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取材インターン【ひきだし】は自分の「働く」を見つける起爆剤


 こんにちは!えぽっくの若松です!


 今年もえぽっくが主催する取材インターン【ひきだし】が、まもなく始まります!


 上記の記事にも記載していますが、【ひきだし】とは、全国から集まった学生が、地域の中小企業への取材を通して「働く」について考え、作成した記事を冊子にまとめ全国の学生に届けます。8月の中旬から始まり、12月の報告会までの長期インターンシップとなります。


 本記事は、前半は僕が【ひきだし】を始めた経緯や想いを綴り、後半は2021年度【ひきだし】編集長、薗田星南さんとの対談を掲載しています!


 インターンそのものや、取材インターン【ひきだし】に興味のある方はぜひ読んでみてくださいね!




■学生時代の経験が【ひきだし】を生んだ


 【ひきだし】は、僕が学生のときの経験が大いに影響しているインターンです。


 実は学生のとき、大学院生専門の就活フリーペーパーを作っている会社で、インターンをしていました。企業へ取材に行って記事を執筆したり、『学生は就職についてどう考えているか?』などをテーマにした座談会を開いたり、それらを冊子にして配布したり…そんなことを経験させていただきました。


 インターンに参加した理由としては、面白そうだなと感じたことも理由の一つでしたが、一方で当時の僕は、『大手の就職サイトって良いことばかり書いているんじゃないか?書いてあることは本当か?』という疑心を持った学生だったので(笑)、『だったら、自分で取材をしながら “会社” というものを見たほうがいいかもしれない』と思ったのも、理由の一つでした。


 インターンの一方で、就活支援のインカレサークルでイベントの運営に携わることになり、そこでもベンチャー企業の社長と話す機会をいただいたり、ワークショップなどの開催もしていました。


 通常であれば学生は、何かしらの興味や志望動機がなければ企業に足を運ぶことはありませんし、経営者の方や企業で働く方と交流する機会はないと思いますが、このように取材やイベントに裏方として関わっていると、自分の興味とは関係のないところで企業と出会うため、無作為な偶然の出会いがたくさんありました。


 ある意味で先入観なく企業と出会えたので、さまざまな視点で『企業を知り、且つ伝える』という経験ができました。社会人になり、大学生の長期インターンに関わるようになって数年経ちますが、その中で学生と話していて、『やりたいことがまだない』という学生がたくさんいることに気づきました。


 『やりたいことがない』状態は、彼らにとって辛いことだったりします。なぜなら、就活するようになったら、『やりたいことがないといけない。だからやりたいことを探さなければいけない…』という強迫観念に似たものを感じるときがあるからです。


 都会であればインターンや、学生の就活サークルも結構あると思いますが、茨城をはじめ地域になればなるほど、そのような団体が無いか、あっても非常に少ないのではないかと思います。


 このような経緯から、長期インターンのような場を設けて、学生が自身のキャリアについて深掘りできる機会があったらいいなと思ったのです。『ではどんなインターンが良いのか?』と考えたときに、学生時代のイベントの開催や取材、冊子の制作という経験から、これを長期インターンでできたら面白いだろうと思い、【ひきだし】が生まれました。


 前述したように、既存のリクルートサイトのような記事というのはプロが書いているものですから、悪いように書いたりはしないものです。僕が学生時代に感じていたように、今の学生たちの中にも同じように感じる人たちが少なからずいます。一方で【ひきだし】は、たとえるならクチコミに近いのではないかと思います。学生が実際に企業へ取材に赴き、聞きたいことを聞き、等身大の自分が感じたことをそのまま表現して作り上げる。このクチコミに近いところが【ひきだし】の良さの一つです。


 自分が関わって作った冊子が残る、ということも良さの一つだと思います。企業を取材してわかった、働くことの意味。取材を通して見つけた、自分の価値観。さまざまな発見や想いを冊子という目に見える形で残すことは、これから先社会に出て働いていく中で、何かしらの糧になっていくんじゃないかと思います。


 唐突ですが、“地獄” と聞くと、見たことがないので怖いですよね。これと同じで目に見えないものは怖いと感じるものです。会社も同じで、学生にとっては見たことがないので、イメージが先行して怖いところだと思っている学生も少なくありません。


 これは、以前学生が共有してくれたことですが、皆、夜中まで働いて、半沢直樹のドラマのように「謝れ!詫びろ!」みたいな世界があるんだと、本気で思っている学生が時々います。SNSが当たり前の時代ですが、誰かを介在して得られる情報ではなく、取材インターンを通して “働く” を真剣に見つめた大学生の、生の声で、“会社” や “働く” ということを正しく理解してほしい。そしてそれぞれが “働く” を考えることがいかに大切かを、伝えていけたらいいなと思います。




■前編集長が語る【ひきだし】の魅力


 【ひきだし】は、今回で5回目となります。チームで何かを作りたい、何かを伝えるということをしてみたい、あるいは地域、中小企業の声を知り、届けたい、という方に、今年もチャレンジしていただけたらと思っています。


 2020年以前であれば合宿のような形で集まる機会をつくり、対面での取材や冊子の制作に励んでいただきましたが、2020年からはオンラインになりました。どちらの形も一長一短だとは思いますが、オンラインの良さとしてはやはり全国の学生が参加しやすくなったところだと思います。


 2020年からはオンラインと同時に編集長制度を作りました。編集長制度を作ったことで感じていることは、『やっぱり編集長が一番、成長する』ということです。もちろん、これまで【ひきだし】で記者をしてくれた方たちも変化を感じていましたが、特にオンラインという特殊な環境で記者たちをまとめるとなると、よりコミュニケーションやマネジメントのスキルなどが求められるので、成長度合いが目に見えやすいなと僕は感じています。


 そんなやりがいある編集長を昨年務めてくれた、薗田星南さんにインタビュー!取材インターン【ひきだし】について語っていただきました!

(※以下、えぽっく若松:若松、薗田さん:薗田)


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若松:
改めて、昨年ひきだしの編集長の役目を終えて、半年くらい経ちましたよね。他のインターンも経験されたと思うのですが、【ひきだし】はどうでしたか?


薗田:

とにかく得られたこととして大きかったのは、自分自身、「変わったな」とすごく実感していることです。元々、変化を恐れて挑戦しないタイプでしたが、編集の経験もインターンの経験もなしで、【ひきだし】の編集長をやりきったという経験が、自信に繋がりました。おかげで今では「やってみたいな」と少しでも興味を持ったことにはどんどん挑戦するようになれたので、こんなふうに変化できて【ひきだし】に挑戦して本当によかったと思います。


若松:
最初にこのインターンをやってみようと思ったきっかけや、どうして取材インターンの説明を聞いてみようと思ったのか、教えてもらえますか?


薗田:
そもそも、インターンがどういったものなのか、わかっていませんでした。なので本当に軽い気持ちで参加した、というのが正直なところです。でも「何で参加したんだろう?」と後から振り返ってみると、私は “言葉に重みがある人” にすごく憧れがあったんです。「しっかりと届く言葉を作れる人になりたい」という想いと、インターンの内容が合致すると思ったのがきっかけで、【ひきだし】の説明会に参加しました。


若松:
じゃあその中で自分を奮起して、記者でなく編集長に応募してくださったんですか?


薗田
あおちゃん(2020年度編集長)の話を聞いて、「やってみたいかも」と思いましたが、「私にできるかな」という不安も同時にありました。でもえぽっくの皆さんが、「大丈夫」と言ってくださって、背中を押してくれた、っていうのも挑戦できた理由の一つです。


若松:
えぽっくの戦術にひっかかりましたね(笑)


薗田:
そうですね(笑)


若松:
【ひきだし】をやっていく中で、事あるごとに「自信がない」って言っていましたね(笑)。


薗田:
そうですね、本当にいつも、「自信がない」って言っていました(笑)。


若松:
それが今、自信を持てるようになったのは、僕としてもすごく嬉しいですね。他に、【ひきだし】というインターンについて持っている印象などはありますか?


薗田:
このインターンは決して簡単ではないし、短い期間で終わるものでもありません。だからこそ、すごく自分と向き合えた、自分のことを知れた、という点でも、参加できて良かったと思います。大学や限られたコミュニティの中だけだと、「どういうふうに仕事と向き合いたいのか?」、「そもそも “仕事” とはどういったものなのか?」などを考えたり、知ることはなかったかもしれません。でも【ひきだし】を通して自分のことも知れましたし、“仕事” についても学ばせてもらえたので、そういう意味でも、参加できて良かったです。


若松:
それは、編集長という役割で考えたとき、具体的にどんなことを学んだのでしょうか?


薗田:
プロジェクトの一員としての向き合い方というか、一言で言うと、責任感だと思います。そういったところを学べたんじゃないかと思います。学んだことは他にもたくさんありますが、たとえばオンラインでコミュニケーションを取る難しさも学べました。

あとは、リーダーとしてチームを引っ張っていくにはどうしたらいいのか?ということはいつも考えていました。正直、前回の【ひきだし】では上手くできなかったと思っていますが、上手くいかなかったことで反省点を見出せたので、チームマネジメントについても得られるものがありました。

それから、私は本当に言葉が好きなんだな、ということにも気づくこともできました。仕事にするかどうかは別として、今アナウンス学校に通っているのもこの気づきがきっかけの一つなので、【ひきだし】で得たものが何らかの形で繋がっているなとすごく感じていて、本当に経験させてもらえて良かったと思っています。


若松:
やりながら点を拾っていったら線になった感じですね。


薗田:
本当にそうですね。


若松:
【ひきだし】をやっている中で、嬉しかったことはありますか?


薗田:
繰り返しになってしまうのですが、自分ですぐに気づけるくらいに自分が変化できたことが一番嬉しかったことです。もちろん、sprout(冊子)が出来上がった瞬間も本当に嬉しかったですし、「(実物を見て)これを作ったんだ、これに携わったんだ…!」という達成感があったことももちろん嬉しかったですが、それと同じぐらい、自分の変化を実感できるくらいに変われたことが、やっぱり私の中では一番の喜びでした。


若松:
自分の “変化” を感じたタイミングを覚えていますか?


薗田:
正直、【ひきだし】に参加していた期間では変化を感じることはできませんでした。その期間はずっと、もがいていたというか…(笑)。【ひきだし】が終わって、「次は何をしよう?」と考えたときに、足を踏み出すのがすごく軽かったんです。「やってみよう!」が本当に軽かったので、【ひきだし】に応募したときの一歩とは全然違うなって、その時に気づきました。【ひきだし】の最中は、本当に一生懸命、がむしゃらに取り組んでいるので気づかなかったのですが、いつの間にか「私ならできるかも」っていう自信も生まれていたんだと思います。


若松:
ありがとうございます。先ほどの、点を拾っていったら線になった、みたいに、時間が経った今振り返ってみて、わかることもありますね。他に、【ひきだし】の経験が活きているなと感じることはありますか?


薗田:
諦めなくなったこと!(笑)

正直に言うと、「今すぐアナウンス学校をやめたい!」と思う時があるんですけど(笑)、それでも「やめない!」って思えるのは、「【ひきだし】をやり切ったんだから、きっとこれもやり切れる!」、「あのときの私もできたんだから、今の私はもっとできるはず!」という自信が持てるようになったからだと思います。「諦める」という選択肢がなくなりました(笑)。


若松:
なるほど、じゃあ、もう少し続けてみると、何か新しい世界が見えてきそうですね(笑)。ちょっと話が戻りますが、さっき「リーダーとして【ひきだし】では上手くできなかった」という話があったと思いますが、どんなところが上手くいかなかったとか、もう少し教えてもらえますか?


薗田:
私は、編集長を始めたばかりのときは、自分が頼るのが苦手な人間だと気づいていなくて、頼ることが難しいことだとは全く思っていませんでした。「みんなを頼りながらやっていこう」と思っていたのに、いざ始まってみたら頼ることが全然できませんでした。なかなか頼れずに、がむしゃらに一人で突っ走ってしまったことが反省点で、“リーダーとして頼る” ことは悪くない、むしろ頼ってなんぼだ(笑)、ということを学びました。それができるリーダーは良いチームを作れるんだろうなって実感しました。


若松:
プレーヤーとして自分がやるべきことに責任を持つことと、リーダーとして誰かに任せることに対して責任を持つことの、二つの責任の匙加減みたいなものがあって、これは簡単なことではないですね。


薗田:
そうですね。「どこまで頼ったらいいのかな?」というのはいつも悩んでいました。私はチームマネジメントを満足にできなかったなと思っているので、だからこそ(今年はサポートとして【ひきだし】に関わるので)、今年の編集長にはチームマネジメントで活躍してほしいなと思います。


若松:
次の編集長に、「こういうことをするといいかも」とか、何かポイントなどがあれば教えてください。


薗田:
一年前の編集長のイメージは、「私が皆の少し上に立って、引っ張る」という感じだったんですけど、編集長を終えた今の私のイメージは、「皆の下に入って、それぞれを押し上げる」感じです。なので、もしアドバイスできることがあるとしたら、記者を一人一人目立たせるというか、編集長の仕事は裏方というイメージを持っているといいのかなと思います。


若松:
記者のサポート、みたいなところが編集長の役割だとすると、どんなことをすれば一人一人の記者が目立っていくとか、一人一人が取り組みやすくなるとか、ポイントになりそうなことはありますか?


薗田:
個人的にアプローチして、それぞれがどういう記事を書きたいのかなど、想いの部分をもっと聴いて、もう少しこだわらせてあげたら良かったかもしれないと、振り返ってみて思います。記者同士でも、書きたい記事についてお互いに深掘りできるような場を設けたりできるといいかもしれません。


若松:

【ひきだし】の他に2つインターンを経験されているそうですが、編集長として参加するインターンはどうでしたか?


薗田:
編集長は、他と比べて圧倒的に達成感がありました。どのインターンもそれぞれ異なる特徴があって、それぞれに良い経験をさせてもらえているのですが、【ひきだし】は期間が長いこともあって、試行錯誤という点で一生懸命取り組んだと思いますし、そういうときって、深く自分を知ることができます。私の場合、「インターンって何?」という何も知らないときだったからこそ、得るものが大きかったと思います。“編集長” という言葉だけを聞くと、すごく大変そうに聞こえるかもしれないけれど、未経験の人ほど挑戦してみてほしいインターンです。


若松:

関わる期間が長いのも、【ひきだし】の特徴でしょうか?


薗田:
そうですね、私のなかでは「研究する」インターンです。自分の中で、「こうしたら皆がやりやすくなるかな」とか、「こうしたら作業しやすいかな」など、いろいろ考えて試して…を繰り返したので、まさに研究でした。その試行錯誤の量は、本当に他のインターンにはないと思います。

あと、全国の学生とオンラインで一つのプロジェクトを通して長期間繋がれることも、【ひきだし】の特徴の一つだと思います。大学も違えば学年も違う、将来どうなりたいかも違う学生たちが集まって、sprout という一つのものを制作する、一つのゴールを目指す、という経験は、なかなかできないんじゃないかと思います。どんなに忙しくても「30分だけミーティングしよう」と言って集まれたので、オンラインで良かったかも、と思います。


若松:
ありがとうございます。では最後に、編集長に興味がある人や、やってみたいと思っている学生に、メッセージをお願いできますか?


薗田:
変わりたいとか、今の自分に満足していない人はぜひ参加してみてほしいです。根性があれば(笑)、きっと乗り切れますし、絶対に良い経験になります!私は昨年チームマネジメントが上手くできなかったのですが、反省点を活かしながら今年はサポートとして関わらせていただきますので、今年はもっと良い【ひきだし】のチームをつくるお手伝いができたらいいなと思っています。私でも出来たから、大丈夫です!(笑)。一緒に頑張りましょう!


若松:
ありがとうございました!頼もしい(笑)。

マネジメントに興味のある学生さん、ぜひ編集長をやってみてください。薗田さんはじめ、えぽっくがサポートしていきます!


↓↓↓詳しくはこちらから↓↓↓

▼2022年のひきだしサイト
 説明会随時開催中! 24日は元編集長のトークイベントもあります!

昨年の冊子の中身はこちら
・PDF版

https://www.city.naka.lg.jp/data/doc/1639640715_doc_770_0.pdf

・Web記事(noteに掲載)
『那珂市で発見!働く魅力』

https://note.com/epoch_note/m/m64795b5ab9ed



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