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毎日読書メモ

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2023年8月の記事一覧

日本に来て60周年! 『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』(毎日読書メモ(500))

日本に来て60周年! 『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』(毎日読書メモ(500))

最近全然毎日じゃなくなっている「毎日読書メモ」だが、記念すべき第500回は、ルース・スタイルス・ガネット作、ルース・クリスマン・ガネット絵、わたなべしげお訳 子どもの本研究会編集『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』(福音館)である。
『エルマーのぼうけん』は1948年にアメリカで出版され(執筆は1946年らしい)、渡辺茂男の翻訳による日本語版が刊行されたのが19

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廣嶋玲子『あやし、おそろし、天獄園 銭天堂番外編』(毎日読書メモ(499))

廣嶋玲子『あやし、おそろし、天獄園 銭天堂番外編』(毎日読書メモ(499))

昨年12月に、銭天堂シリーズ番外編が出ていたのを最近になって知ったので、読んでみた。廣嶋玲子・jyajya『あやし、おそろし、天獄園 銭天堂番外編』(偕成社)。

これまでもことにつけ登場していた、遊園地天獄園のオーナー、怪童が初めて正面に出てきて、これまで会話の中で話題になっただけで実情が語られたことのなかった天獄園の様子がつぶさに語られる。

銭天堂が幸運のお客様を選び出してお店の商品をあがわ

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津村記久子『水車小屋のネネ』(毎日読書メモ(498))

津村記久子『水車小屋のネネ』(毎日読書メモ(498))

昨夜、津村記久子『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版)を読了。全485ページを実質2日間で一気読み。幸せな読書の余韻に浸っていたら、今朝の新聞に、今年度の谷崎潤一郎賞は『水車小屋のネネ』に決まった、と書かれていた。おめでとう! しかし、中央公論新社の谷崎潤一郎賞のページに行ってみたら、まだ更新されていない(昨年度の吉本ばなな『ミトンとふびん』がいちばん上に書いてあるぞ)(2023/8/22情報)。幻だ

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下巻を読んでから上巻を読んだ、白石一文『松雪先生は空を飛んだ』(毎日読書メモ(497))

下巻を読んでから上巻を読んだ、白石一文『松雪先生は空を飛んだ』(毎日読書メモ(497))

白石一文『松雪先生は空を飛んだ』(上下・角川書店)を読んだ。どこかの週刊誌の書評を見て面白そうと思った、というか、白石一文は基本的に全作品読んできた。ずっと読み続けられる程度の刊行量というのもあるし(年に5作も6作も出るのでは付いていききれなさそう)、こんな変わった作風の人は他にいない、という興味も、2000年の商業デビューから20年以上ずっと持続している。読みながらふんっ、男の身勝手小説、と毒づ

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