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緑の風に吹かれて【日常エッセイ】

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自由気ままに書いたココロのエッセイです。
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2019年10月の記事一覧

もう、どこにもいないや。

もう、どこにもいないや。

時々、嫌な自分が顔を出す。

「よぉ、呼んだか?」

「いや、呼んでない。来るな」

「まぁ、そう言うなよ。朝から機嫌が悪いな?
昨日のことか?怒鳴りたい気持ちなんだろ?
今日は誰だ?どこのどいつなんだ?」

「頼むから消えてくれ」

「消えてくれ?どうやって消えるんだい?
そもそも、オレを呼んだのはお前さんなんだよ・・・」

いきなりさめた夢のように、現実に戻る。
昨日の嫌な自分と仕事での最悪な

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彼女と小さな鳴き声と。

「また、チュン太がやって来た!」

今朝のこと、明るく奥さんがそう言った。

この頃、朝になると、決まって台所の換気扇近くから、スズメの鳴き声が聞こえるようになった。もちろん、外から鳴いているのでスズメの姿は見えない。通風口から聞こえてくるのだろうか?まるで音律の調整された楽器のように、とてもはっきりとしたきれいな鳴き声だ。

ほぼ毎朝、聞こえてくるものだから、とうとう「チュン太」なんてあだ名も出

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ユーミンの「晩夏」を聞いていると。

ユーミンの「晩夏」を聞いていると
まずいことに・・・大声で泣きたくなる。

だから違う歌に適当に選曲したら
その歌は「ダンデライオン」。

もっとまずいことになり、上を向いて
何かをこらえている私。

弱くなったなぁ・・・。

ユーミンのあの歌のように
あの頃に戻りたいなぁって思うこの頃。
夜風が楽器を引くような虫の音がとても優しい。

人からは平気なそぶりばかりをして、でも本当は
どこか辛くて悲

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夢の伝言。

夢の伝言。

夢とわかる夢を見ていた。

けれどもそこは、とても現実的な場所だった。
とても良く晴れている。午後2時くらいの街の空気。
どこかの道、どこかの空き地、
そして自動車工場の積み重なった車。
見たこともない場所なのに、
目を凝らすと、澄みきった自然の景色みたいに
なんでも鮮明に見ることが出来る。

これは夢なのに、全然ぼやけていない。矛盾してない。
あまりにも出来すぎていて、恐いくらいだった。
これは

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コスモス畑で出会った天使たち。

コスモス畑で出会った天使たち。

休日に車でコスモス畑へ出かけた。

もちろん、写真を撮るのが目的だ。ネットで調べたら、ちょうど今が見頃とのこと。その日は朝から少し曇り空。雨にならなきゃいいけどと思っていたら雲間から小さな光が差し込んできた。よかった。どうやら写真日和になりそうだ。

コスモス畑に到着すると、すでにたくさんの人たちであふれていた。

「お!いるいる、一眼レフを持ってる人たちが!」

大きなカメラにズームレンズを抱え

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カメラ持ち歩き恥ずかしい問題。

カメラ持ち歩き恥ずかしい問題。

いつもこの問題に直面する。

最近、写真ばかり撮っている私は、普段はどこか景色のいい、人の少ない場所で撮るのだけど、前日の仕事で疲れていたり、翌日の仕事がハードだったりすると、車で出かけるのがおっくうになって、近場で済まそうとする。

近くの公園まで歩いてゆく。

歩きながらも、つい、花を見つけると、立ち止まって写真を撮ってる。だんだんチョウチョの気持ちがわかってくるようになる。

「お、いいな、

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