【空想日記134日目遠山さん17歳】今の自分を満たすということ。

11月14日
セットアップが欲しい。
今までおしゃれとか興味なかったけど、
今、猛烈におしゃれしたい。
だからセットアップが欲しい。
憧れの存在セットアップ。
バラバラでもいけるじゃん、セットアップ。
ぜひ纏ってみたいセットアップ。

おしゃれの概念が乏しいのはわかってる。
間違えれば地獄であることもわかってる。
ただ、クラスの女子にこれを言うのははばかられる。
恥ずかしいことだというのも知っている。

でもどうしても欲しい。
だけど１人では無理。
しかし恥ずかしくて言えない。

と思ったら、
ちょうどいい人がいたことを思い出す。
恥ずかしくなくて暇な人。
元テニス部。

かなり真剣に悩んで選んでくれた。
試着してみたらすごい気に入って、
テニス部もすごく褒めてくれて、
だけどこんな風にお金を使ってしまっていいのかとも思う。
自分のただ満足するためだけに。
避けてきて、自分を満たすためだけのそういうのを。

誰にも言ってはいけないことはわかってる。
言ったところで誰も得しない。
自分のマイナスなことは人に言ってはいけない。

やっぱりウエストきつかったとかそんなこと言いながら試着室から出たのに、
少しだけど払わせてくれって言ってきて、
申し訳なくて、
きっと暗い顔で出てきた自分にムカついて、
なんとも言えない気持ちになった。
ちょっと前まであんなに楽しかったのに。

結局、褒められたのがすごい嬉しかったから買うことにした。
憧れのセットアップ。
元テニス部が選んでくれたセットアップ。

そういえば、
同じクラスの元テニス部と仲いい子がお店にいて
めちゃくちゃ機嫌悪そうだった。
普段あんな感じじゃないからびっくりしたけど、
どんな人でも機嫌悪いときはあるから。