加藤昭宏/ソーシャルワーカーを目指す全ての人のためのnote

ソーシャルワーカーを養成する大学の教員です。 これまでコミュニティソーシャルワーカーと…

加藤昭宏/ソーシャルワーカーを目指す全ての人のためのnote

ソーシャルワーカーを養成する大学の教員です。 これまでコミュニティソーシャルワーカーとして、ひきこもりやゴミ屋敷、近隣トラブルなど「制度の狭間」の課題に向き合ってきました。 ソーシャルワーカーや、ソーシャルワーカーを目指す全ての人に役立つ情報を発信していきたいと思っています。

最近の記事

いつか、本を書きたい。という話①

こんにちは、こんばんは。 大学でソーシャルワーカーの養成に関わっている加藤です。 自己紹介でも書いていましたが、「いつか、本を書きたい」と思っています。 そんな折、昨夜、ある大学の先生方と話をさせていただくなかで、「博士論文の内容を中心に、書籍化をしたらどうか」とお話をいただきました。 ・・・ありがたすぎる!!! ということで、久しぶりの更新です。 こんな感じで本を書きたいな、という内容を、少しずつ、noteにも書いていきたいなと思っています。 【その①】本の内容につい

    • 記録地獄から抜け出す方法 ~How to get out of “recording hell”~

       最近、ある実践者から「支援記録が溜まって、夜遅くまで時間がかかってしまいどうしたらいいか」と相談をいただいた。  そこで「少しでも参考になれば」と私自身の記録術を紹介したところ、意外にも「参考になる」とのことであった。  今回は、そんな加藤の記録術を少しだけ紹介させていただく。 〇メモをしておく  「何をバカなことを」と思うが、記録作成に向けて事前にメモをしておくことは、意外に大事である。  相談してくれた実践者は、「日中はバタバタと訪問し、夕方、事務所に戻ってから思い

      • 論文の書き方

         久しぶりの更新です。  目次の作り方とか忘れてしまったので、ひとまず、思いつくままに書いていきたいと思います(そもそも、文章の書き方についての記事なのに、こんな感じでいいのかよ、という感じですが)  とっても個人的なコツですが、私自身の論文を書くときの癖?ルーティン?があるなぁと知人と話をしていて気づいた(というより、人それぞれあるんだなと改めて気づいた)ため、少し、記事にしてみたいと思います。学生さんなど、論文を書きたい人の参考になれば。 ⓪準備体操:ネタ集め  日

        • 支援の狭間

           制度ができればできるほど、また支援機関が増えれば増えるほど、そこに狭間が生じる、ということです。  ある市では、CSWが小学校区ごとに配置されています。また、市役所には、消費相談等を含めた、何でも相談ができる「相談室」があります。また、国のモデル事業を受託し、「多機関協働包括化推進員」も活動しています。CSWとは別に、生活支援コーディネーターも認知症地域支援推進員もいます。社協内にはCSW以外にも、別の部署には生活困窮者自立支援の相談員もいます。もちろん、市内には地域包括

          こころの栄養補給法

           今回は、「こころの栄養補給法」というタイトルで、特に子育てに絡めて、人と人とのコミュニケーションにおけるストレスマネジメントについて書かせて頂きます。 ストロークについて 皆さん、「ストローク」という言葉を聞いたことがありますか?ストロークとは、泳ぐ際の水をかくことや、そのひとかき、またテニス、ゴルフ、卓球等で球を打つこと、ボートのひとこぎを言います。  テニスで球を打つときも、ラケットが前後に行ったり来たりしますが、そのような行き来は、私たちのコミュニケーションでも行

          相談員としての構え

           今回のノートでは、私がソーシャルワーカーとして相談対応に当たるときの「構え」について書こうと思う。  なお、昨日、「公務員試験の自己PRで、自分はエロいと自白したが受かった」話を書いたが、今日は下ネタではない(ただし、今回のノートでは乳房、乳首、おっぱいなどの言葉が度々出てくる)。 どっしりと構える母親 私は、ソーシャルワーカーとしてクライエントの面接にあたるとき、「どっしりと構える母親」をイメージする。  それは、赤ん坊にとっての「大きな乳房」でもあるといえる。  

          公務員試験の対策について!(永久保存版)~福祉系大学で公務員を志望するあなたへ~

          福祉系の大学に通う学生の皆さまへ 初めまして。私は、大学で社会福祉を学び、医療ソーシャルワーカーを経て社協のコミュニティソーシャルワーカー(CSW)として勤務し、現在はコロナによる減収となった方への相談対応をしております、加藤と言います。  また、社会人3年目から大学院に通い、現在は博士後期課程で研究を進めています。加えて、大学の非常勤講師として、学生に社会福祉について教える機会を頂いております。  今回は、私自身が公務員試験や病院を受けた時等、就職しようと思った際の勉強

          公務員試験の対策について!(永久保存版)~福祉系大学で公務員を志望するあなたへ~

          “デブデブ”“カバ”“ぽん太”が子どもたちに対してできること

           コロナの影響で、「子ども食堂が開催できない」と悩んでいる方々も多いと思います。安全第一ではありますが、一刻も早く再開できる再開できることを願っています。  さて、本日は、これまでコミュニティソーシャルワーカー(CSW)として子ども食堂を開催してきましたが、そこで起こった出来事と、それを通じて考えたことを書いていきたいと思います。また、子ども食堂を始めた経緯などは、いつか日を改めて書いていきたいと思います。  なお、デブデブ、カバ、は、子ども食堂に参加した子から言われた悪

          “デブデブ”“カバ”“ぽん太”が子どもたちに対してできること

          もうすぐ3歳になる娘の口癖は、「今日もいい天気ね〜」。  毎朝、起きるとカーテンをあけて、「今日もいい天気ね〜」という。  今日も雨かぁ。そんなことを考えていると、娘が起きてきて「今日もいい天気ね〜」という。  なんだか、忘れていたものを思い出すことができた、雨の日の朝だった。

          もうすぐ3歳になる娘の口癖は、「今日もいい天気ね〜」。  毎朝、起きるとカーテンをあけて、「今日もいい天気ね〜」という。  今日も雨かぁ。そんなことを考えていると、娘が起きてきて「今日もいい天気ね〜」という。  なんだか、忘れていたものを思い出すことができた、雨の日の朝だった。

          制度の狭間を"作らない"

           私は、2020年3月まで、6年間コミュニティソーシャルワーカー(CSW)として働いていました。  現在、「制度の狭間」の課題への対応が重要視されています。この「制度の狭間」の狭間とは、ゴミ屋敷、ひきこもり、不登校、ホームレス、また近隣住民とのトラブルなど、使える制度がない、もしくはあっても不十分な課題です。  これらは、従来の制度福祉では対応がむつかしいとされています。つまり、対象者を高齢者(65歳以上の人)、障がい者(手帳を持っている人)、子ども(18歳以下)などの属

          あおり運転の考察

           昨今、あおり運転によるトラブルが増え、非常に問題となっています。高速道路での死亡事故は記憶に新しいかもしれません。自身の身を守る為、ドライブレコーダーをつける方も多いかと思います。  さて、運転をする方の中には、普段優しい(少なくとも、優しくみえる)のに、運転をすると人が変わってしまう方も見えます。少し割り込みをされただけでカーッとなってしまい、クラクションを鳴らしたり、執拗に追い掛け回したり、いわゆるあおり運転をしてしまいます。  ある本には、次のようなことが書かれて

          ズル休みのすすめ

           気付けば今年ももう6月ですが・・・  新・社会人の皆さま、ご入社、おめでとうございます。今日は、そんな新社会人の皆さまや、会社で働く全ての人に、「ズル休み」のすすめをしたいと思います。 真面目なあなたに向けて 一体この人は何を言っているんだ・・・とお思いのそこのあなた。そういう方にこそ、今回の記事は読んでほしいと思って書いています。  ズル休み・・・そんなこと、考えたこともないという真面目な方も、たくさんいることでしょう。  また、ズル休みなんて言ってないで、頑張っ

          「死にたい」と言っているうちは大丈夫、は本当にそうなのか

          *個人的に感じること  私は職業柄、精神疾患や発達障害のある方と関わることが多々あります。  また同じように、そのような方を支援する仕事に就いている方とお話をする機会も多くあります。  そのような中で、「決めつけ」で支援をするといった、支援者側の偏見を感じることがあります。  例えば、これはあくまで一例ですが「死にたい」「今から死のうと思う」などと相談者から連絡があった場合、「死にたいと言っているうちは大丈夫」「精神障害の人がそうやって連絡をしてくるってことは、心配してほし

          「死にたい」と言っているうちは大丈夫、は本当にそうなのか

          対等でありたい

           相談援助をする上で、どうしても相談者さんと対等でいれなくなってしまう時がある。  すなわち、意識せずとも自分が上になってしまうのである。  また、同僚や先輩ワーカーの中で、まるでヤクザではないかと感じざるを得ない対応をしているのを見たことは一度や二度ではない(貸付の対応や、日常生活自立支援事業で、お金の取り立てや、知的・精神疾患の方に脅すような口調で話しかける、等)。  その姿は、普段上司等に対して媚びへつらっており、家庭でも居場所がなく、その鬱憤を利用者さんに対して

          アウトリーチは魚釣りに似ている

           ソーシャルワーカーにとって、アウトリーチは重要な働きの一つである。  とりわけ、コミュニティソーシャルワーカー(以下、CSW)には、アウトリーチは欠かせないだろう。  そんなアウトリーチに対する私の考え方をお伝えしたい。 (この写真は、昨年(2019年)、国際協力をしたいと思いたち、タイ・チェンマイの空港から120キロ離れた山奥の小学校へ現地調査に行った時の写真である。)  地域には、本当に様々な問題、課題を抱えながらも、自らSOSを出さない(あるいは、出せない)、ど

          せっかくの休日に仕事のことを思い出してゲンナリしてしまうあなたへ

           はじめまして。ソーシャルワーカーの加藤と申します。  私は普段、ソーシャルワーカーとして相談にのりながら、大学の非常勤講師として教鞭をとっています。また地域に出向いて、認知症や子育て不安、精神疾患などについての講話を行っています。  そんな中で、「せっかくの休みなのに、仕事のことを考えてゲンナリしてしまう」という方がかなり多くいると感じています。これが悪化すると、うつ病になってしまうこともあります。  そこで、今回は、そんな方の為に、「予防」の観点からメッセージ風の記

          せっかくの休日に仕事のことを思い出してゲンナリしてしまうあなたへ