見出し画像

【WMパートナーズ様インタビュー】グロースキャピタル視点からみる、デジタル清掃サービスの可能性。EDEYANS がカテゴリーリーダーとなるために必要なこととは?

Introduction
私たち EDEYANS は、2024年1月にシリーズAの資金調達を実施しました。

EDEYANS 資金調達の裏側に迫る「資金調達 note」、第2弾となる今回は、弊社代表片山も交え、引受先となっていただいた WM パートナーズ様へのインタビューをお届けします。

第1弾はこちら👇
【シリーズA 総額4.3億円調達 note:第一弾】ミッション実現のために現状の成長スピードでは遅すぎる。代表片山が資金調達を決意した2つの転換点|EDEYANS


きっかけはたった15分間のプレゼン、直感的に「これだ」と感じた

ーー EDEYANS の第一印象を教えてください。
山本氏:
出会いは2年前。ピッチイベントで代表片山さんからの15分ほどのプレゼンを拝聴し、「これだ!」と直感しました。EDEYANS が取り組む客室清掃市場、業界に変革をもたらそうとする姿勢、さらにはホテル客室清掃管理 SaaS「Jtas」に、大きな可能性を感じたからです。その後、すぐに面談を申し込みました。

徳永氏:
私は山本から EDEYANS の話を聞いた際に、正直「ホテル業界へのIT企業の新規参入がいまだにあるのか!」と驚きました。というのも2000年代初頭、インターネット黎明期からすでにオンライン予約システムやホテルの PMS(ホテルの客室管理システム)が話題になっており、すでに十分開拓されてきた市場だったからです。

山本氏:
ホテル業界を俯瞰して見ると確かにそうですよね。
一方で EDEYANS が取り組む客室清掃市場は簡単に IT 企業が参入できない “ラストフロンティア” 。こうした市場に対し、EDEYANS は自社の豊富なオペレーション経験を活かし、業界の改革に挑戦しようとしています。
さらに、私も EDEYANS のクライアントホテルへと足を運びましたが、「このサービスを待っていた!」という現場の声を耳にしました。市場規模、意義、競争優位性を見ても、非常にポテンシャルを秘めていると感じました。
だからこそ、EDEYANS に出資すべきであると、徳永に熱弁したのを覚えています。

成長が見込まれる観光市場×高い参入障壁×唯一無二の存在である

ーーグロースキャピタル視点で、EDEYANS をどのように評価していただいたのか教えてください。
山本氏:
EDEYANS が取り組むホテル客室清掃市場は、今後ますます成長が見込まれる日本の観光業に必要不可欠な役割を果たします。市場規模を含め大きなポテンシャルがあるんです。それにも関わらず、課題が根深く、第三者的に IT 企業が参入できない領域であり、スタートアップですら、この領域に挑戦する企業はありません。
だからこそ、EDEYANS に大きな魅力と可能性を感じたんです。

ーーEDEYANS だからこそ、高い参入障壁を築けていると捉えていただいたんですね。
山本氏:
そうですね。アナログかつ非効率·複雑な業務フローや人手不足など、客室清掃の根深い課題を捉え、このマーケットで DX を進めるためには、業界への深い理解が不可欠です。
挑戦できるプレーヤーが少ない中、EDEYANS は自社で清掃オペレーションも提供しながら DX を推進しているからこそ、クライアントの悩み·痛みを心から理解でき、SaaS プロダクトの開発·改良にあたっても、スピード感をもって PDCA サイクルを回すことができています。

片山:
評価していただき、ありがとうございます。
でも実は、WM パートナーズ 様からいただいた評価はすごく新鮮だったんです。

というのも、創業1年目、民泊清掃オペレーションとその DX に挑戦していたときに資金調達を試みたことがあったのですが、当時投資家の方々からは「SaaS に絞った方がいい」と評価され、清掃オペレーション事業を好意的に捉えてもらえず、「投資家の方々はJカーブ成長を期待していて、客室清掃オペレーションのような労働集約型のビジネスモデルは魅力的に映らなかった」と捉えていたからです。

私はオペレーションまで取り組んで初めて、市場に価値提供できると確信していたので、今回、このように評価をしていただけて本当にありがたく思っています。

片山 裕之(EDEYANS / 代表取締役)

山本氏:
客室清掃オペレーションを提供する企業の多くは、人材不足、DX への適応の困難さ、変化への抵抗感など、数多くの課題に直面しています。そのような中で EDEYANS は客室清掃管理 SaaS 「Jtas」を活用した業務効率化のみならず、外国人や若者の積極採用、給料の向上など、包括的に業界を変革しようとしていますよね。清掃オペレーションの分野でも、EDEYANS が新たな風を巻き起こしていくことに大きな期待を寄せたいです。

経営陣のコロナ禍をも乗り越えた逆境への対応力と実行力を評価

ーー 代表の片山を経営者としてどのように評価していただいていますか。
山本氏:
片山さんは私たちが重視する経営者としての資質=コミュニケーション能力、巻き込む力、使命感などを兼ね備えています。
中でも「実行力」は秀でていて、現場にも足を運び、自ら手を動かし汗をかくことをまったく厭いませんよね。あとはコロナ禍のピンチを乗り越えてきたこと。タフな逆境でも前を向き、事業の方向性を柔軟に変えながらも、つねに前を向き続ける強靭さは、片山さんが持つ特別な資質だと評価しています。

片山:
コロナ禍は何度も本気で「倒産するかもしれない」と思いました。結果的に乗り越えられたものの、かなりギリギリだったこともあり、投資家の方々からお金を預かって経営する胆力を失いかけていたと思います。コロナ禍を乗り越えたタイミングで WM パートナーズ様と出会い、再び心に火を灯していただけたと感謝しています。

徳永氏:
経営には必ず浮き沈みが伴います。本質的に重要なのは、挫折をどう乗り越え、どのような姿勢でそれに立ち向かっていくのかです。
リーマンショックの荒波を含め、長年投資業界で活動してきた私は、逆境に直面した際に退く多くの経営者を目の当たりにしてきました。それゆえに困難に向き合う姿勢にこそ、経営者としての真価が問われるのだと確信しています。
片山さんがコロナ禍の経験を素直に共有し、その乗り越え方を語ってくださったのは、私の心にとても響いた瞬間でした。

ーー 経営陣の印象はいかがですか。
山本氏:
先ほど、経営者の巻き込み力が大事だと少しお伝えしましたが、経営チームはみんな、 片山さんのビジョンと人柄に魅了され、EDEYANS へジョインされていますよね。この事実もすごく魅力的だと感じています。

特に、資金調達に向けては野村さん(取締役 CFO / コーポレート本部 本部長) と密に連携を取らせていただきました。彼女は大企業からスタートアップまで幅広くキャリアを築いてこられ、管理部門での労務経験や共同創業した会社のバイアウトの経験もお持ちです。私たちのタフな要求にも柔軟かつ的確に応えてくださる姿勢に、いつも感謝するとともに EDEYANS の経営陣の強さも感じました。

EDEYANS がカテゴリーリーダーとなるために

ーー 今後 EDEYANS がミッションを追求し、成長を続けていくために、取り組むべきだと感じる課題を教えてください。

山本氏:
①組織構造・内部管理体制の改善
②人的リソースの増強

この2つがあると考えます。
①について、カテゴリーリーダーを目指す上で、EDEYANS のルールが業界標準となっていかねばなりません。報酬体系の設定や、労務管理、テクノロジーを活用した現場管理など、既に変革を進めていますが、さらに改善の余地があると見ています。

②について、 EDEYANS には多岐にわたるチャレンジを可能にする環境が整っていますが、ポテンシャルを十分に発揮するだけの人的リソースがまだ不足していると感じます。私自身も全社会議に参加させていただき、片山さんを含むメンバー間でのフラットなコミュニケーション、風通しの良さが際立っているといつも感心しており、これは他社と比較しても特筆すべき点です。EDEYANS には、素晴らしいカルチャーも、オペレーションも、SaaS も、業界変革していく気概までもあります。ここにさらに多くの人的リソースが加われば、さらに成長していけるはずです。

片山:
積極的に採用を進めてきたつもりですが、これでもまだ人的リソースを増強する必要があるとお考えなんですね。いや、これまでもメンバーを徐々に増やして事業をグロースさせてきたので、意識してきたつもりだったのですが、「人がいればもっと伸びるんだ」という実感を、掴みきれていないのかもしれません。

山本氏:
SaaS も清掃オペレーションも、市場にはとにかく大きなニーズがあります。もちろん体制を整えつつではありますが、あとは人員を増やせば、必ずやグロースします。
たとえば現在、Jtas 営業のために大月さん(グロース本部 事業開発部 部長 / セールス&マーケティング部 部長)が1人で全国を飛び回っていますが、メンバーが増えればさらに同時並行的に営業できるはずですよね。

徳永氏:
山本の指摘したように、事業を大きくグロースさせるには「②人的リソースの増強」が欠かせませんが、「①組織構造·内部管理体制の改善」はその前提条件として必要不可欠です。

EDEYANS の場合、大手ホテルチェーンとの商談が成功すると、全国規模の契約になります。しっかりとした型を作り終えていないまま、無理にグロースしようとすると、一気に崩壊する危険性もあります。

一方で、組織構造の見直しに時間をかけすぎても、ビジネスチャンスを逃してしまいます。迅速に体制を整備しつつ、来るべき “一気に攻めるタイミング” に向けて人手不足解消の視点も持っておく、すなわち計画的な採用も忘れてはなりません。

ーー今後の  EDEYANS に期待することを教えてください。

山本氏:
私たちの願いはシンプルで、業界の圧倒的なカテゴリーリーダーになっていただくことです。No.1 になれるチャンスがあるのだから、いっしょにアクセル踏んで目標に向かって進んでいきたい。そのような思いを込めて、出資させていただいております。

徳永氏:
SaaS できちんと面を広げることはもちろん、客室清掃オペレーションにおいても従業員満足度や給与を含め、他社に模範を示すカテゴリーリーダーとしての地位を築いていくことを期待しています。

資金調達 note 第2弾、WMパートナーズ様へのインタビューはここまで。第3弾はオリエンタルランド・イノベーションズ様のインタビュー記事です。ぜひあわせてお楽しみください。

取材企画・協力 / 世界線株式会社

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?