色が、記憶を呼び起こす。
今朝の話。
私が朝ごはんを作りにかかると、長男が、ウインナー焼くか、と言ってくる。
私がのんびりしているからか、昨日もおにぎりを握っているあいだに、彼がウインナーを冷蔵庫から出して焼いてくれたのです。
今日はたまご焼きだよ、と言うと、やる、と言ってたまごを出して、うまい!と自画自賛しながら割ってくれる。
それを聞いた次男が、ずるい!と騒ぎ、二人で取り合いに。
ちなみに、次男はたまご焼き名人。(…のはずが、最近ご無沙汰。)
慎重に混ぜたあと、いつも適当だから正確な量わからない、と言っている私をよそに、小さじで計りながら味付けする長男。
細かい男は嫌われるぞ!と次男が茶々をいれる。(たぶん、このセリフはふだん私が言っている…)
そこまでして、あとはまかせた、と次男にバトンタッチ。
え。
そう、彼は焼いたことはない。
次男、はりきる。
ママはいつもこうやってるよ、と言いながら、二人とも意外とちゃんと見てるのですね。
そんなこんなで、私は一切触らずに、ちゃんとたまご焼きはできあがった。
次男は長男の味付けに、長男は次男の焼き方に難癖をつけたいのだけど、味付けも絶妙で、巻きも見事にできている。
お互いニヤリ、としながらまあまあかな、なんて言い合っている。
黄色。
たまご色。
たまご色、って私にとっては、しあわせな響き。
それはやっぱり次男が小さなときからたまご好きだった、ということに由来するのかもしれないな。
まだしゃべり始めたばかりの頃、好きな食べ物は?と聞くと、
「たまっしゅ。」(たまごです。)
と答えていた。
次男は、生まれるまで性別を聞かないことにしていたので、肌着などに白と黄色、を用意していた。
(たまご色、ではなく、レモンイエローだったけど。)
赤ちゃんのとき、小児科の先生から、ゆでたまごみたいに白くてつるっとしてるね、と言われたっけ。
今は味玉みたいにこんがり色付いてるけど。
あれ、なんでこんな話になったんだろう。笑
そんなことを考えていると、昨日読んだ、斉藤倫さんの『ぼくかゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』を思い出した。
まだ3.までしか読んでないのだけど…。
やっぱり、なんだろう、なんとも言えず、文章書いているのに言葉にできない、って逃げるのも嫌だけど、でも、不意に泣けた。
静かに、そっと、やさしく、心のやわらかい部分に触れられるような、染み渡るような、そんな言葉たちでできている。
続きを、大事に読もう。
そういえば、この本の表紙もたまご色だ。
香りは記憶を呼び起こす、というけれど。
色。
私の記憶は、色と結び付いている。
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