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肉じゃがはなぜ「ほっこり」するのか科学的に分析してみた

昭和の家庭料理の代表と言えば、肉じゃがだ。

牛肉からじわっとしみ出るだしが、ほくほくのじゃがいもをくるっとつつむ。そこにおしょうゆの香ばしいかおりとお砂糖の甘いハーモニー。

昔ながらの素朴な料理は、わたしたちの心をほっこり温める。

でも、なぜわたしたちは肉じゃがの前で安心し、ほっこりしてしまうのか。

そこには納得の理由があった。


調理員のキャラが「ほっこり」だから


肉じゃがのルーツは、海軍大学校長だった東郷平八郎だ。

彼がイギリス留学中に食べた「ビーフシチュー」に感動し、調理員に同じものを作らせたのがはじまり。

今風に言えば、肉じゃがは「海軍飯レシピ」のひとつだった。

これは当時の海軍飯レシピ本「海軍五等主厨厨業教科書」にもしっかり掲載されている。

引用:海軍五等主厨厨業教科書


引用:海軍五等主厨厨業教科書

調理員は、東郷平八郎に作り方を聞き、「ビーフシチュー」作りを試みる。

だが、「ビーフシチュー」はイギリス料理だ。

イギリスでは簡単に手に入る材料であっても、日本では手に入りにくいものは多い。当時の日本では赤ワインはとても貴重で、なかなか手に入らなかったそうだ。

そこで調理員は、すごい行動に出る。

なんと、赤ワインを「しょうゆ」で代用してしまうのだ。

いやぁ…赤ワインはどうみてもしょうゆじゃない。似ているのは色だけではないか。

東郷平八郎に肉じゃがをだし「これがビーフシチューです」と言える勇気は、わたしにはない。

絶対に怒られる。

でも、おかしい。肉じゃがは、今や超定番の家庭料理になってしまってる。

となれば、調理員のプレゼンは成功していることになるのだ。実はスゴイ人だったんじゃないか。スゴイと言っても、めちゃくちゃなおとぼけ愛されキャラだったんじゃないか。

おそらくニコニコしながら言ったと思う。

「さーせん。これビーフシチューっす」

東郷平八郎もそんなにニコニコされたら、こう言うしかない。

「え…ぜんぜんちゃうやん…w でも、まぁ、旨いよ」

こんなほんわかエピソードからはじまる肉じゃがだ。

そりゃ、ほっこりしてしまう。

栄養成分が「ほっこり」だから


肉じゃがは、冷蔵庫の余りものをただコトコト煮込んだだけだと思いがちだが、これが幸せホルモンの材料だらけなのだから油断できない。

メイン食材である牛肉とじゃがいもには、必須アミノ酸のトリプトファンが多く含まれる。

トリプトファンは、幸せホルモン「セロトニン」の材料になり、わたしたちがほっこり優しい気持ちになるのを後押ししてくれるのだ。

さらに言えば、じゃがいもはビタミンCも豊富。

ビタミンCはストレスを減らしてくれることもわかっているので、イライラしすぎてほっこりしてる場合じゃないという人の助けにもなる。

ビタミンCを摂取することにより細胞のストレスが低下し、細胞の多幸感が増加したということになります。

引用:ビューティーコラム|青山ヒフ科クリニック

肉じゃがは煮汁もそのまま食べるのが普通。

そういう意味では、溶けだしたビタミンCもまるごとぐびぐび飲んじゃうっていうのもアリだと思う。

じゃがいもの加熱調理におけるビタミンCの変化については、ゆで加熱をした場合に他の加熱法よりもビタミンCの減少度が大きいことが報告されてり、煮汁中への溶出がビタミンCの減少の原因であることが示唆された。

引用:じゃがいもの加熱調理におけるビタミンC含量の変化

***

ちょっと疲れちゃったあなた。

ぜひ今日は、おうちでゆっくり好きなことをしながら、キッチンでコトコトお肉とじゃがいもを煮込んでみよう。

最初に作った調理員が東郷平八郎をほっこりさせて、怒るのを忘れさせてしまったように、ほっこり元気になれる…かもしれない。




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