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[本棚に魚本] マンボウのひみつ (ノンフィクション)

『マンボウのひみつ』 澤井悦郎著 (岩波ジュニア新書)

私にとってのマンボウの思い出と言えば、かごしま水族館を訪れた際、水族館の建物の外側(チケットいらずな場所)の川だか水路だかにマンボウがいるのを見かけて驚いたことと、台湾の火鍋屋さんの具材メニューにマンボウの皮があったので珍しいと思い食べてみたことくらい。
正直、他の魚に比べると、マンボウに対して強い関心を持ったことは無かった。

しかし、2017年12月、TBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』にこの本の著者の澤井さんが出演され、その時初めてマンボウにしっかり意識を向けた。
話を聴いていると、マンボウってなんか妙な魚。しかも、研究も一苦労のよう。徐々に謎多き魚、マンボウに興味が湧いてきて、番組内で紹介されたこの本も読んでみたくなり、すぐに某書店の携帯アプリの欲しい本リストへ。

が、どうしても他に欲しい魚関連書籍が多過ぎて、後回し後回しになってなかなか購入に至らないまま2019年到来。2月生まれの私は、弟から欲しい本を誕生日に買ってあげると言われた。そこでこの本をリクエスト!買ってもらうなり読み始めた。

ジュニア新書なので、言葉遣いが優しく、レイアウトも見やすく、写真やイラストも豊富でとても分かりやすく、読みやすい!しかし、ジュニア新書とは思えないほど内容は濃い!
江戸時代以降初のマンボウの専門書らしいのだが、その200年ぶりの専門書がこんなに一般人に取っつきやすい本だなんて素晴らしい‼︎

そもそもマンボウの体が一般的な魚とどう違うのか、マンボウの分類はどうなっているのかなど、マンボウ知識ゼロの人には嬉しい基本的なマンボウ情報から、マンボウ研究がなぜ大変なのか、どのような方法で研究が進められているのかなどといった研究に関する話まで、幅広く紹介。マンボウそのものの話はもちろん面白かったけれど、この研究の話もまた興味深かった。

マンボウに関しては超初心者な私にとって、内容のほぼ全てが新しい知識だったので、読んでいる間絶え間なく脳みそが刺激されていた気分。そして、あのコミカルな姿形に愛着が湧いてきた。よく考えたら、フグとかカワハギのビジュアルが好きな私が、今までマンボウになびかなかった事が不思議だ。
今後、テレビにマンボウが映った時なんかに、即どの種類か言い当てられたらカッコいいだろうな〜。

これを読んだ限り、マンボウはまだまだ謎多き魚。
澤井さんやその他の世界中のマンボウ研究者の方々の今後の活躍と、新たなマンボウ専門書の出版に期待!


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