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企業によって社員研修というのがあると思われる。会社の規模や人数に関係なく、やはり新人社員が入社して来ると、最低限の「仕事」の流れというか、概要というのを伝える研修である。企業によってはトップである社長が担当したり、番頭格である教育専門の講師であったり、部門別の役員や責任者などが役割を担うのでしょうか。求人関係では、一線で働いている先輩などの体験談などが公開されるのであろう。

私も「カレッジ」と題して、この業界に初めて専門の教育制度を構築して来た経緯はあるが、最前線である現場の1/10ぐらいでしか座学では教えられないと伝えている。これは当時のトップである社長から伝えられた事であり、まさにその通りだと思う。

我々の時代にはデジタルとは無縁の環境下であり、せいぜい電話の他にも通信手段としてFAX機能があるとか、タイピングであうワープロ(東芝製のルポ)などが初めて普及したくらいである。しかもFAXのことを「ゼロックス」と呼称することで戸惑ったものだ、また電話回線で資料の受け渡しができる画期的なことだと認識していた。

この時代の教育方法というのは、ほぼ「体験学」という体系的に教えられるものであり、机に向かって座学というよりは、先輩社員の同行(同席)を通じて、あくまでも「体験」が主となっている。今では「OJT」と呼ぶものだろうか。何事においても、まずは「やって見る」ことが大事であり、学習という机の上に向かって勉強するということは、自己啓発というもので自宅で行うものであり、会社では机と黒板(ホワイトボード)に向かって授業的なスタイルが無かったのだ。

常に実践の環境で「実学」を体験することでいち早く身に付けることが出来たのである。もちろん最初の頃は失敗の連続であり、𠮟責を受けることは日常茶飯事であり、小さな成功体験こそがモチベーションの火の種のなったものである。先輩が行っていることを見様見真似でマネすることで、疑問に思ったことなどは、その都度確認したり、自分なりの工夫によって、自分のスタイルを作って来たものである。いわゆる常に学ぶ姿勢の準備を怠らず、一門一句、一問一答形式で、全てノートに刻んで、予習と復習の連続だったような気がします。それこそ、財布を無くすよりもあらゆる事をメモに刻んだノートを失くす方が深刻だった。先輩や上司と飲みに行った時であっても、メモ帳やノートは肌身離さず持ち歩いていたし、手元に無い時は「はし袋」や新聞の切れ端、お店の人にペンを借りたりなど、学ぶ意欲があったというか、その方法でしか学ぶ環境が無かった。その方法が一番体系化していると思っていたのです。

現代の学ぶ環境というのはどうだろうか。教わる立場こそ変わらないまでも、座学中心のスタイルでありデジタルの普及も後押しして、メモやノートを持ち歩くこともなくリーディングスタイルが主であるようだ。OJTであってもしても、即パワハラやセクハラ行為など、一緒に食事をする(接触)することさえ、何かと面倒な中傷を受けたりするものである。

「とにかくやってみる」という体系的よりも、頭で考えて肯定や否定をしているので、体験的に体系だった「身に付ける」という学び方が出来ていない。手や足を動かすことよりも、まず思考の方が先に前に出るのだろう。お昼時間を気にしたり休憩等を気にしたり、もちろん残業などという事は危険な会社のレッテル(ブラック企業)を持っているので、長続きはしないだろう。そのくせ、カッコだけは一人前である。我々の時代のような昼食(休憩等)なんてあるのか無いのか、あっても立ち食いそばの数分程度で、残業なんてことよりも今日中に帰れるか、日付けが変わるのか、最終電車と始発が凄い混雑している毎日で、普段から立って歩きながら寝ていることを覚える始末だ。

時代や環境が異なるので単純に比較することはできないのは重々承知の上だが、「考え方」と「方程式」だけは区別しておいた方が良いだろう。ある問題点や課題点に直面した時に、「検索」をして直ぐに回答(即効、即時性)を求めるという決まった解き方を見つけることを最優先にするのではなく、まずは問題点や課題点に対して自分なりの解き方、つまり「仮設」を立てることが大事である。そのヒントになるのが「体験」である体系だった身に付けている経験値の中にあることが多いのである。

一方的なリーディングスタイルの授業でも良いから、教えられたことや学んだことを、まずは実践で活用してみる。実学の上で体験してみることが大切である。その中で「失敗」や「成功」を経験することによって、様々な問題点に直面した時に要点を思い出して見ると良いでしょう。ある意味では予習と復習になっていると思います。研修を真面目に聴いていなかったり、寝ているようでは、まずは成長しないでしょう。=成績が残せないということはバスから降りることになるかも知れません。そういう人に好意や好感をを寄せてくれる人はいませんよ。 

そしてマネジメントをする上司は、これらの「再現性」を体得できるように学習方法を指導してあげることが重要である。手や足を動かす機会(場)を多く作ってあげる。チャレンジしやすい環境(場)を整えてあげる。要するに毎々にして継続する「トレーニング」することが重要だと気付かせてあげることです。もちろん失敗した時の責任は、上司が持ってあげて下さい。そうやって上司もマネジメントを学んで行くのです。「頑張りましょう」だけでは、決して成績は向上しないし、何よりも個人の成長はできないであろう。
リーダーとして考え方やマネジメントの仕方を学んでいないのに、自身も部下にも専門的インテリジェンスは育てることはできません。

専門的インテリジェンスを鍛錬するということは、体験学において体得することで成し得るスキルでありノウハウなのです。研修やカレッジという座学は、これらの要点を習得できるヒントを教えているのです。(利益のピラミッドも参照して見て下さい)

最初に自転車に乗った時、泳ぎを習得したことを思い出して下さい。