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【読書感想文】織田雪世『髪を装う女性たち:ガーナ都市部におけるジェンダーと女性の経済活動』京都大学アフリカ研究シリーズ002、2011年

私の大学時代、サークルで一時期ご一緒させていただいていた旧友の著作である。私は、最近までその存在を知らなかったのだが、最近夢を見て、友達が出てきて懐かしくなって、ネット検索したところ、かなり活躍されていて、著書もおありだということで、早速手に入れて一読した。友達だからというのではないが、名著だ!理論的にもフィールドワーク的にも完全だ!冒頭の問題提起では、バトラーという人の行為遂行性という概念を念頭に、「既存のジェンダー体制を前提としつつ、日々の営みの中でその体制を少しずつずらしていく」アフリカ女性の自立した経済活動として、ガーナにおける美容師業に着目したと説明されている。問題提起の部分は少し難しかったが、そのあとの、実際著者が8年間アクラで暮らした知見に基づくフィールドワークの部分が、大変興味深かった。アクラとはどんなところかというところから始まって、その一部のマディナの美容師の生きざまが明るくまっすぐに描き出されている。アクラの女性のたくましさが如実に映し出さているのである。そこには、私がこれまで抱いていた、アフリカ=貧困という負のイメージは全くなかった。私はガーナの美容師の女性のたくましい生き方に希望をもらった。作者の織田さんも、今はある企業で幹部職として活躍されているようである。昔からアフリカに行きたいと言っていたことを思い出すが、その夢をかなえた織田さんの生き方にも夢と希望をもらった。かげながら、さらなるご活躍を祈念しつつ、私もささやかな夢に向かって頑張っていきたいと思った次第である。


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