いつか、本を書きたい。という話①

こんにちは、こんばんは。
大学でソーシャルワーカーの養成に関わっている加藤です。
自己紹介でも書いていましたが、「いつか、本を書きたい」と思っています。

そんな折、昨夜、ある大学の先生方と話をさせていただくなかで、「博士論文の内容を中心に、書籍化をしたらどうか」とお話をいただきました。
・・・ありがたすぎる!!!

ということで、久しぶりの更新です。
こんな感じで本を書きたいな、という内容を、少しずつ、noteにも書いていきたいなと思っています。

【その①】本の内容について
博士論文の冒頭では、以下のようなことを書きました。。。

 本研究では、「地域共生社会」の実現に向けたコミュニティソーシャルワーカー(以下、CSW )の支援展開可能性を探 っていく。 具体的には、既存の理論・方法論では対応が難しい「社会的孤立」事例に対するコミュニティソーシャルワーク実践理論について提唱することを目的とする 。このため、まず CSW の支援の焦点 枠組みについて考察し、個別支援と地域支援の統合の意義を明確化し ていく。 次に、「クライン派対象関係論」を援用したコミュニティソーシャルワーク理論モデル・アプローチについて考察し、そのアプローチの展開可能性を示していく 。

 ・・・難しいですね。笑
 現在、日本では、「地域共生社会」の実現を目指しています。厚生労働省のホームページから「地域共生社会」とは、という内容は出てきます。
 個人的に、地域共生社会の実現とは、次のようなことだと思っています。

 「地域に住む誰もが、当たり前の『福祉』(ふくし=ふだんのくらしのしあわせ)を享受できる社会を作っていくこと」

 このために、制度の縦割りや、支援を「受ける側」・「する側」という役割などを「超えて」、また地域住民や多様な主体が「自分ごと」=我が事として参画して、人と人、人と資源が世代や分野をこえて「丸ごと」つながることが求められているのだと思っています。

 つまり、本来の役割があり、できる支援があり、当たり前のふくしが享受できるにも関わらず、そうなっていないとしたら、それをどうしたら変えられるのか、ということを考えていくことが大切なのではないでしょうか。

 前置きが長くなりましたが、このような「地域共生社会」の実現を目指して、「重層的支援体制整備事業」が始まっています。
 これについては、またいつか(これも、いつかです。笑)詳細を書きたいと思いますが、専門用語を使ってしまうと「包括的な支援体制を構築するためのエンジン」として期待がされている事業です。

 この重層的支援体制整備事業は、個人や一つの世帯に複数の問題・課題のある人びと(「複合的な課題のある個人・世帯」といいます)に対して、多職種が協働して支援ができるようにしていくことや、これらの個別の支援と地域づくりとを一体的に展開できるようにすることが期待されているのです。

 これは、まさに私がこれまでやってきた「コミュニティソーシャルワーク」そのものであり、実際に「重層的支援体制整備事業は、コミュニティソーシャルワークを展開できるシステムを構築していくこと」と言われています。

 ・・・しかし、「複合的な課題のある個人・世帯」に対する多職種連携による支援については考えられているものの(多機関協働事業)、いわゆる「制度の狭間」や「支援の狭間」に対しては、どのように対応したらよいかの明確な道筋がまだ見えていないのではないかと思っています。(「断らない相談」や、つながりつづけることを重視する「伴走型支援」という考え方は出てきていますが)
 すなわち、重層的支援体制整備事業は、あくまで「体制整備」に関する事業であり、それと並行して「ソーシャルワーク理論」の検討が必要不可欠だという問題意識が、この本(そして博士論文)の根底にはあります。

 それは、例えば次のようなことです。
・「制度の狭間」の課題をどのようにとらえる必要があるか
・「制度の狭間」の課題を抱えた個人・世帯をどのように支援ができるか
・そこでは、どのようなソーシャルワーク理論が必要なのか
※ここでいう「制度の狭間」の課題とは、例えばひきこもりや、いわゆる「ゴミ屋敷」状態になっている方、近隣トラブル、家族不和、などなどです。

 これらは、これまでのコミュニティソーシャルワーカーとしての実践と、大学院での研究とを総合して考え続けてきたことです。
 そして、繰り返しですが重層的支援体制整備事業は「コミュニティソーシャルワークを体制・仕組みとして展開できること」とされており、「属人的な実践」という限界を超える可能性があるとも思っています。

 これらの考え方に賛同いただける方にとって、少しでも参考となり、「制度の狭間」の課題を抱え、また今も「助けて」の声があげられず苦しんでいる方々の支援につながるような本を書きたいと思っています。

 応援、よろしくお願いします。m(__)m

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