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せっかくの休日に仕事のことを思い出してゲンナリしてしまうあなたへ

 はじめまして。ソーシャルワーカーの加藤と申します。

 私は普段、ソーシャルワーカーとして相談にのりながら、大学の非常勤講師として教鞭をとっています。また地域に出向いて、認知症や子育て不安、精神疾患などについての講話を行っています。

 そんな中で、「せっかくの休みなのに、仕事のことを考えてゲンナリしてしまう」という方がかなり多くいると感じています。これが悪化すると、うつ病になってしまうこともあります。

 そこで、今回は、そんな方の為に、「予防」の観点からメッセージ風の記事を書いてみました。少しでも参考になれば幸いです。

せっかくの休日に仕事のことを思い出してゲンナリしてしまうあなたへ

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 日々のお仕事お疲れ様です。毎日朝から晩まで仕事がいっぱい…
 せっかくの休みの日ぐらい、仕事のことは考えずに、ゆっくりリラックスしたり、趣味に没頭したり、勉強したい…
 なのに、ふとした瞬間に仕事のことを思い出してしまい、「あれもやらないと、これもやらないと…」と、言いようもない不安に襲われてしまうことはありませんか。
 また、仕事関係の人からメールや電話が来てしまい、一気に「仕事モード」に。それ以降、休んでも、休めた気にならないということもあるかもしれません。

 そんな“ゲンナリ”してしまうあなたに、ちょっと役立つアイディアやライフハックを5つ、ご紹介致します。(この記事は、15分程度で読めます。)


1.漫画『DEATH NOTE』から学ぶ、思い出さない為の工夫

 突然ですが、あなたは漫画『DEATH NOTE』をご存じでしょうか。
 主人公の月(ライト)君がある日【DEATH NOTE】を拾い、「キラ」として犯罪者たちを裁いていく漫画です。「キラ」を捕まえる為に「L」という天才や警察が「キラ」を追うのですが、そこでライト君は警察官の息子として、「キラ」探しを手伝うことになります。
 ライト君は、Lや警察の目をかいくぐりながら、自分が「キラ」だとバレないように試行錯誤します。その中で、こんな場面があります。


 【DEATH NOTEは、そのノートの所有者しか「死神」が見えない。
またノートの所有権を手放すと、それに関する記憶はなくなってしまい、「死神」も見えなくなる。

 再びそのノートを手に取ると、ノートに関する記憶がすべて蘇り、「死神」も見えるようになる。】

 これらのことを利用し、ライト君は次のことを考えます。
 「自分は、必ずこのノートを再び触る時が来るだろう。そして、それは必ずLや警察よりも先に触るだろう。」これらの確信のもと、ライト君は自ら “ノートの所有権を手放し” 、一時的に“ノートに関する記憶”をなくしたのです。

 これらを応用して、皆さんも「次に出勤した時に、必ずこの引き出しを開けるだろう」という引き出しに、仕事に関する書類をすべてしまいます。
 そして、“意識的に”その仕事に関する記憶もすべてなくしてください。

 これまでは、仕事のことを忘れちゃって大丈夫かな?と無意識で考えてしまい、休日に思い出してしまうことがあったかもしれません。
 でも大丈夫です。次に出勤した時に、あなたは必ずその引き出しを開けて、ちゃんと思い出すことができます。
 このように、未来の自分を信じて、思い切って「書類をしまう」のと一緒に「仕事の記憶」もしまってみてはどうでしょうか。


2.「やらないことリスト」作り

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 1.では、“書類”を片付けるときに、「意識的に仕事の“記憶”もしまってみよう」というお話をさせて頂きました。
 しかし、「そうは言っても思い出しちゃうし、仕事をしないといけない」と思ってしまい、つい休みの日にパソコンを開いて資料を作成したり、急ぎではないメールに返信したりしてしまうこともあるかもしれません。
 そんなあなたには、「やらないことリスト」作りをお勧めします。

 この「やらないことリスト」作りは、その名の通り「やらないこと」をリスト化するものです。
 普通は、仕事を進めていく上で「やらないといけないこと」をリスト化し、漏れがないようにやっていくことが大切です。
 しかしそれと同じぐらいに、あるいはそれ以上に大切なことは、「やらないこと」を意識して、大事な仕事に集中して時間やエネルギーを投資することです。
 皆さんは「パレートの法則」をご存じでしょうか。何事も「重要な20%」と「重要ではない80%」に分けることができる、という法則です。世界の富は、上位20%の人々が全体の80%を所有しているともいわれています。
 これらのことは、仕事も同様です。全体の中でも、重要な仕事は全体の20%ほどで、あとはそこまで「重要ではない」ことだったりします。
 重要ではない仕事の例として「急ぎではないメールの返信」があります。確かに、ビジネスパーソン(特に社長などの重役)の中には、メールのレスポンスの速さ(=返信の速さ)をとても大切にする方もいるかもしれません。
 しかし、あなた自身もそうですが、メールの返信が数日遅れても、そこまで気にするでしょうか?
 
 ここで、「やらないことリスト」を作ってみるといいかもしれません。
 例えば、先ほどの例で言えば、
・休日には会社のパソコンを開かない。
・休日にはメールの返信はしない。
 ということを書いてください。

 もちろん、これらは普段の仕事においても重要です。特に頭がクリアな午前中、メール処理に追われることはとても無駄なことであり、「午前中はメールチェックをしない」と決めているビジネスパーソンも多いようです。

 このように「やらないことリスト」を作ることで、休みの日に仕事を思い出してしまい、ついつい急ぎではない「メールの返信」をすることを防げ、それによる罪悪感を感じなくても済むようになります。
 また、周りの人に、休日や時間外はメールの返信ができないことなどを、あらかじめ伝えておくことも一つかもしれません。


3.全部書き出してみる

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 2.では、「やらないことリスト」を作ることで休みの日に不必要なことをしてしまうのを防ぎ、またそれによる「仕事をしない罪悪感」を感じなくても済むことをお伝えしました。
 しかし、それでも「溜まっている仕事のことが気になっちゃうよ」という方もみえるかもしれません。次に、「溜まっている仕事を全部書き出してみる」ことをおすすめします。

 「あれもやらないと…これもやらないと…」と焦ってしまうときは、まずはどれだけの仕事が溜まっているか、その全体像を把握することが重要です。
 おそらく、多くても20個くらいなのではないかと思います。特にその中でも、先ほどの「パレートの法則」を使えば、本当に重要な仕事は4つ前後ではないかと思います(もちろん、個人差はありますが)。

 皆さんも、書き出してみてください。いくつありましたでしょうか?
 書き出してみると、案外、数としては少ないと感じる方もいたかもしれません。
 また全体像が見えることで、それらを片付けるのにどれぐらいの時間がかかるかも考えられるようになるかもしれません。

 それでは次に、それらの仕事に「優先順位」をつけていきます。
 ここで、優先順位のつけ方として、次のような整理の仕方をご紹介します。

○仕事の優先順位は、
 ①「重要なこと」/「重要ではないこと」と

 
②「急ぐこと」/「急がないこと」の
 二軸で分ける!

 

 仕事の優先順位は、①「重要なこと」「重要ではないこと」と②「急ぐこと」「急がないこと」の二軸で分けてみてください。
 具体的には、縦と横にクロスするように線を引き(漢字の十を書いてください)、上にいけばいくほど重要、右にいけばいくほど急ぐ、という分け方です。
 すると、右上から時計回りに①「重要かつ急ぐ」、②「重要じゃないけど急ぐ」、③「重要じゃないし急がない」、④「重要だけど急がない」となります。

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 そして、仕事をこの4つのどこに当てはまるかを考えます。

 できましたでしょうか。
 さて、次に優先準備をつけていくわけですが、ここで問題です。
 どのような順番で優先順位をつけていけばいいでしょうか。
 ①「重要かつ急ぐ」仕事が一番優先順位が高く、③「重要じゃないし急がない」仕事は優先順位が一番低いことがわかります。
 それでは、②「重要じゃないけど急ぐ」、④「重要だけど急がない」仕事では、どちらが優先順位は高いでしょうか。

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 それは、④「重要だけど急がない」仕事です。
 多くの人は、②「重要じゃないけど急ぐ」仕事を優先的にしてしまいますが、大切なのは、毎日、この④「重要だけど急がない」仕事をする時間を作ることです。

 これら優先順位をつける際に先ほどの「やらないことリスト」作りを合わせて行うとより効果的です。
例えば「午前中は、②「重要じゃないけど急ぐ」、③「重要じゃないし急がない」仕事は絶対にやらない」というように決めることもできます。

 少し話がそれてしまいましたが、このように溜まっている仕事をすべて書き出し、整理してみると、「休みの日に仕事を思い出して、あれもやらないと、これもやらないと」と不安になることは少なくなると思います。


4.終わらせPOINTを作る

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 3.では、溜まっている仕事の全体像を把握し、整理することをお伝えしました。
 次に、それらを片付けていく方法をお伝えします。
 それは、タイトルにあるように「終わらせPOINTを作る」ことです。
 例えば、4カ月後に大きな学会発表を控えているとしましょう。
 まだ何もテーマが決まっておらず、何から手をつけたらいいかも見えず、不安になるかもしれません。
 こういうときは、最終ゴール(ここでは、4カ月後の学会発表)に向けてどのようなステップを踏んでいけばいいか、それを可能な限り細かく分割してみてください
 例えば、自分の問題意識を書き出してみる、それらをグループ化して整理してみる、その中からテーマを仮で決めてみる、そのテーマに関連する書籍を数冊ネットで見つける、それらの本を図書館で借りる、書店へ行って買ってみる、実際に読んでみる、、、などです。
 この中には、「学会発表の申し込みをする」という単純なことも含まれています。
 このように、ゴールまでのステップをかなり細かくわけて、日々、それを一つずつ「終わらせていく」ことが重要です。

 この「終わらせポイント」には、「人に聞く」ということも含まれています。
 周りの人に仕事を手伝ってもらう、調べてもらうということも、仕事を進めていくにはとても大切なことです。
 それで仕事を片付けることが出来れば、それはあなたの大きな能力の一つです(頼れる人がたくさんいるということも、あなたの大きな能力の一つです)。

 このように、一つ一つの仕事に「終わらせポイント」を作ることで、1日ごとに区切りをつけることができ、休みの日に仕事のことを思い出すことは少なくなるかもしれません。


5.【発展編】あえて思い出す

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 ここまで、さまざまな視点から、休みの日に「仕事を思い出さないようにする」ことについてお伝えしてきました。
 最後に、【発展編】として、「あえて思い出す」ということをご紹介します。

 突然ですが、あなたは「仕事」と「作業」の違いを考えたことはありますでしょうか。

 「仕事」と聞いて、取引先と連絡をとったり、書類を作ったり、プレゼンをしたり…ということを思い浮かべたかもしれません。
 しかし、これらに加えて、アイディアを考えたり、その構想を練ることも「仕事」に含まれます。

 それに対して「作業」とは、実際に職場内で就業時間中に行う仕事(動き)のことを言います。
 上記の例でいえば、取引先と連絡をとったり、書類を作ったり、プレゼンをしたり、、、ということは、すべて「仕事」の中にある「作業」ということができます。

 あるビジネスパーソンは、次のようなことを述べています。
「作業は1日8時間しかできないけど、仕事は24時間365日、ベッドの上でもお風呂の中でもできる」

 特に、クリエイティブな仕事であればあるほど、「いいアイディアを生み出すこと」が必要になってきます。
 アイディアは、「4Bで浮かぶ」という法則があります。4Bとは、
・バス(移動中)
・お風呂(シャワー中)
・ベッド(寝る前、朝起きてすぐ)
・バー(お酒を飲むなどリラックスしているとき)

 これらの頭文字をとって4Bの法則といいます。

 またアメリカのある企業では、難しい課題を役員が話し合うときは、必ず「金曜日の就業終了前」に 会議を行うと決めているようです。
 金曜日の就業終了前にたくさんの問題・課題を頭に詰め込み、各々が休日を過ごします。
 しかし、それぞれが休日にどのように過ごすかというと、それらの難しい課題は一切忘れて遊ぶようです。
 ここで、一見彼らは何も考えていないようにみえますが、実は頭の中(無意識)でそれらの解決方法を一生懸命考えているようです。
 そして、週が明けて、月曜日にはその解決方法が見つかっているということがよくあるとのことです。
 
 これらの人々は、休みの日やリラックスしている時間、そして遊ぶことも「仕事」として位置づけ、アイディア出しに積極的に利用している、ということです。

 このように、あえて思い出す、ということも、考えようによってはいいのかもしれません。

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 以上、本noteでは、休日に仕事のことを思い出して “ゲンナリ” しない為の5つの方法をご紹介してきました。もし1つでも、あなたに合う方法があれば、是非取り入れてみてください。

 ここまでお読み頂きありがとうございました!

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