土村奈保留/つちむらなをる
書いたものの置き場所です。
校内に人の影もまばらな黄昏時。晩春の暮れる太陽の光が、窓辺で寄り添う二人の少女の頬の産…
バランス。生命といういきものの群れの中のひとつとして、私が生命維持のためにとる行動。食…
私はよく転ぶ。精神的な挫折、つまずきはもう知れたものだが、身体的にもよく転ぶのだ。いっ…
『舟』 皆が死に向かって舟に乗るなら 私は生に向かって溺れよう 肺にLCL水溶液を満たして 間…
『或る独白』 道端に落ちていたノートにこんな頁があった。 『精神が落ち着いていればい…
『美しい名前』 機械の身体で出来た”ヒト”を見つけては、僕は今日もその人たちの中で気が…
『受肉』 名も刻まれぬ墓のひとつひとつから、ギイギイと音を立てて墓石が崩れ落ちてゆく。…
『灰蘇り姫』 あるところに、みすぼらしく孤独な少女がいました。少女は両親もいない捨て子…
『ボーダー』 地平線のどこまでもを続く引き裂かれた大地があった。底の知れない引き裂かれ…
『心臓が止まるまでは』 心臓が止まるまでは、彼のすべてを全身全霊で受け止める。 私…
『リリィ』 堪えきれなかった。彼女が美しくなればなるほど、自分の身の程を知るようで。…
母親の受胎の際に火の玉を飲み込んで産まれた女がいた。父親はおらず、母親は女を産んですぐ…
静かな過換気症候群 見せて 綺麗な階段 つまずいて痛む膝に目 足元に広がる池の色は四角い赤 …
剃刀よ お前は歌うな お前は奏でるな お前は無音の中で踊れ 傷痕を眺めてもしくしくと暮れるな…
私の父は鍛冶屋だった。神経症の私を養いながら、仕事に家事にと、働き者で娘の私のために尽…
私は無職である。働きたいと最近思いたってアルバイトの応募を何件かしてみて、今は連絡待ち…