水野蛍
文学少女の成れの果て。絵本と刺し子を愛する一児の母。絵本評論のうちの絵本箱という連載を書籍化するのが夢で、絵本のエッセイという分野の開拓を試みています。ちなみに、今年の秋中に本名で鳥影社から出版予定です。乞うご期待!
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【絵本エッセイ】うちの絵本箱#2『「スイミー」の魅力』【絵本くんたちとの一期一会:絵本を真面目に読む大人による絵本本格評論】
第二回 レオ・レオニ作、谷川俊太郎訳『スイミー』の魅力 0.はじめに 第一回を書き終えたと思ったら、もう第二回となりました。おかげさまで、第一回はそれなりに充実した内容に仕上がり、皆様にも喜んでいただけたのではないかと、安堵しております。さて、引き続き第二回では、レオ・レオニ作、谷川俊太郎訳『スイミー』を取り上げます。個人的な話になりますが、『スイミー』は、私の母がとても大切にしていた絵本で、確か私の妹が小さいころに母が買いました。私自身は、『スイミー』とは、小学校の教科書
【読書感想文】織田雪世『髪を装う女性たち:ガーナ都市部におけるジェンダーと女性の経済活動』京都大学アフリカ研究シリーズ002、2011年
私の大学時代、サークルで一時期ご一緒させていただいていた旧友の著作である。私は、最近までその存在を知らなかったのだが、最近夢を見て、友達が出てきて懐かしくなって、ネット検索したところ、かなり活躍されていて、著書もおありだということで、早速手に入れて一読した。友達だからというのではないが、名著だ!理論的にもフィールドワーク的にも完全だ!冒頭の問題提起では、バトラーという人の行為遂行性という概念を念頭に、「既存のジェンダー体制を前提としつつ、日々の営みの中でその体制を少しずつずら