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才能の伸ばし方には順番がある。

__人材育成の鍵は、
情熱を引き出してあげるリーダーシップ!
__


『天才社員の育て方』 児玉光雄 著


人生の結果=能力×熱意×考え方。
これは稲盛和夫氏の言葉だけど、
この本では、能力を個性にあてています。

人生の結果=個性×熱意×考え方
ですね。

天才とは、
能力(個性)×熱意×考え方の総和

と言い換えられます。

能力(個性)をのぞき、
熱意と考え方とは後天的に養えるもので、
誰でもイチローのような天才になる素質
を持っている!

これが、
本書に込められたメッセージの核心
のようです。

面白くて、大変に参考になったのは、
天才を育てるために
間違えてはいけない順番があること。

それは、
4段階の能力育成になり、
持続力×没頭力×創造・発想力×人間力の順番。


たしかに、家を建てるのも、
屋根づくりから始めるわけにも
いかないですもんね。

数多くのトップアスリートを見てきた、
メンタルコーチの第一人者が言うのだから
説得力があります。

若いうちにいかに持続力を養うか。
すべての基礎がここにある
のだと
著者の児玉さんは言います。

情熱を持ちなさい!とか、
やる気あるの!?とか、
ちゃんと考えなさい!とか、
思わず、部下や後輩、親であれば子どもに
言ってしまいがいなワードがあるけれど、

何かに必死になる情熱や、
やる気のスイッチ、
思考する力も、
持続力という土台なしには生まれない。

その基礎があってはじめて、
自分の個性や、
得意なこと好きなことに気づき、
没頭する努力が必要になってくるし、
何に没頭すべきかの選択も
できるようになる
のでしょう。

没頭することで本質に気づきはじめ、
そこからやっと、自分の頭で考える力が
養なわれる。

没頭できない人に、
情熱を出せ!やる気を出せ!は間違いなんだと
言うわけです。

なるほど…と頷かざる終えなくなりました。

例えばイチローの高校時代、
中村監督は常に考えると言うことを
身に付けさせようと指導をしていたそうです。

三振したバッターがベンチに帰ってくる時、
がっかりしたり悔しがって帰ってくる人を見ると、
「ホームベースからダックアウトまでの
13歩は、次の打席のためにあるんだ!」
といつも言っていたと。

つまり、考えろ!!
と言うことです。

悔しがっている暇があったら、たった今、
三振したボールをどうすれば次は打てるか、
そういうことを考えながら戻ってきなさい
と言うことであり、

イチローが三振しても内野ゴロに終わっても、
ヒットを打ってもホームランを打っても、
顔色を少しも変えずにダックアウトに戻る姿を
見た人も多いのではないでしょうか。

特に彼が言っていた、
凡人にはあり得ない発言に、
驚いた記憶があります。

「凡打の時に新しいバッティング、
ヒットを打てるバッティングがひらめくんだ」

つまり、なぜ失敗したのか?
なぜ打ちそこなってしまったのか?
なぜヒットが打てたのか?

が分からないと次に繋がる発想が生まれない
と言うのです。

没頭する力から生まれる発想力や想像力。
これがプロフェッショナルになるための
登竜門
と言えるのでしょう。

つまり、想像力も発想力も、
莫大な努力を積み重ねた人にのみ習得できる
チャンスがくるし、後天的な能力
なんだなぁと
頷きまくりです。

最後に、
人間力とは、
自分が目指す最高のゴールを探求し、
追い求め続けていく能力であり、
自己実現の能力。


一流選手の特徴は、
自分の存在感を強烈に感じられる瞬間を
体験したい!
そう願っているもので、
つまり最高の自分を見たいという願望が
並の選手よりもケタ外れに強いのだそうです。

では、すべての基礎にあたる持続力って、
どうやって社員や部下、
子どもに付けさせてあげられるのか??
没頭力は??

など、人材育成に携わる方のみならず、
誰もが自分事として知りたくなるヒントが
書かれている、素晴らしい一冊です。


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