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【大学入学共通テスト】国語の傾向・対策・センターからの変更点とは??

こんにちは!東京都板橋区・文京区の完全個別指導学習塾【穎才学院】講師のNです。
この記事では、2021年1月16日に実施された〈第一回 大学入学共通テスト〉の国語の問題について、徹底的に解説していきます!

この記事をお読みの大学受験生のみなさん、あるいは保護者のみなさんの中には

・センター試験と共通テストでは何が変わったの?
・高得点を取るためにはどのような力が必要なの?
・どのような対策が必要なの?

といった疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。


そんなみなさんの疑問・不安の解消の一助となるよう、共通テストの出題内容について丁寧に紐解いて参ります。

どうぞお手元に実際の問題をご用意のうえ、こちらの解説をお読みください。


総評


文章の”解像度”を上げる読解」が求められているということについてはセンター試験と変わりません。ただし、その”解像度”の程度を測る問題が露骨に出題されているという点に相違がありますので、この点について注目して各大問について分析していきます。

大問1:評論・論説文

現代文


今回出題された文章は、系統としては社会科学の文章だったので、過去のセンター試験の文章(翻訳とか、刀の鍔の話とか)と比べると、「主題・主張・根拠」の三要素から成る文章の大規模構造が把握しやすい文章でした(三要素のうち「主題」については文中で2回もわかりやすく提示されているので良心的にもほどがある)。

これはおそらく、今後の共通テストの評論・論説文では文章の大規模構造の把握ができているかを問う問題を出すぞ、ということなのだろうと推測されます(あくまでも推測です)。

普段から評論・論説文を読むときに文章の三要素を読み解くことを習慣づけている人は、問5のような問題も特に難しく感じることはなかったのではないでしょうか。

問5を解いているときに「この問題では一体何を問うているんだ?!」と混乱してしまった人は、おそらく文章の”解像度”が低い読解状態のまま問題を解いてしまっているのでしょう。評論・論説文の”型”を身に付ける必要があります。

ここでいう”型”というのは、文中に転がっている諸要素を「ここで主題となる問いが立っていて、それに対する答えとして主張が提示されていて、あーーなるほど、この道具を使って主張の正当性を論証するのね。で、論証された根拠がこれか・・・ふむふむ」というような、文章の細部⇒全体へ、という流れで「この文章というのは結局、こういう問いに対してこういう答えを出していて、その根拠は、(こういう道具を用いるならば)こんな風に説明できる、ってことが言いたかったんでしょ」という大規模構造を把握することです。

つまり、評論・論説文で求められている”解像度”の上げ方とは、ズーム”アウト”の手法であり、この手法を適切に用いて”解像度”を上げることができているのかということが問5で問われている、ということです。

もし今、このような読み方が出来ていないという実感があるのであれば、穎才で現代文の授業を1ヵ月ほど受講してみることをお勧めします。

大問2:小説

小説


小説の問6も、評論・論説の問5と同じく文章の”解像度”を問う問題でしたが、こちらは先ほどのものとは真逆で、物語の大筋から細部で表現されている心の機微や世界観について理解しているかどうかを測られています。

小説で求められているのは、ズーム”イン”の手法です。この色合いがセンター試験よりも濃く表れているように感じられました。

センター試験の頃から小説は苦手とする人が多い問題です(僕もそのうちの一人)。


小説が上手く読めない、という時に起こっている現象は二通り考えられます。
一つは、ズーム”イン”しようにも、まず物語の大筋が掴めない、ということ。
あるいは、大筋を掴むことはできているがズーム”イン”しても像がぼやけたままになってしまう(具体的には、細部の表現が何を意味しているのかわからない)、という現象が起こっているかもしれません。

ここで、小説読解の”解像度”を上げるためには自分がどちらのタイプなのかを把握することが大切になってきます。今回の問題で問われている内容を踏まえると、問6の(1)がわからなかった人は前者、(2)がわからなかった人は後者の傾向があるのではないかと考えられます

自分の苦手傾向がわかったら、それを意識しつつ克服することを目指して小説の問題に慣れるしかありません。センター試験の小説問題をたくさん解くことが良いトレーニングになるでしょう。

大問3:古文

古文


出題形式はほぼセンター試験と同じでした。よって、語彙と文法の知識をしっかりとつけ、正確に文章の内容を読み解けば点数が取れるようになっています。

最後の和歌の鑑賞の問題についても、和歌の内容や表現そのものと地の文の文脈との関連性から「なぜこの歌物語のこの部分でこの和歌が使われているのか」を考えさせる問題であり、センター試験で全く同じとは言わずとも似た問題が出題されていたことがあります。つまり現状、センター試験の過去問演習が最適な教材であると言えるでしょう。

センターの過去問を解いてみて知識不足を感じたら語彙や文法を復習し、レベルが上がったと実感できたらもう一度過去問を解いてみる、の繰り返しで点数が伸びていくはずです。

大問4:漢文

漢文


漢詩の出題に面食らったかもしれませんが、この問題文1は漢詩ではあれども内容としては論説文なので、現代文の大問1と同様の読み方をしてやれば読解できるようになっています。

また、問題文2は、問題文1と大規模構造を共有している。つまり、2つの問題文を読んで同一の「結局こういうことが言いたかったんでしょ」が読み取れていれば良い、ということになります。

返り点や再読文字についての知識はもちろん、漢文でよく使われる漢字の意味や文法的はたらきについての知識もつけた上で、ズーム”アウト”して解像度を上げる練習をしておくと良いでしょう。あれ、何だか評論・論説文の項と同じようなことを言っていますね。

まとめ


この記事では、2021年の第一回大学入学共通テストの国語の問題について解説をさせていただきました。
本記事を作成するために改めて共通テストの問題を解き、私は「全体を通して、共通テストでより顕著になった”コツ”を掴みながらセンター試験の過去問演習を繰り返していくことで共通テストの点数を伸ばすことができる」という印象を受けました。
ぜひともこの記事の内容を参考に、大学入試対策の勉強に励んでいただければと思います。



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