犬の爪が丸々一つ取れました…しかし母は【ユーモアエッセイ】
✳︎2023.10.15のこと✳︎
お犬様の、後ろ脚の爪一つ剥がれました。
いつどこで取れたのか不明。
玄関先に数分出て戻ってきたら、歩く跡に血痕が！廊下にポタポタ。歩き方もおかしい。
こちら側は大慌てだが、愛犬はというと意外にも平気な目をしている。でも、触ろうとすると嫌がる。
爪が剥がれて流血してるのだから、絶対に痛いはず。
ガーゼ巻いて、かかりつけの動物病院へ車で行きました。
幸いにも化膿はしていないとのことで、薬もなく処置だけしていただきました。
平地なら散歩も大丈夫だし、シャワーも良いとのこと。
でも散歩はちょっと怖いよね…。痛そうだし。
爪はまた生えてくるらしいが、もしかしたら変形するかもしれないと。
何ごともなく順調に傷が癒えて、爪が生えてくれるなら安心です。
エリザベスカラー装着された。
ちょっと違和感あったのか、しおらしくなってしまった。
視界から何までストレスなんだろうけど、少しの辛抱。
でも私は不覚にも可愛いと思ってしまった。
爪はきっと玄関前にある！
なぜ怪我してしまったのか突き止めるため、私は、愛犬の小さな爪を探そうと妹に切り出したが、妹は半笑いだった。
なぜなら、母が、玄関前に転々と落ちていた血痕を拭いたあと、ここぞとばかりにホウキで掃除をしてしまったらしい。
塵たちを遠くへ勢いよく放っていたそうだ。
一通り探したようだが、証拠品は見つからなかったらしい。
「血を拭いた後にホウキしてるからビビったよね」
と、妹は呆れていた。「だから爪は消えたよ」
うちの母はおとぼけだ。
止血のためにガーゼをあてる時だってそう。
いつ買ったのか不明な医療用テープを引っ張り出してきた。
粘着力がほぼ無くボロボロで、使い物にならないのは目に見えていた。
それを母は半ば強引に貼った。ぜんぜん粘着されていないのに、だいぶ満足されていた。
そんなもんだから、当然、ガーゼは、愛犬が動くたびにスポスポ取れる。
それでも母は大丈夫だと胸を張る。
もっと適材なテープがあっただろうに。
案の定、車で病院へ移動中、ガーゼは何度もスポスポと取れ、その度に付け直すという悪戦苦闘の作業が繰り返された。
愛犬は痛みに敏感になってきたのかジッとしくれなく、結果、テープはただの細いヒモとなった。
「もう！なにこのテープ！」
と、助手席で妹は吠えた。
ヒモは、若干の粘着を武器に妹の指に絡みついていた。
ダッシュボードにセロハンテープがあったから試してみたが、お犬様が嫌がってダメだった。
仕方なく、仰向けに抱っこして負傷した脚に負担ならないよう心がけ、病院へと向かった。
母は、何十年と前のものをちょくちょく出してくる。
私宅のアイロンが不調だったものだから、貸してほしいと申した。
どうやって使ったら良いか分からない昭和すぎるアイロンが出てきた。
「コテと言うんだよ。アイロンと一緒だから」
呼び方が既にアイロンじゃないことにいささか違和感を覚えながらも、私は使った。
そして『コテ』という名称も合っているか定かではない。
コテというやつに使い慣れていない私は、表面を焦がしてダメにしてしまった。
温度調整もできない、入りと切りしかないレトロな代物は使ったことがなかった。今で言うミニアイロン並に小さく、時間もかかるため、使い勝手が分からなかった。
コゲまみれの表面を見て母は、
「さすがに古いしダメかね、これ。でもまだ使えるんじゃない？コゲ取れば」と言い張る。
私たち家族は止めた。が、止めれば止めるほど母の意地は膨れ上がる。
そもそも、現代の良いアイロンあるのだから、そっちを貸して欲しかったのだが……。なぜにそれ？
いつ買ったのか分からないくらい古いピーラーもいまだに使っていて、古いものだから、全くと言っていいほど快適なピーラーしていない。
30年以上も前のものなのは確かである。
爪発見！！！
翌日の今日、10月16日
私は根拠のない確信があった。『爪はある！』と。
そして不思議と吸い寄せられるようにその場を探し当てた。
これは大事に取っておこうと思う。
余談
エリザベスカラーは寝るときだけにしました。
どこ行くにもカラーが邪魔して可哀想だし、病院であててもらったテープを噛む行為が見られないため、取りました。
カラーを見せると逃げます。カラーを持っているだけで寄って来てくれません。ジーッとまんまるい目で見つめられます。
やっぱり嫌なんだな😅
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