光田健輔論(35) 善意と悪意(5)
『ハンセン病 絶対隔離政策と日本社会』(無らい県運動研究会)所収の徳田靖之「救らい思想と無らい県運動」を参考に、小川正子と『小島の春』が果たした役割をまとめてみたい。
<ハンセン病問題に学ぶ>ことは、過去のできごとを<歴史>として学ぶことではない。その<歴史>の中に潜んでいる、決して繰り返してはならない「原因(要因)」と「意図(思惑)」を学ぶのである。過ぎ去ったことと振り返ることなく見過ごせば、同じことが再現されていることは多い。
上記の一文の「註」として、徳田氏は次のよ