『特別支援教育』を今の社会へ
文部科学省は、『特別支援教育』を次のように定義しています。
「特別支援教育」とは、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。
多くの人の中には、特別支援学校や特別支援学級で行われている障害のある方を対象とした教育のイメージが強いでしょう。
文部科学省の文にも「障害のある幼児児童生徒の」という前提があります。
しかし、文章を最後まで読むとどうでしょう。
特別支援教育の『柔軟さ』、『個々の寄り添う方針』などは、すべての幼児児童生徒に必要なのではないでしょうか。
今回は2つの視点で特別支援教育に関するお話をします。
伝えたいことの1つ目は、既に学校の先生方が柔軟な教育を行っているということです。
簡単なところで言うと…
・視力が弱い生徒は前の席に座って授業を受けるようにする
・掲示物に気が散ってしまう生徒の為に掲示物の位置を変えたり無くしたりする
・集団に入れない生徒の為に学級全体で良いところ探しなどの活動を行う
これらの子どもたちは決して障害があると診断されているわけではありません。
障害の有無に関わらず、子どもたちの困難さに柔軟に対応し、学校で配慮をしているという状況です。
保護者の方は知っている方が多いと思いますが、是非多くの人に学校の先生が1人1人の子どもに寄り添っていると知っていただけたらと思います。
そして今回もっとも伝えたい2つ目の視点。
それは、今の社会状況を踏まえた柔軟性の視点です。
学校はある程度の一貫性が無くてはいけない上に、個々に寄り添おうと思ったら先生の数が少なすぎます。
その為、マイナーチェンジはしますが、根本は変わりません。
例えば…
・国語算数理科社会英語…といった教科学習は高校生になっても「必要なのか?」と思う所まで行う。
・社会において必要な英語力と、必ず通る受験で必要とされる英語力の解離。
・30人前後に対する一斉指導の継続
私は学校の様子もよく見ますが、やはり進んでいると言われている所でも窮屈さはあります。
「個性」、「柔軟性」、「創造性」等、大切とされるものが抽象的になっていっている世の中だからこそ、『特別支援教育』から学べることがあると思うのです。
特別支援学校の先生は、生徒ごとの課題に合わせて授業を創り上げます。
魅力的な授業に何度も出会ってきました。
特別支援教育の良さを教育全体に少しずつでも持っていく必要があると思うのです。
私が今熱く語っていますが、世界に合わせて日本も動き出していますし、何
もしなくても徐々には変わっていくでしょう。
しかし、今の日本の教育が世界に後れを取っていること、変化が明らかに遅いことも認めなくてはなりません。
教育に携わっている方で何か参考になれば嬉しいです。
教育に直接は携わっていない方にとっても、この考え方は教育のみならず仕事場でも言えるでしょう。
是非、思考を巡らせてほしいと思います。
参考 文部科学省 特別支援教育の理念と基本的な考え方
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/attach/1396565.htm
今回はぴよ太が担当いたしました。
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