光田健輔論(15) 権力と人権(8)
光田健輔のハンセン病対策は「ハンセン病患者の絶滅」である。
患者の「死」をもって「根絶」するためには患者に「子孫」をつくらせないこと、そのための「断種」である。「断種」するためには、すべての患者を「絶対隔離」する必要がある。「絶対隔離」し、そこで「断種」をおこない、隔離施設で終生を過ごさせ、死を待つ。患者がすべて死に絶えることで、日本のハンセン病は絶滅する。
その目的の実現において、療養所からの逃走と施設管理への反発が最大の問題であり、その対応として所内に「監禁所」と栗生楽泉