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vol.9 くわがきあゆ「レモンと殺人鬼」を読んでみた

2023年第21回
「このミステリーがすごい!」大賞
文庫グランプリ受賞作品の
くわがきあゆ「レモンと殺人鬼」(宝島社文庫)
を読みました。


装丁がとても綺麗で目立つので、
本屋に行くたびに
気にはなっていたのですが、
購入するのには躊躇していました。

いわゆる、ハズレだった場合に読んでいた時間が
無駄になる、という思考が働き、結果的に
好きな作家さんの本ばかりを
手に取ることが多かったためです。

ただ、行政書士試験後、
マインドが少し変わってきました。

ほんの小さなことではあるのですが、
今まで手にしたことのない作家さんの本を読む、
というチャレンジ精神は、
今後、独立したときには
必要になってくる要素だと感じ始めたからです。



この物語の主人公は、大学職員の小林美桜。
山中で遺棄された妹の小林妃奈の遺体が
発見される所から始まります。

殺された小林妃奈には、「保険金目当ての殺人」
との疑いの目が向けられるも、
主人公の小林美桜は、

「あの子は我欲のために次々と
人を貶めるような稀代の悪女ではない」

との思いから、妹の無実を証明するために
奔走する姿が描かれていきます。

物語は、10歳の頃の過去と現在を行き来し、
進んでいくのですが、
巻末に載っている解説において、
ライターの瀧井朝世さんは、こちらの作品を
下記のように評しています。

二転三転四転五転の力業で
読者をねじ伏せてくる、一級のサスペンス小説

絶対に騙されない、という強い意志を持って、
読んだのですが、結局、
どんでん返しされてしまいました。

約300ページとミステリーとしては、
やや物足りないのかも…という思いすらも
払いのけられる結果となりました。



行政書士試験は、
昨年11月に実施されましたが、
私は8月末までは、試験勉強の合間に
ミステリーをよく読んでいました。

当時は、遊ぶことは時間を捨てること、
という暗示のようなものを
自分にかけていましたが、
読書は「文章理解」に役立つはず、
と自分に言い訳をして納得させていました。

9月、10月は、
読みたい本を積読(つんどく)させていき、
試験終了後の楽しみ、として
自分を励ましていたことを思い出します。


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