学生と懺悔

昨年も同じように受けたことなんですが、
「長屋」を卒業研究に選んだ大学生から
長屋でのコミュニケーションについての
ヒアリングを依頼されました。

リノベーションされた長屋を五つ以上取材し、
長屋のなかで、外で、地域でどんな影響があるのか。
今後自分たちがリノベーションするなら
何を大切にすべきかということをテーマにされていました。

昨年は女子4回生と男子3回生の二名で来店され、
開店前に取材を受けるようにお話をしたんですが、
今年、4回生になった男子学生とは時節柄
ZOOMでのヒアリングとなります。

閑話休題。

エデン特急とお隣のごはんバーとの間に、
ひと坪に満たず賃貸では貸し出せないスペースがあり、
専門学校生に無料で貸し出して商売経験をしてもらうという
取り組み(企画)をやっているんです。

すでに今年はじめには契約は成立していたのですが、
状況的にもようやく9月からスタートとなりました。

新しいお隣さんは19歳の女の子!
台湾風の飾り付けで夜店のようなこと
(お面やラムネ、駄菓子などを売る)
をやっているのです。

しかしまた、その立て看板や飾り付けが素晴らしい!
お金はかかっていない(はず)なのに、
“イマっぽさ、女子好み”の雰囲気をとらえ、
しっかりと興味をもたせます。
おじさん経営者の凝り固まった頭よりも
柔らかくそれでいて親しみやすい発想は、
若さと自由さならではでしょう。


話題は戻って、その話を男子学生にしていると、
相乗効果(←彼は「伝播」と表現)が生まれやすい
ハブとしての機能を持つのが長屋で、
しかもそれが自然で押し付けがましくなく
ソッとそばにあると話を飛躍させたのです。

お客様からすると
目的のお店ではない別の店にお金を落としたり、
あるいは、
アノ集合店舗は何が入ってるかわからないけど
私にも合うお店があるかしらときっかけを作ったり。

地域からも「あの長屋に入ってるお店」とすぐに認知され、
地域の同業者の警戒心も解いてくれる可能性は高まりました。

男子大学生との1時間近いヒアリングは、
自分のクチでみずから話しているのに
自分の立ち位置を自分に把握させる、
懺悔独白ルームだったのかもしれません。


今宵も仕入れと仕込みに疲れたカラダに、
19歳女子の「お疲れ様でーす」の笑顔が沁みわたります─────

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