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毒親からの脱出計画3

電話相談


「こうして心が折れていくのか」

たった十分の電話だった。
理解されない。
電話越しに愛想笑いしている私がいた。


前回の記事では精神科を受診し、そこでDV窓口や女性支援センターなどの「相談窓口」へ電話相談を勧められたことを報告した。

精神科の先生の温かい対応に勢いの乗った私は
早速電話を掛けた。

電話先は勤務先付近の女性支援センター
前回のチャット相談の際に相談先として挙げられた連絡先と同様であった。

数回のコールの後、電話口から聞こえたのは妙齢の女性の声。
「親からの過干渉があり…」

一度、病院の先生に説明していたためか、想像よりはスムーズに説明ができた。

説明はできたものの、返答は以下のようであった。
「支援には、対面で相談を受ける必要がある」
「居住地の相談先を教えるのでそちらとコンタクトを取ってほしい」

多少は予想していたものの、居住地でないといけないとは…。

行動を監視されている人、居住地周辺での自由行動が難しい人にはかなり厳しいのではないだろうか。

仕方がないとは思いつつ、もやもやを抱えたまま、教えていただいた居住地の相談機関に連絡をする。

やはりこちらも対応は女性。同様に事情を説明する。

説明し終えて最初に言われたのは
「身体的な暴力は、ないんですね?」

「…はい」

「そうすると、家の中で距離を取るとかね、家を出れたらいいんだけどね」

「殴られたり、蹴られないとお力をお借りすることは難しいですか?」

「う~ん、まぁ、ねぇ」

自分の中にあるやる気の炎が、シューと消えていく気がした。

多少は想像していた。

DV=身体的なもの

そう考える方がいることは。精神的DV、経済的DV、その説明をすることも億劫になった。

「はい、わかりました。ご対応ありがとうございました」

何も考えたくなかった。
自然と愛想笑いになっていた。

電話を終え、問診室を出る。

受付の方が気づき
「いつでも利用してください」
その言葉に少しだけ救われた。

相談迷子

この現象をこう名付けたい。

相談先もわからず、だれを頼ったらいいのかもわからない。
困って相談したのに、案内されるのは新しい相談先。

何度も繰り返される「事情説明」
それだけでもストレスになる。

そして相談先への伝わらないもやもや。
この先私は誰に相談すればよいのか。

チャットへ相談(二回目)

そして振り出しに戻った私はもう一度チャット相談へ

もともと、電話相談をしたら報告してほしいといわれていた。
次回書き込みで利用してくださいと言われていた、ニックネームとIDを送信する。

ほどなく、相談員さんから反応。

早速、
・電話を行ったこと
・居住地の支援センターでないと対応ができないこと
・居住地の支援センターに電話したが状況がうまく伝わらず、支援は難しいと回答があったこと

順番に伝えていく。

相談員さんは
「そうなんですね。少し考えますね。お時間もらってもいいでしょうか」

そう返答し、
「○○さん、もう一回頑張ってもらいたいです。一つ提案します。」

「よりそいホットラインへ電話をしてください。『親からの虐待、ひどい監視があります。これからプロジェクトから紹介されました』このように伝えてもらえますか?」

少しだけ迷った。
―また、同じ結果だったら…―

それでも、こうして対応してくださる相談員さんを思い、提案を受けた。

「またお待ちしています」

チャットでの相談を終えると少しだけ前向きになれた。

よりそいホットラインへ電話相談

そして数日後、電話できる体制が整ったので、さっそくかけてみる。

「はい」

やはり電話に出たのは女性。

チャットの相談員さんに言われた通り、伝える。

担当の女性はさらに詳しく状況を訪ねる。
何度かの質問の後

「やはり貴方は家をでたほうがいいです」

今回はきっぱりと言い切られた。
これだけで、気が楽になった。

それだけでは止まらず、担当の女性は
「貴方の親は健康で働けるのだから、自分のことは自分でどうにかしてもらいましょう」
とまで言い切られた。

そして支援措置について説明される。

・居住している役所に申し出る必要がある
・警察や役所へ事情説明が必要。
・事情説明をする警察や役所は居住地でないとならない
・警察は、交番ではなく警察署に行く

とりあえず説明を受け電話を切った私は頭を抱えた。

うーん。
この「居住している」が大問題なのである。

そもそも、居住している地の警察や役所へ相談に行けていたらこれほど困っていない。

なぜ行けないのか。

そう、行動を監視されているから。

そして小さい町なので、「どこで誰が何をしていたのか」まで丸裸。

警察にも役所にも親の知り合いや顔見知りが多く、簡単に相談には行けない。絶対にバレてはならないのである。

いっそのこと引っ越し後に転入先で支援措置を申請し、受理されたら再度引っ越すほうが良いのかもしれない。

時間も体力もかかりそうではあるが。

最初から役所や警察に行くのがベストかも

今回のこの電話相談をしての正直な感想だ。

結局前進できず、何度も説明を重ねるうちにしんどくなってきてしまった。
「理解されないかもしれない」
「身体的な暴力でないとダメかもしれない」
そんな思いをかけながら、電話をかけることが苦しかった。

電話越しなので、対応していただいた方に事情がうまく伝わらなったのかもしてない。

そうわかっていても
「なるほど。こうしているうちに自殺する人が現れるのだな」

そう思ってしまった。

警察や役所へ行けるのであればそれに越したことはない。
現状行けない私はどうしたらいいのか。

振り出しからもう一度進むために、小休憩。

では、また。










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