ハンセン病と被差別部落
『ハンセン病問題に関する検証会議 最終報告書』(日弁連法務研究財団)の「社会に流布したハンセン病観」に,ハンセン病と被差別部落を結びつけた俗説に関する記述がある。
1.民衆のハンセン病観
…被差別部落にハンセン病患者が多いというのは,事実ではない。しかし,そうした俗説が存在したことは事実である。ハンセン病を遺伝病とみなしたうえで,差別による婚姻忌避で被差別部落には「近親結婚」が多いため,ハンセン病も多発するという論理である。
実は,この論理は近代初期から存在する。福沢諭吉の