、ワイキキ行きのバスでも通らないな、この道って思ってた。
無言でぐるぐるしてるから、もう一度英語の教科書を頭で復習して、知ってる単語並べて再度沈黙打ち破る。
" You want to ask someone?"
あたし、意外と聞けるじゃんって自分を誉めた(笑)
もしかするとこんなに綺麗に聞けてなかったかも知れませんが、私の記憶によれば、そんな風に聞いたと思う。
"誰かに道聞いたら?"っていう意図で伝わったかどうかは分からなかったけど、数分後、ガソリンスタンドでなにやら聞いてたから、きっと伝わったっぽい。
従姉妹の子供たちが話す言葉を聞いて、子供向けのテレビ番組ずっと観てたから、知らないうちに耳も英語に少し慣れてたみたい。そして、通訳がいない状況は、自分でがんばるしかなかった。
人間追い込まれると意外と出来る。
帰国間際の私、もうお金もほぼ底をついていた。
マトさんはまだ21歳で若いから、貯金もゼロ、
給料貰ったら全部使う生活だったそうで、2人ともお金無かった(笑)
なけなしのお金でマトさんがご飯奢ってくれて、ビーチで食べた。あとで聞いたら、レストランで食べると、チップもいるし、ドリンクとかも頼んで高くなるからテイクアウトで、ビーチならゴザ敷けば簡単だからって。
やりくり上手な主婦かよ(笑)
そんな感じの初デート。日本帰国までの間の2週間で、マトさんは毎日仕事、そして3日に1度の当直だった。
だから会えたのなんて、本当に数回ですよ。
だけどマトさんは可能な限り私に会いに来た。
でも私、この時点でもまだ"好き"なのか?どうなのか?みたいなどっちとも言えない感情だった。
マトさんはネイビーセイラー。
当時は船に勤務してた。
私が帰るより先に、マトさんの船が出港予定だったので、船が出る前にどうしても話しがあると呼び出しくらった。
この呼び出しで、私にはある種の"運命"みたいな物を悟りました。一体どんな運命だったでしょうか?
それはまた、次のお話。
《今日のヒトサラ》
•ガーリックシュリンプ
"ハワイに来たら食べるべき"のハワイグルメ。
新婚の頃、ノースショアまで良く食べに行った思い出の味。
外食するとお金かかるので、家で作ってるうちに出来たレシピをクックパッドに載せています。
おかげさまで"つくれぽ1000件"超えました。
使ってくださった皆様に、感謝。
エッセイに登場する”出演者”である家族に”出演料”として温泉旅行をプレゼントするのが目標です。イッテQ!の温泉同好会の様な宴会をすべく、各自芸を磨いて待機中との事ですので、サポートしていただければ幸いです。スキ、シェアだけでもすごくうれしいです。よろしくお願いしますm(‐‐)m