WONDER/R.J.palacio(2)

読み終わりました。

紙の本↑

Kindleは英語のみ↓


人間は幼くてもみんなそれぞれ感情があって、それに基づいて行動してるんだなって、当たり前のことを当たり前に突きつけられました。
いい作品なのは間違いないと思います。ヤングアダルトコーナーに置いてあっても勇気出して借りてよかった。ヤングアダルトは分かりにくいことを平易な言葉で解説してくれてしかも敷衍してくれてたりもして、やっぱり大好きだなって思いました。テーマを表に出しすぎてないところとか、主張が激しすぎないように感じられるところも、結構好きです。たぶん、私の好きな作家さんはそういうのが上手な人が多い。そういうのが上手な作家さんを私が好んでるって言い方のほうが正しいか。

この本の主人公、オーガストはとんでもなくひどい見た目をしているらしい。顔のパーツ配置について述べられている部分が少しだけあったけど、確かにひどかった。きっと福笑いで出来上がったんだろうなってくらいに。
それで、その見た目のせいでオーガスト自身がどう感じ、どう扱われ、どう生きるか、みたいな概要。
もちろん、オーガストの周りにいる人間だって、たくさん感じて考えて生きてる。そこを丁寧に忠実に書いてあって、それがこの本のすごいなあって思うところでした。

オーガスト視点の章だけだと、よくありがちなそういうハンディキャップのある子の成長ストーリーみたいで、ちょっと好きじゃないなって思っちゃったかもしれない。
だって、ハンディがあると確かに無駄に注目を集めたりするよね。だから普通のことを普通にこなすことだって、一苦労かもしれないよ。私は経験したことないからわからないけどさ。
でも、だからって、みんなと同じことをしただけでそんなに崇拝しなくても、って思っちゃう。なんだか、それもそれで差別じゃないの?とか。
ハンディがあってみんなと同じにできないと、同情されたり蔑まれたりする。でも、みんなと同じにできたときだって、できないときと同じように注目される。
それってなんかおかしくない?とか。祭り上げられてるように感じちゃうんだよね。
じゃあハンディのある子が「ただのおとなしい子」でいられる可能性とか方法って、一つもないの?みたいな。
そういう子は、どうしたって最下層か英雄かのどちらかにしかなれないの?見たいな。

でも、5年生の修了式でオーガストが表彰されたとき、オーガスト本人も「5年生を終えるのは大変、でもそれは普通のみんなもだ」みたいに言ってて、ハンディは関係ないみたいな配慮がなされてる(?)ような描写もあるから、作者の方もかなり考えたんじゃないかなあ、なんて。

なんだか生意気なことをだらだらと書いてしまった気がします。
それでもこの本については感心するところと疑問に思うところと、たくさんあったのでいつかまた再読して、咀嚼したいなあなんて思います。もちろん悲しくなったり嬉しくなったりする場面もたくさんあって、とてもいい本でした。



この本を図書館へ返却しに行く道すがら、区立保育園の前を通りました。
お迎えのお母さんお父さんが急いで自転車を漕いでいて、みんな頑張ってるんだなあ、寒いのに大変だなあ、すごいなあ、ってぼーっと感じながらのんきに歩いていたらおでんの匂いがしました。
正確にはおでんかどうかわからないけれど、お出汁のいい匂い。そこのお家は広めのお庭に紅葉が生えていて、それが足元からライトアップされていました。とても綺麗だった。でも玄関の前には小さな小さな三輪車と子供用の自転車が置いてあって、キャラクターのお面もたくさん飾ってあって。ああ、生活してるんだな、ってなんだか当たり前のことをガツンと感じました。
私も生き生きとした生活を育てたいな。

これから大好きで大好きで大好きなお姉さんと食事してくるよ!

この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,733件

#読書感想文

188,615件

お読みくださりありがとうございます。とても嬉しいです。 いただいたサポートがじゅうぶん貯まったら日本に帰りたいです。