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櫻始開

3月。今年は桜の開花は早いかな、と思ったけれど、咲きはじめは七十二候「櫻始開」のとおり。

コロナ禍の外出自粛から一年、決まった人とばかり会うようになって気が楽になったと思っているけれど、寂しさは増すばかりだし、息苦しさも消えないことは、もうあんまり気のせいにはできないくらい心に重くのしかかっています。たぶん「誰でもなさ」に逃げ込む隙がないというこの状況が、私には合っていないのかもしれません。

夜、仕事帰り、なんとなく寂しくなってひとり桜の咲く公園を散歩をしながら街に出ました。

お花見とは、中心も周縁もない、いっ時の競演。それだけが良くて、それだからこその美しみ。それも「無」とは違う「なんでもなさ」、なのよねぇ。

いつものお店。今日持っていたチョコは埼玉のcocomasさん。フィリピン70%スムース。
以前いただいたオリジナルと同じ配合で、メランジャーに3日間以上かけているタイプ。口溶けなめらかで、優しい酸味。いちごとかレーズンとか。余韻は長めで、ラム酒ぽい。このフレッシュな果実味が素晴らしく、美味しい。

苦味や酸味のあるチョコの評価とか、健康にいいという神話とか、群馬ブランド苺のやよいひめは甘過ぎてケーキには使えないとか、世間は甘い、柔らかい、なめらか「=美味しい」という一義的な評価に囚われていないかとか、マスターとビオディナミの農家さんと3人でずっと話していました。

マスターの見立て通り、このフレッシュな果実味は、Case Coriniのアキッレと、いちごにちょうど合う。そうそう、こんなかんじ。求めていたのは。私はこういう刹那的な競演に美しさを見出してしまう。

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FILM

だからこうやって、前にも、後ろにも、進めないでいる。

ここ数年、特にこの数ヶ月、見送る人が多くて焦燥感に苛まれている私に、ぜんぶ星のせいだよ、とビオディナミの農家さんが言って緩してくれた。13番目の月の夜。

いつからか、さよならを言わなくなったな。
只今だけが人生です。

CHOCOLATLE

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INFORMATION

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◆クラフトチョコレート取扱場所◆
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