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戦略コンサル→客室清掃×デジタルでカテゴリーリーダーを目指すスタートアップへ。なぜ大月は EDEYANS を選んだのか?

Introduction
戦略コンサルティングファーム → 客室清掃の DX を推進するスタートアップ EDEYANS へ入社という異色の経歴をもつ大月さん。

数ある選択肢から EDEYANS を選んだのは 「大きく成長する」という確信と「自らの力も活かして会社を大きくしていきたい」という想いがあったからだそうです。

コンサルからのセカンドキャリアを考えている方や、マクロな視点から見た EDEYANS の成長可能性に関心のある方は、ぜひご一読ください。


「EDEYANS は大きく成長する」「EDEYANS を成長させたい」で入社を決断

ーー EDEYANS に入社したきっかけを教えてください。

知人の紹介で代表の片山さんと会ったことがきっかけです。
「客室清掃 × デジタル」に取り組む企業は他にないですし、大手企業や新興スタートアップにも目をつけられにくいのではないか。未開拓の市場に挑戦したり、競合するプレーヤーがほとんどいない中で認知を拡大したりするのは、なかなか得がたい経験なのではないかと思ったんです。
そうして昨年、業務委託として EDEYANS に参画、今年6月に正社員として入社しました。

ーー 戦略コンサル → ドベンチャー。思い切った決断だったんじゃないでしょうか。

そう見えるかもしれませんが、マクロ経済的な視点や産業構造の中で整理したときに、EDEYANS のポジションはかなり優位性が高く、成長可能性も高いと判断した上で決断しました。

ーー というと?

企業の将来性は「①マーケットの成長性 × ②競争優位性」で決まると考えています。  
EDEYANS にジョインする上でも、この2点を考えました。

①「ツーリズム」というマーケットの成長性

5~10年の中長期スパンで見たときに、非常に重要なテーマはその業界に成長性はあるのか?ということ。数年成長できてもすぐに落ち込むような業界だとしたら、大した経験はできませんし、その後の応用も効きづらいですからね。

海外投資家のジム・ロジャーズ氏も、この記事で述べていますが、中長期で成長する業界として私が注目したのは「ヘルスケア」と「ツーリズム」でした。そして、これらの業界から絞る上で考えたのが「内需・外需、どちらが主導であるか」です。外需・外貨に頼る業界の方が、より成長角度が高いと考えました。

まずヘルスケアですが、製薬や医療機器はそれなりに海外売上高比率が高いです。しかし、それ以外の介護や医療などの分野は、主に内需により支えられています。しばらくは高齢化に伴い売上は伸びると思いますが、今後の人口減を鑑みると10~20年後には頭打ちになっていくはずです。

その点ツーリズムは、明らかに外需主導になりつつあります。その背景には円安トレンドもありますし、日本と欧米諸国とでは、物価や賃金にもすでに大きな差が生まれ始めていることもあります。この傾向は今後も加速度的に広がっていき、ツーリズムは海外旅行者が主導するマーケットになっていくだろうと予想しました。

② EDEYANS の競争優位性

では「ツーリズム」というマーケットの中で、EDEYANS にどれほど競争優位性があるのか?

そもそも EDEYANS が携わる「ホテル業界」は、日本だけでも100万室以上ある超巨大マーケットです。その経営において客室清掃コストが占める割合は大きいため、客室清掃のマーケットも一定の規模があります。

しかし、それを請け負う清掃会社のトッププレーヤーですら、シェアはわずか2~3%。客室清掃業は、極めて分散型市場であるという特徴があります。中小零細の企業が大多数を占める中で、中長期を見据えた戦略投資に耐えうる資本力を持つプレーヤーはほとんどおらず、年単位の粗利を追っていくだけでも必死な会社ばかり。

加えて、業界全体が高齢化しており、デジタルに精通している人が少ないだけでなく、そもそも事業承継や廃業すら検討している企業も少なくありません。ましてや「自社で数千万のデジタル投資をしてシステムを開発し、DXしていこう」などと思う経営者も現状多くはありません。

このような状況において、少なくとも現時点で EDEYANS は唯一無二の存在です。

そもそも、客室清掃オペレーションをしながら、業界課題を解決する SaaS を提供している企業がまずありません。さらに EDEYANS は幹部メンバー含め、デジタルネイティブ世代の20代半~30代半。この事実も、業界全体が高齢化している状況下や、DX を推進していく上で、大きな強みであると確信しています。

また SaaS 提供の観点で見ると、外部の IT ベンダーも競合になるのではないかと思われそうですが、参入障壁が極めて高いため競合が出てきづらい環境です。その理由は、客室清掃オペレーションの複雑性にあります。業界特有の仕事の進め方に加え、客室清掃オペレーションはホテルグループによっても変わりますし、同系列のホテルであっても各店舗・施設によって異なるからです。

私自身、清掃現場に入ったときに強く実感したのですが、清掃の現場責任者業務は非常に複雑性が高いんです。どの部屋にクリーナーをアサインするかを考えることも容易ではないですし、部屋ごとにアメニティやベッドの数を調整するなどの個別手配が必要で、オペレーションの画一化がとても難しいんです。だからこそ、これまで紙や電話のようなアナログが残り続けてきた、簡単に DX 化できない事情があるんだなと痛感しましたね。

ただ、それゆえに外部からは簡単に入ってこられません。

その点、EDEYANS は自社で客室清掃オペレーションも提供しているので、自社の清掃現場の課題を抽出して、それを SaaS に落とし込むことができます。新機能を開発したら自社現場で先行して試せますし、ローンチ後も現場から忌憚のない意見を吸い上げつつ、PDCA を回すこともできる。

これは弊社の圧倒的な強みであり、現場を知らないテックカンパニーに参入障壁を築けていると思っています。

これらに加えて、 EDEYANS は海外展開も期待できると考えています。というのも、ホテルの客室清掃における課題に対して、IT ソリューションを提供しているベンダーは世界的に見ても稀であるからです。

以上のような理由から、EDEYANS は大きく成長すると確信したのでジョインを決めました。


ーー 「マーケットの成長性×競争優位性」以外に EDEYANS  への入社の決め手はありますか?

 EDEYANS はとにかくフラットな組織で、居心地がいいことですね。

これはメンバー同士の年齢が近いことも大いに関係していると思うのですが、役職を問わず、だれに対しても意見を伝えることができる環境です。「役職関係なく、リスペクトを持って接する」ことや、「呼び捨てはせず、〇〇さんと呼ぶ」などのことが EDEYANS のポリシーでもあります。そうしたことが、組織で互いにリスペクトし合って、フラットに意見を出し合える土壌につながっていると感じます。

全社会の風景

ーー これまでに大月さんが経験してきたカルチャーとは異なりますか?

そうですね。
コンサルティング業界では、上意下達のカルチャーが強かったと思います。もちろん上位下達の良い部分もありますが、トップダウンが強いことで、メンバーの萎縮・上司への忖度が増えてしまうことは、ずっと課題に感じていました。

そうしたことは EDEYANS では全くありません。
それこそ片山さん(EDEYANS 代表)に対しても率直に意見を伝えますし、片山さんもそれを受け入れてくれます。こうしてフラットに意見を出し合える組織こそが、困難を乗り越え、持続的に成長を遂げることができるのだと、私は考えています。


仕事は “EDEYANS の成長に必要なことすべて”

ーー 大月さんの現在の役割を教えてください。

一言で言うと、事業・組織の成長に必要なことすべてを行っています。

ーー 広いですね。

そうですね、アメリカのスタートアップで最近使われるようになった「CoS(チーフ・オブ・スタッフ)」みたいなポジションかなと思っています。

「社長の右腕」とも呼ばれますが、社内のあらゆる事業部と接点を持ち、時に領域を横断しながら、経営アジェンダにおける重要事項をサポートしています。

ーー 具体的にはどんなことをしているんですか?

直近だと「自社の Jtas (SaaS) 利用率改善プロジェクト」を行いました。

先ほども触れましたが、EDEYANS の強みは「SaaS」と「客室清掃オペレーション」2つで1つのサービスを提供していることです。

もちろん、EDEYANS は自社で自社サービスを一番活用すべきです。しかしあえて、オープンにするならば、「SaaS」を開発・利活用の促進を促す CS チーム、客室清掃オペレーションを提供する CX チームの2つの機能を持つ組織の中で、クライアント支援を優先していた結果、自社で客室清掃オペレーションを提供するとあるホテルで「Jtas」利用率が著しく低いことが発覚しました。

当然のことながら、これは歓迎すべき事態ではありません。
なぜならば、クライアント (ホテル) はデジタル清掃サービスを期待して EDEYANS に任せてくれていますし、何より自社現場でできないことを他社にオンボードできるわけがないからです。

しかし、ピンチはチャンス。この課題解決をすることは、「Jtas」の明確な訴求力・競争力を増すいいきっかけになると考えました。

というわけで、なぜその案件だけ「Jtas」の利用率が低いのか調査を行いました。

当初
・デジタルに馴染みのない高齢者が多い
・客室清掃が忙しく、「Jtas」の活用に手が回らない
という仮説を持ちました。

しかし、いざ現場に足を運ぶとそれとは異なる2つの原因に気づきました。

原因①:
一定のクリーナーの入れ替わりがある中で、100% オンボードを徹底する負担が大きい

EDEYANS に限らず、どの客室清掃提供会社でもクリーナーの離職率は低くありません。そんな状況では、「Jtas」の活用を浸透させたくてもなかなかできないものです。
根本解決は離職率を下げることですが、これには一定時間がかかります。
そこですぐ改善できる解決策として、コーポレート部門と連携して入社初日に必ず「Jtas」が使える状態=入社時に「Jtas」アカウントが発行されている状態を整えました。これだけでも利用率は大幅に改善できました。

原因②:
クリーナーさんが「Jtas」を使う目的が理解できていない

客室清掃オペレーションを提供する上で、客室清掃を提供する会社には日報提出の義務があります。しかし、そのことをクリーナーさん1人1人が、正しく認識していないことに気づきました。だからこそ「Jtas」を使う必要性が伝わっていなかったんです。そこで、日本語・英語・メンバーの多いベトナム語の3ヶ国語で「Jtas」を使う意義を作成。LINE グループや現場への張り紙などを通じて、彼らに周知徹底しました。


これらの施策を通じて、1ヶ月で「Jtas」の利用率を20%→100%まで改善できました。
これにより、現場の忙しさは利用率を大きく左右する原因にはならず、高齢者・外国籍のクリーナー含め、戦略的に「Jtas」をオンボードすることによって、誰でも使えるようになる SaaS であることを証明することにも繋がりました。


コンサルと事業家。両者のマインドで希少価値の高い人材になれる

ーー 大月さんのようにコンサル出身者がスタートアップに転職する意義はどんなところにありますか?

まずコンサル出身者がスタートアップに転職することで、コンサルと事業家、両者のマインドを獲得できます。(コンサルだけでは、事業を進められませんし、逆に事業だけを進めている人は、一点集中する強さはあっても、俯瞰的に物事を見る習慣を持ちづらかったりします。)

これにより、かなり希少価値の高い人材になれると思っています。コンサル出身者のネクストキャリアとして、まさに目指すべき場所だと考えています。

加えて、小さな会社だからこそ自分自身で最後まで結果を追いかけられる面白さがあります。いまの EDEYANS の事業・組織規模だと全体を俯瞰できます。すると、自分がコミットした結果がはっきりと目に見えてわかるのが面白い。この感覚はコンサルではなかなか味わえません。

実際に私の価値は “コンサル時代に培った課題解決能力” にあると思いますが、そうした力を生かせる場面はスタートアップでは無数にあります。ほかにも、新卒の頃から大企業の CxO クラスと対峙してきた経験やコネクションも、これから事業規模を大きくしていく中で価値提供していけるはずです。


“効率”を求めすぎた結果、動きが鈍くなってしまっていた

ーー EDEYANS に入社してから、一番苦労したことを教えてください。

コンサル出身だったが故に、どうしてもデスクに座って頭だけで物事を考えがちだったため “現場主義” へとマインドを切り替えることに苦労しました。現場主義のマインドに切り替えられるまでには業務委託をしていた1年ぐらいかかりました。

ーー 代表の片山さんから「効率を求めすぎている」と指摘を受けたことがあったと聞きました。

そうですね。
業務委託で携わり始めた当初、新規事業に携わってるときに指摘を受けました。

当時、私に現場の解像度がなかったがゆえに「これってどうなんですか」と片山さんにくり返しヒアリングしたことがあって…。もちろんヒアリングそのものが悪いわけではないのですが、「机上の空論だけじゃどうにもならない、最初から正解や効率を求めすぎている」と言われました。

いま思うと、すぐに現場に足を運んで、自らの目で確認すればよかったなと。

ーー 先ほどおっしゃっていた「事業家マインド」ではなかったんですね。

その通りです。
確度の高い選択肢はもちろんあると思うのですが、それが唯一絶対の正解ではありません。自分としては一番効率的な方法を考えていたつもりが、スタートアップで事業を進める上ではかなり動きが鈍かったということですね。

そのときに「これが主体的に事業を進める事業家と、アドバイザーであるコンサルタントとの決定的な違いなんだ」と気づかされました。

ーー いまではすぐ現場に足を運び、たった1ヶ月で大きな成果も出せている。これができるのは、大月さんの中で変化・成長があったからでしょうか?

それはあると思います。
実際に客室清掃現場に足を運び、忙しそうに働いているクリーナーさんたちを見ると、この状況をなんとか改善したいと思うんです。

昨今の客室清掃は圧倒的に人手不足で、その皺寄せはクリーナーさんたちに及んでいます。それこそ、EDEYANS が業務をさらに効率化することで早く業界のリーディングカンパニーとなり、労働環境や賃金を高めていけたらと願っています。


コンサル出身者が EDEYANS に入社すべき理由とは?

ーー 改めて、コンサル出身の方が EDEYANS に入社すべき理由は何でしょうか?

やはり1つは事業家マインドを獲得できることです。
というのも、コンサル出身者がメーカーの経営企画室に行ったり、テックカンパニーに行くことはよくある話ですが、そもそも企業・事業規模が巨大すぎたり、ビジネスモデルやオペレーションが完全に確立されていたりするために自分自身が事業家マインドを持って事業推進できる会社はほぼないと思うんですよね。

成長が期待される業界のフロンティアに立って、事業家として市場を広げていく経験を積める会社は、なかなかありません。だからこそ、事業家マインドを得られる点は EDEYANS  に入社すると得られる、非常に大きなアドバンテージなのではないでしょうか。

もう1つのコンサル出身者が EDEYANS に入社すべき理由は、泥臭いアプローチが取れるからです。戦略系コンサルの出身者は、清掃用具の配置や効率的なゴミの集め方など、細かい現場のオペレーションの話はしたことがないはずです。

でもその細部にこそ、結果を変える鍵があるんです。「そんな枝葉の議論はどうでもいい」と感じる人ではなく、細部にこだわって現場から変えていくことに興味を持てる人は入社すべきだと思います。

ーー 代表の片山さんがよく「EDEYANS はラストワンマイルの仕事を担っている」と言っていますが、そのために必要なのは、まさに細やかな視点なのかもしれませんね。

回転寿司チェーンのスシローも、お客様に最速で商品を届けるためにどのようにレーンを設計すべきか日々研究しているそうです。現場からすると、これってめちゃくちゃ大事なことじゃないですか。

けれども、経営管理という観点でコンサルタントが入ったときに、改善対象として特定されることはあれど、現場での具体的な改善施策についてはクライアントマターとしてプロジェクトスコープから外されるケースも往々にしてあると思うんです。

こんな風に現場の小さな改善だけで、結果がガラッと変わってしまう事実を面白がるかどうか。もちろん清掃現場のみならず、コーポレートで使われている Excel ファイルなんかも日々作り直していますが、スタートアップだからこそ、気になるポイントは無数にあります。それを全て自らの手で直して、効率化していけるのはとてもやりがいがありますし、飽きないんですよね。

そうして自分が改善したことで、目の前の人が喜んでくれる。すぐに反応が返ってくる。これがめちゃくちゃ嬉しいんですよ。コンサル時代は、CxO・本部長クラスから謝意を示していただけることはあれど、現場で課題に直面していた1人のメンバーから感謝されることなんてまずありませんでした。自分の仕事の成果がなかなか実感できないと感じているコンサルタントにとっても、EDEYANS はすごく面白い会社だと思います。

ーー 本日はインタビューのお時間をいただきありがとうございました!

取材企画・協力 / 世界線株式会社


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