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こころの処方箋③~セルフトークのすすめ

セルフトーク~お気に入りのフレーズを唱えよう


今コラムの「こころの処方箋」というタイトルは、
河合隼雄さんという方の著書から拝借しています。

心が病んでいたときも、そうでないときも
河合隼雄さんの言葉は不思議と
自分の心に響き、
その一文一文が、
僕の心の処方薬になってくれました。

前コラムで触れたように、
心が疲れて無気力になってしまったとき、
まずアプローチするべきは「身体」です。
よく食べ、よく眠り、よく運動して、
自分の体が喜ぶことを躊躇なく行おうというお話をしました。

身体が満たされていくにつれて、
心がだんだんと素直に柔軟に、
弾力性のあるものになっていくことが実感できます。

そしたら、次は「セルフトーク」の出番!!

自分の中で、今必要だと思う言葉を意識的に
何度も繰り返していきましょう。
自分のオリジナルでもいいし、
マインドセットに関わるお気に入りのフレーズを選んでもかまいません。

僕の場合、それは河合隼雄さんの言葉でした。
いくつか紹介させてください。

100%正しい忠告はまず役に立たない

教員として、この言葉は常に戒めです。
「約束は守ろう」「思いやりをもとう」「時間は大切に」
「勉強は自分の可能性を広げることができる」
どこからどう見ても正論で、誰もが納得するアドバイスこそ、
実は生徒の首を絞めていることがあります。

だって、その正しさは重々生徒も承知の上で、できないのですから・・。
100%正しい忠告で相手を追い込んだら、
相手は逃げ道を失って、
あなたに噛みついてくるかもしれませんよ。
「正しさ」の陰で苦しんでいたり、
可能性を否定されている人がいることを
忘れないために、
僕は、この言葉を金言にしています。

イライラは見とおしのなさを示す

怒りは、二次感情だといわれます。
あなたが、誰かに対して怒っているとき、
実は、そこに不安や恐怖が潜んでいませんか?

僕は初任のころ、やる気のない先輩教師たちに苛立っていました。
どうして、こんなに生徒たちのことをぞんざいに扱えるのだ?
この人たちは本当に教員といえるのか??と。

今、思えば、自分が正しいと思うばかりに
そうでないものを否定しているだけでした。

自分の正しさを確信できておらず、
また先輩たちなりのやり方や考え方を理解できていなかったので、
実は不安で不安で仕方なかったのだと思います。
先輩たちを否定することで、
かろうじて自分を上位に置こうとする
虚栄的なプライドでした。

それが芯から理解できたとき、
「他人のことはどうでもよい。自分は自分の信念を貫けばいいのだ」という
見通しができて、そこからは必要以上にイライラすることがなくなりました。

当然、イライラすることはありますが、
そのイライラに振り回されることはなくなりました。

真面目も休み休み言え

これ、大好きなフレーズです。
生徒にもよく言います(笑)。

やる気がありすぎたり、正しすぎて周りに迷惑を及ぼすことって
学校現場ではよくあるんです。
そんなときは、ユーモアたっぷりの口調で、
「真面目も休み休み言ってほしいよなー」と伝えると、
窮屈で硬直した雰囲気がふっと明るくなります。

真面目を否定しているわけではない。
でも真面目一辺倒だと視野狭窄に陥りやすく、
努力が報われないケースが往々にしてある。

真面目の反対である「バカ」が
ものすごく価値のあることだってあるのです。

この場合の「バカ」は「遊び心」と言い換えられるでしょうか?

固定観念にとらわれず、
自由に素直に、
目の前の課題を面白がりながら解決しようとする方が、
より多くの賛同者を得ながら、大きな仕事ができます。

そんな遊び心を大切にするための戒めとして、
「真面目も休み休み言え」はよく使っています。

こんな感じで、本当に河合隼雄さんは含蓄のある深い言葉を
たくさん紹介してくださっていますので、
ぼくのつたない解説よりも原本にあたってもらえたら嬉しいです。
おススメです!

最後に僕の父親の言葉も、
お気に入りのものがあるので一つだけ紹介させてください。
僕の大切なセルフトークの一つです。

今日も元気だ おならがくさい


生きているって「おならがくさい」ことなんですよね。

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