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【君からの手紙】新マスク文庫|「拝啓」七田苗子

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新マスク文庫の「拝啓」七田苗子×ジユンペイ こちらの小説へのお返事となる、「君」からの400字のお手紙。 採用作品は「拝啓」の裏に印刷します。
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#拝啓

ーあなたへー 【企画参加】

ーあなたへー 【企画参加】

ごめん

ごめんね

こんなふうに、あなたと離れ離れになるなんて

あの頃は想像もしてなかった・・・

海辺の土産店で、ふざけてかぶった帽子が

あまりにも似合い過ぎてて見つめ合った時

一生一緒にいると決めたのに

あの朝あなたが淹れてくれた珈琲は特別に美味しかった

それからは青いラベルが私たちの定番になったっけ

しあわせな時間だったよ

ねぇ 気づいてた?

丘の上の大きな木の下で、お気に

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【企画】あなたをぎゅっと💖お手紙追加中

【企画】あなたをぎゅっと💖お手紙追加中

あなたが雲を見つめてる時―。

隣であなたをぎゅっとしてたの、

知らなかったでしょう。

今の私は大気にとけてどこにでもいけるの。

あなたの傍にも。

あの部屋にも。

いつか行ったあの海にも―。

いつか行きたいねって言ってた、

フィレンツェのドゥオモにも。

雲の上ばかりじゃつまらないじゃないから

自由気ままに

風のように軽やかに

そして少しずつ私は大気になるの。

だから、もう―

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嘘〜letter

嘘〜letter

私からの返事…
さぞかし長い間待っていることでしょうね…
一途な貴方のことだから
あれから長い月日が過ぎてゆきました
お元気ですか?

貴方からの手紙
何度も繰り返し読んでいます
添えられた曲と共に

ふと思い出したのです
この地球の外れに住む私
貴方と過ごした日々の事を

言葉にならない…どうしても
言葉にはならない…
そんな時に…この歌がふと耳を撫でた

貴方が弾き語りでよく歌っていた
この歌

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拝復 あなたへ「JapaneseSnowball」

— あの日の約束を覚えていますか?

丘の木の下に、あなたはいたね。
出会った日の夏の日にも、下を向いていたよね。

木の葉々から雲の上まで聴こえてきているよ。 
「もう、大丈夫よ。これからはずっと一緒」
空色のシャツの中の想い出。

風が、半分夏の香りになった頃、
わたしの季節が巡ってくるよね。

大好きだった帽子は出したかな?
忘れていないかな、白のパイピングの花模様。

お願いがあるの。

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拝啓 ~あなたへのお返事~

拝啓 ~あなたへのお返事~

ー 私は今、微笑んでいます。

何故なら、あなたのくれた言葉があまりにもあなたらしいから。

いつも聴こえているよ。

あなたと一緒に聴いていたあの曲。

透き通るような心地よい風に吹かれて踊る、枝や葉の揺れる音。

そして、少し寂しげなあなたの囁き。

あなたの淹れてくれた珈琲。香りだけは毎朝いただいてますよ。あなたが大きなため息を漏らしながら、その珈琲を啜っているのも知ってます。

あなたの前

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