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春のみみずく朗読会、雑誌掲載(「新潮」2024年6月号)(毎日読書メモ(536))

2024年3月1日、早稲田大学大隈記念講堂で開催された、「早稲田大学国際文学館主催 村上春樹ライブラリー募金イベント Authors Alive!~作家に会おう~特別編 『村上春樹×川上未映子 春のみみずく朗読会』に行ってきた、その時の記録が雑誌に掲載された。

「新潮」2024年6月号、創刊120周年記念号でもあり、川端康成文学賞発表業でもあり、そこに「春のみみずく朗読会」特集をつけ、当日読まれた村上春樹「夏帆」と川上未映子「わたしたちのドア」を収録した大盤振る舞い、各地で売り切れ続出で、増刷したらしい。わたしが書店に行ったときは山積みになっていたが、あれを売り切れるのか謎、という量だったよ。

ちなみに重さは687gあった。寝転んで読んだり、電車の中で読んだりするにはかなり不適。

短編小説が30編位載っていて、山田詠美「死刑まち」、多和田葉子「ひなんくんれん」、堀江敏幸「貸衣装」、吉本ばなな「だまされすくわれ」、いしいしんじ「ひとことひとし」、角田光代「神さまショッピング」あたりを一気読みして(ひらがなタイトルが多いな)、一息ついてから、村上春樹「夏帆」、川上未映子「わたしたちのドア」を読み、マーサ・ナカムラ「みみずくたちの夜ー朗読会レポート」を読む。このレポートはその場にいた人には既知のことばかり、いなかった人にはちょっと言葉足らずなような印象も。レポートってそういうものかな。
面白いと思ったのは、小説を読んでいたら、
もう2ヶ月以上も前に聞いた、村上さんと川上さんの声が、文章の間から蘇りたちのぼってきたこと。小説を朗読で聞くってこういうことなのか、と驚く。オーディブルとか使ったことないけれど、耳から小説を入れると、文章と声が紐づいてしまうものなんだろうか。勿論、最近だけでなく、小説を朗読したカセットテープやCDは昔からあったし、特に目の不自由な方向けのライブラリーも相当数あると思うのだが、自分にとって、眼で追うもの、と思っていた小説というジャンルに別の付き合い方がある、ということを、この年になって初めて認識した気がする。

「夏帆」は、かなり歪な男性によって、精神的にはずかしめられた夏帆がどうやってそれを克服したか、という、静かな戦いの記録で、朗読を聞いた時よりも、今回読んだ時の方が、未来に開かれているというか、多くの人の励ましとなる小説なんだな、という気持ちが強くなった。
「わたしたちのドア」は、一種の極限状況の中で、静かに光が差してくるようなそんな小説。哀しく、まぶしく、力強い。

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