光田健輔論(13) 権力と人権(6)
1916年5月11日、全生病院は、北海道庁および各府県に対して、市郡体位で「私宅療養癩患者調」の実施、さらに翌12日には「特種部落調附癩村調」の実施を依頼している。この調査に関しては、藤野豊氏が詳細な分析と考察をしている。私も藤野氏の論考をもとに、私見を述べている。
ここでは、藤野氏の『ハンセン病と戦後民主主義』ならびに関連論文を参考に、光田健輔の考えと動きについて検証してみたい。つまり、自らの主張である<絶対隔離>の必要性と正当性を裏付けるための調査であると同時に、その調