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1990年代末、若き日のアルピニスト野口健たちと共に暮らした東京・武蔵野の木造一軒家。
無名の冒険家たちが集まるその空間は、異様なほどのエネルギーであふれていた。
「ヒマラヤに行…
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#平賀淳
連載第7話 光り輝くエベレスト登山計画
そんなわけで(前回参照)、突如として野口健の家に現れた長尾は、そのままそこで住み始めることになった。
長尾は、2階の4畳半の部屋を割り当てられたが、その部屋にはほとんど行かず、1階のリビングで黙々とテレビを見続けていた。
深夜までずっと見つづけ、そのまま寝落ちしてしまうことがほとんどだった。
飽きれた野口が
「そんな見ててよく飽きないな」
というと、
「これまで家にテレビがなかったんで