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海を超え、歴史に学ぶこと@ある編集者のユートピア

世田谷美術館で開催している「ある編集者のユートピア」に滑り込みで行ってきました…!

編集者・小野二郎が追い求めたものを深堀りしていく展示です。

小野二郎は
・新卒で入った出版社で2年で25冊発行
・その後独立し、出版社立ち上げ
・才能ありそうな若手をスカウトしまくり一流編集者に育てる
みたいな感じなので…ハイパー編集者かつ、おそらく当時の感覚ではイケイケのベンチャー創業者的な感じの人です。

言動も、「晶文社は運動だぞ」と社員に言っちゃうような感じなので今見ても超尖ってますね。これを1960年代にやってるのはかなりクレイジーな感じがします(褒めてる)。

展示全体もすごーく面白かったのですが、小野二郎が影響を受けたというウイリアム・モリスにまつわる展示が個人的にとても良かったです。

イギリスの産業革の時代、大量生産大量消費の流れに抗うように装飾芸祭の復興を頑張ってたあたりからとってもクールなんですが、彼の手がけた世界で最も美しい本の一つと言われる「ジェフリー・チョーサー作品集」がまじで美しかったです。

購入した展覧会図録の写真ですが、ぜひ見てくださいこれ…!

文字と挿絵でビッシリ。本をこういう概念で捉えたことなかったわ〜!!

2枚目の写真の右側の図とか、めちゃくちゃ普通にテキスト書いてある読み物なのに、そのテキストを挿絵でビッチリ完全包囲している本を私はいまだかつて見たことがないです。

ナマで見たら、執念感じました。

いわゆる今のエディトリアルの法則にのっとらないデザインではありますが、逆にとても新鮮な感じがしたし、紙の自由度に改めて驚かされました。

すごく発見の多い展示会を見終えて思うのは、私は目の前・手の届く範囲での編集の概念ばかり追い求めていたんだなぁということ。

海を越えたり歴史に学ぶことが、なぜだかすっかり抜け落ちている。

本来、当たり前に仕入れるべきインプットだと思うので、盲点というか…えっ…なんで私こんなに不勉強なんだっけ?と自分にビビりつつも新しい知識の入り口を発見できた展示会になりました。

小野二郎についても、また別途深掘りしてnoteにまとめられたらなと思います!

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