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(7)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~


 お手紙、つづきです。

「家にある本で、デジタル漬けになる前に『読む』習慣を」


・・・というお話をしています。
   
・お手紙(6)はこちらからどうぞ。
(6)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)

 
  今日は、

「子どもが『読める!』と思える児童書ってどんなもの?」というお話です。


 さて、「自分もできるんだ!」という成功体験って、子どもをびっくりするくらい成長させてくれるものだと思いませんか

 子育てをしていてそういう瞬間に出会うことってあると思います。

 

「読んだらおもしろかった!」という成功体験

も同じこと。

 じゃあ、どうしたら5~6歳の時期に、そういう体験を重ねることができるんでしょうか?
 
 それは、

絵本から少しずつ卒業できる本を探す

・・・ということに尽きると思います。

 
 といっても「はい、今日から字の多いこの本を読んでね。もう絵本は卒業だよ」という方向では・・・ムリそうですよね⁉
 
 
 ポイントは、

本人は絵本のつもりで読んでいて、じつは「文章を読んでいる」

ということ

 知らず知らずのうちに内容に夢中になり、文章を読むことに慣れていく・・・という段階を踏んでもらうことかな、と思います。
 
 ーーこれ、案外簡単なんですよ!
 
 
 子どもが手に取って、「ああ、読めるな」と思える本って、まず
 

(1)「〝読む〟より〝見て〟わかるくらいの文字の大きさの」
(2)「その子が好きなジャンルの話で」
(3)「(成長のためには)縦書きの児童書」

 
 の条件を満たす本を、何冊か用意するーーということ。
 
  
 (1)は、いちばんわかりやすい例で言うと、

小学1年生の国語の教科書

のイメージです。

 図書館や書店の児童書コーナーをのぞいてみると、たくさんあります。

 
 小学1年生の国語の教科書って、大人からすると拍子抜けするくらい字が大きいのですが、これが

「児童書初心者」の子どもにはぴったり

なんです。


 そういう本を、ある程度の冊数(5~6冊かな?)を集めてみてください。これに関してはあとでまた詳しくお話しますね!
 
  
 (2)は、自分の子どもが「おもしろい」と感じる物語はどんなものなのかを、少しだけ探す必要があります。これもとても大切なポイントなので、後でまた詳しくお話します。
 
 
 そして、先に(3)についてなのですが・・・。

 
  絵本を卒業するためには、やっぱり児童書・児童文学をよく読むことが大切だと思うんです。

 
 ーーシオリさんは、児童書ってどんなものかイメージできますか?
 
 ふだんあまり書店や図書館に行かないパパ・ママの場合、なんとなく子ども向けの本・・・字が大きくて絵がたくさんある・・・くらいのイメージかもしれません。

 
 簡単に言えば、主に小学生をターゲットに書かれた小説・文学で、文字の大きさや文章量が子どもでも読みやすいように調整されていたり、挿絵も多く入っていることが多いです。
 
 ・・・と言っても大人がそういうふうにジャンル分けをしているだけなので、

5~6歳くらいの子どもにとっては、「ほとんど平仮名の、大きな字で書かれた、挿絵の多い本」は、印象的には絵本と同じ


  
 ただ、「絵本は絵が物語を表現」していますが、
 「児童書(文学)は文章が物語を表現」 しているので、文章を読まなければ話がわかりません
 
 
 ――この違いがじつはとっても大きいんです!

 子どもが、自分でも気づかないうちに  

 絵を見ているのか。
 文章を読んでいるのか。

 ーーメインは、どちらなのか。

 
 絵本や、絵本の延長のような本・・・は、私も好きですし、素敵な本が多いです。
 
 けれど、「本読む子」のルートを前向きに歩くためには、いったん卒業することも大切だと思います。

 
 そればかり手にしていると、いつまでも「見ることがメイン」の読書になるからです。
  

 なので、

「文章が物語を表現している本=児童書(文学)」をさりげなく与え、本人には「絵本だとある意味で勘違いしてもらいながら」文章を読んでもらう

・・・という行為が、私はとても有効だと思うんです。
 
 
 ーー大きな字でも、短い文章でも、最初は大丈夫!

 
 子どもが、とりあえず自分で読んでみて、その内容を理解して、続きを読みたい! と感じること・・・この繰り返しが、物語・小説を読む、という行為なんですね。
 
 
 子どもに、ゆくゆくは大人が読むような小説を読めるようになってほしい・・・と願うなら、白い紙に黒い字、縦書きで書かれた児童書をメインに読み進めてもらうのが、早めの成長につながると思います(もちろん、最初は挿絵がたくさんあってオッケイなので!)。
 
 段階をふめば、高学年くらいで大人と同じ小説を読めるようになります。
 
 

白い紙に黒い字で、縦書きの本。


 そう、これが日本における物語・小説の基本のレイアウト。

 ーーつまり、文学に触れることでもあるんです。
 
 
 子どもがある時期に集中して読書を体で覚えると、文章を読むことのストレスがなくなります。
 
 
 そうなると、

「どうして本なんか読まなきゃいけないの・・・面倒くさい」という発想自体、なくなる

んです。
 
 
 物語や小説が本のすべてではありませんが、たとえば数百ページの本を退屈せずに読み切るためには、おもしろいストーリー、起承転結があることがいちばん。
 
  「どうなるの?」という展開を追ううちに、何百ページも読んでしまい、そうするうちに読むチカラが確実についていく・・・。

  
 文章を読むチカラがしっかりつくと、学校の勉強にも役立っていくと思います。

 個性や努力次第という面もあるので、国語以外の教科に関しては確実とは言えないけれど、少なくとも「文章を読むことに慣れている子」は、教科書を毛嫌いしないのではないでしょうか。
 
 理系にも文章問題がありますから、文章をじっくり読むことに取り組めるのではと思います。
 
 
 子どもってまっさらなので、出会いのきっかけや、夢中になる環境を与えてあげると、あっという間に体に染み込ませていきますよ!
 
 
 そしてまた、具体的に「自分の子どもの好みに合った本を探す方法」も、あるんです。
 
 
 お手紙、つづきます。
 
 
〈白い紙黒い字だけで浮かんだの色とりどりのだいぼうけん〉


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