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教員の賃金は他業種と比べてどこに位置するのか?

今日は、お金の話をしたいと思います。教員の仕事は大変だ、長時間働かなければいけない、といったような印象がありますが、実際のところ賃金面はどうなのか、という点についてはセットで語られることはそこまで多くありません。

私個人がこれまで出会ってきた先生方は生徒思いで教育熱心で、未来で幸せに生きてほしいと願う先生が多く非常に社会的にも意義の大きい職業です。

今回はこうした良くも悪くも注目され、またほぼ全員が先生はどんな職なのかを知っている数少ない職種である先生の賃金にフォーカスを当てて整理していきたいと思います。

教員の平均年収

まず、よくまとまった記事がありましたので教員の平均年収については以下のURLをご参考いただければと思います。

この記事を見てお分かりの通り、小から大までの先生方は概ね平均年収として700万円前後であるということがわかります。

これを多いと感じるのか、少ないと感じるのか、はみなさんのご想像にお任せします。

正直額面だけでは判断できないなというのが個人的な感想です。たとえ年収が高かったとしても、その分長時間労働を強いられている可能性もあります。また、これは"平均"となりますので、"中央値"についても目を向けなければなりません。

中央値について探してみたのですがあまり良いデータがありませんでした。もしどなたかどこから参照すれば良いのか情報があれば教えてください。

年齢別の年収

では、続いて年齢別でどのような違いがあるのかをみていきます。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/dl/05.pdf

こちらを見るとわかるとおり、一番年収が高いのは、男性の場合、奇しくも55歳から59歳となっております。女性の場合は、50歳から54歳となっています。

まだまだ年功序列型の職業であることがわかります。そして、年収が上であげたような水準とは違うことがわかります。それは、教育、学習支援事業という教師以外の職業も含む年収の平均であるからだと思います。

ちなみに教育、学習支援事業とは、以下のように定義されています。

教育・学習支援業は、日本標準産業分類において、 「学校教育を行う事業所」 「学校教育の 支援活動を行う事業所」「学校教育を除く組織的な教育活動を行う事業所」「学校教育の補習 教育を行う事業所」「教養、技能、技術などを教授する事業所」と定義されています。

https://www.cgc-osaka.jp/business-support/img/pdf/kyouiku-gakusyu.pdf

産業別において賃金はどうなのか?

続いて産業別でみてみましょう。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/dl/05.pdf

これを見る限り、教育・学習支援業は他の産業に比べて高い水準にあることがわかります。特に女性に関しては教育業は一番高い数値になっております。(とはえ男女差では男性の方が高いですが。)

もちろん先ほども述べたようにこの値は平均値になりますので、年収が非常に高い方々に引っ張られたり、また学校以外の学習塾等の他教育事業の年収も含まれているかと思いますので、あくまで参考値としてご確認ください。

賃金とともに語られなければならないこと

賃金とともに語られなければならない項目としては、時間外労働や残業手当等の部分になるのではないでしょうか。他産業に比べて賃金が教育・学習支援事業は比較的高い水準にあるとわかりましたが、労働時間が長ければそれは賃金も高くなるよな、ということです。

労働時間や残業時間についてはまた別のブログにして共有していきたいと思いますが、必ずしも賃金が高いのは、より高度な専門性を有するからという要素だけでなく、単純に労働時間との関係性も見ていかないと一概に高いということはできないだろうと思います。

詳しくは述べませんが、参考までに以下の調査でおおよそのイメージはつくかもしれません。

「2021 年 学校現場の働き方改革に関する意識調査」, 2021年7月~8月実施
https://www.jtu-net.or.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/ebf2a69840156756fb12833bd9f988d7-2.pdf

教員という職業の国内での地位

少し賃金とはかけ離れていますが、現在日本における教員という職業の人気度合いはどうなっているのかを確認していきたいと思います。なぜ人気かどうかを確認するかというと、人によっては賃金が高い職業を選びたいと思う人が多いと思いますが、そうなった時に教員という職業は選ばれやすい、ということも言えるのではないかと思います。LINEリサーチによると確かに給料というのは就職先を選ぶ際の大きな要素になっているようです。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2110/13/news116.html

そして、以下より人気の職業ランキングに移っていこうと思うのですが、やはり教員という仕事は人気の職業のようです。

https://careergarden.jp/column/popular-ranking/
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2110/13/news116.html

これだけメディアは教員という職業はハードであるなどネガティブな報道も少なくないような側面も見受けられますが、依然として教員という仕事は誰もが注目する職業であることがわかります。

では、教員になりたい理由は賃金が高いから、ということなのでしょうか?

https://research-platform.line.me/archives/38840930.html

理由を確認してみるとそうではないようです。

これ以上掘り下げると違う趣旨のブログになってしまうので、この辺りにしておきます。ここからわかることは、賃金が高いから教員という職業を選ぶのではないということがわかりました。

今後は教員の賃金を上げるべきか?

これはYesでありNoなのかもしれません。もはやこのフレーズも私のブログではおなじみになりつつあります笑

どういうことなのかというと、産業別での賃金を比較したように賃金は比較的に他業種よりも高い水準にあります。しかしながら、教員の職業においての問題は労働時間と賃金が合っていないことにあるかもしれません。

何度も言いますが労働時間に関して今回は詳細を述べていませんので、その関係性が本当なのかどうかというのは確実には言えない点もあります。

ただし色々と調査を進めているとどうやらそれらしき点がいくつか見受けられます。

そして、労働時間に相当する賃金が払われていないという点については問題視すべき点であります。

まずは労働時間に見合う報酬がある形になるようであれば、これからさらに教員という職業が働きがいもある魅力的になるのではないでしょうか。

次回以降は労働時間や時間外労働についても見ていきたいと思います。


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