作り手のすべてがにじみ出る、紙媒体の手ざわり

紙媒体って、残酷です。
良くも悪くもすべてが滲み出てしまう。

学生時代のフリーペーパーや冊子制作を含めると、もう10年近く紙媒体に携わっていますが変わらず思うのは、紙というメディアの尊さと怖さについてです。

1度でも冊子を作ったことがある人なら首を縦に激しく振って同意してくれると思うのですが、紙の媒体を作るって超絶手間です。

1度出版すると後戻りはできないし(そのくせ何度確認したってミスが出てきたりして憎たらしい)、真っ白な紙に自由に何でも載せられちゃう。自由って素敵な言葉に聞こえるけど、自由ほど難しいものもない。

何回・何年作ってきたベテランですら毎度頭を絞りきって、試行錯誤して、手間をかけないと作れない、まさに秘蔵っ子。

だからなんでしょうかね?紙って全部出ちゃうんです。

どれだけ読者のことを真摯に想って作ったか
掲載するモノ・コトに誠意を持っているか
どんな世界観・言葉を伝えたいと思っているのか
それをしっかり突き詰めるほど考えたか
どこかで妥協していないか

そして、何よりも…

関わる人が、この記事が読者に届いてどういう世界が広がるかを想像して、それを信じられているか。心から楽しんで作れているか。

そんなことまで滲み出て来ちゃうんです…。

もう…びっくりする程…ほとんど見た瞬間で分かっちゃいます。

だから、手を抜くなんて言語道断だし、関わる人の誰かが「全然意味わかんない企画だけど仕事だからやるか…」って思ってたりするともうすべてが台無しで。たまにはお手柔らかにお願いしますよ〜と泣きたい気持ちになったりもします。

でもそんな紙媒体だからこそ…いい編集者は読者を含めた企画に関わる人すべてに真摯に向き合える人なんだと思うのです。そういう編集者の作るいい記事に出会うと感動するし、心が洗われる感じもする。

だから紙の編集ってやめられないんですよねぇ。

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