たかはし@富山

地元の農山村の鳥を細々と調べています。某動物園職員。 Twitter https://…

たかはし@富山

地元の農山村の鳥を細々と調べています。某動物園職員。 Twitter https://twitter.com/eagleduck

マガジン

  • 野鳥沼探検記

    野鳥観察という沼にはまってしまった哀れなひとが鳥を中心とした日々をつづるフォトエッセイです。

  • 形而上学的応用動物園学試論

    動物園の日々を変な方向に深く考察します。

  • 新鳥文庫

    鳥にまつわったりまつわらなかったりする創作スペースです。ジャンルはバラバラ。

  • 調査報告書

    富山県内の野鳥について調査した報告書類です。共著含みます。

最近の記事

伊吹山アベンジャーズについて

鳥が好きなだけなのに。 いやもう、ほんと、みんな偉いわ。偉すぎるって。 SNSなんて本来気晴らしの場じゃん?特にツイッターなんて「今日はこんなご飯を食べました」「子供がなんか面白いことを言いました」「雲がうんこの形に見えました」って報告し合って、クスってするの。それが仕事や学業の合間の正しい過ごし方でしょうに。 鳥が好き、猛禽が好き、イヌワシが好き、な人も、その道でご飯を食べている人も、ちゃんと正論をもって諭そうとしてるんだもの。対価無しで。仕事や学業で疲れてるのに。本

    • 「動物園がネバーランドすぎてなかなかフィールドに卒業しない」という謎ジレンマの正体

      一個の怪物が動物園界を徘徊してゐる。 「動物園は野生動物や自然環境に目を向けてもらうための施設」 「だから動物園にだけ通っている人よりも、フィールドで野生生物の観察もしている人のほうがレベルが上」 「何ならフィールドを生業としている狩猟者さんや研究者さんがピラミッドの頂点で、すそ野の皆さんはその高みを目指すべき」 「動物園は入門者向けの楽しいゲレンデで、一定以上のレベルになったら野生・野外・屋外を志向するものだ(べきだ)」 「よって、ずっと動物園にだけ通い続けている人が増え

      • 「あの動画」から動物園について考えてみた(試論)

        枝にとまるカワセミが画面下(におそらくある水面)に飛び降り、魚をくわえて戻ってくる。すると、同じ枝にとまっていたメジロがその魚を奪い取り、飲み込んで食べてしまう―― 2024年3月初頭にSNSに出回った、非常にインパクトのあるショート動画です。 これが話題になりました。そして、物議を醸しました。CGを使ったフェイク動画ではないのか?捕まえて閉じ込めた個体ではないのか?等々の「批判」が主でした。 で、私が思ったのは、「もしもこの動画が動物園で撮られたものだったら、世間の反

        • 明治時代の理科の教科書がやたらと道徳的だった話

          凶悪な未成年犯罪が起こると、そのたびにワイドショーは「心の教育が不足しているのではないか」という論調に流れます。 道徳教育の時間を増やそう、とか、戦前の教科「修身」を復活させよう、とか、年配のコメンテーターは懐古主義的な意見をよく並べますが、次の大きなニュースが来るとすぐに忘れられて、数年後にまた少年による残酷な事件が起こると復活してくるので、これはもう数年ごとに起こるブームのようなものでしょう。 ところで、でも本当に「昔の教育は今よりも道徳的だった」のでしょうか?

        伊吹山アベンジャーズについて

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        • 野鳥沼探検記
          51本
        • 形而上学的応用動物園学試論
          26本
        • 新鳥文庫
          20本
        • 調査報告書
          16本

        記事

          ライトハウス英和辞典で遊ぼう 第4話 ホワイト氏の野望

          (※最初から読みたい方はこちらへ) 主な登場人物 ホワイト氏  政界進出と大きな野望を持つマルチビジネスマン。 ブラック氏  様々な団体で顔役を務める、地元の名士。ホワイトの成功の鍵を握る人物 【第1章 政界への野望】 senior【上役の】 Mr.White is senior to me in our firm. ホワイトさんは会社では私の上役です  会社ではかなりの地位にいるホワイトさん。 absence【不在、欠席】 Mr.White in in char

          ライトハウス英和辞典で遊ぼう 第4話 ホワイト氏の野望

          ライトハウス英和辞典で遊ぼう 第3話 ジョン=スミス一代記

          (※最初から読みたい方はこちらへ) 登場人物 ジョン=スミス 第2話では同級生のメグと結婚した。野心家のマルチビジネスマン スミス夫人   かなり評判の高い奥さん。第1話・第2話ではメグとして登場。泳げなくって、カレーは辛い ブラウンさん  みんなに尊敬されている人。政財界の大物として、ジョン=スミスの前に立ちはだかる 【第1章 アメリカンドリーム】 care of 【気付】 Mr. Smith c/o Mrs.White ホワイト夫人様方スミス様  ホワイト先生宅

          ライトハウス英和辞典で遊ぼう 第3話 ジョン=スミス一代記

          ライトハウス英和辞典で遊ぼう 第2話 恋する乙女たち

          (※最初から読みたい方はこちらへ)  ライトハウスは高校生向きに作られた英和辞典だけあって、物語の舞台も約半分は高校(と思われる学校)を舞台としたものです。  高校生といえば、部活動に受験勉強、友達、恋人……とイベントに事欠きません。  ライトハウスの例文には、メアリーを中心とした交友関係が描かれています。  では早速、のぞいてみましょう…… 主な登場人物 メアリー   トラウマを持つ情緒不安定な少女。今回の主人公的存在 メグ     何でも得意なクラスの花。恋多

          ライトハウス英和辞典で遊ぼう 第2話 恋する乙女たち

          ライトハウス英和辞典で遊ぼう 第1話 学園天国

          (※最初から読みたい方はこちらへ) ライトハウスは高校生向きに作られた英和辞典だけあって、物語の舞台も約半分は高校(と思われる学校)を舞台としたものです。 高校生といえば、部活動に受験勉強、友達、恋人……とイベントに事欠きません。 ライトハウスの例文には、メアリーを中心とした交友関係が描かれています。 では早速、のぞいてみましょう…… 主な登場人物 メアリー   トラウマを持つ情緒不安定な少女。今回の主人公的存在 メグ     何でも得意なクラスの花。恋多き少女 ナンシ

          ライトハウス英和辞典で遊ぼう 第1話 学園天国

          ライトハウス英和辞典で遊ぼう(序章)

          英和辞典の文学性  ~序章に代えて  皆さんは普段、どんな目的で英和辞典を開かれますか?  英語の試験のため?  それが一番多いかもしれません。  英語の専門書や論文を読むため??  ご苦労様です。  それが、英和辞典の正しい使い方です。  つまり英和辞典とは現在、他に「読むもの(しかも、多くの場合は読みたいものではなく、読まなければならないもの)」を読み解くために使う「道具」に過ぎません。  しかし、私は主張したい。 「英和辞典は、それ自体でも楽しめる書物である」と。

          ライトハウス英和辞典で遊ぼう(序章)

          本気度が高めの「食べられる野草」図鑑

          「■■県民には、そこらへんの草でも食わせておけ!」と言われて久しい。 また、バラエティー番組の貧乏芸人自慢で、「腹が減ったけど、財布に数十円しかなかったから、古本屋に行って「食べられる野草」という本を買ってきてその辺に生えている野草をむしって食べた」という眉唾の昔話もよく耳にする。 本当に腹が減った人間が古本屋に行くのかどうかは別として、「食べる物がないから野草を食べる」という発想は寒村の救荒策としても古来から伝わってきたところだ。 しかし、現代手に入る「食べられる野草

          本気度が高めの「食べられる野草」図鑑

          とやまのカッコいい地名

          昔作った同名のブログから画像だけをピックアップしてみました。 北陸旅行キャンペーンが始まったら、ぜひ訪ねてみてください。 各場所の詳しい?説明はブログをご覧ください。

          とやまのカッコいい地名

          おならガモとレッドデータブック

          2月3日の節分の日は、午前・午後ともイレギュラーな仕事が入っていて、数日前から胃が痛かった。 午前中は、毎年頼まれている富岩運河環水公園での野鳥観察会と水鳥講座の講師。富山駅北の結構きれいな公園でのイベントである。 そして午後からは、今年頼まれた、富山県版レッドデータブックの改訂作業のための専門家ワーキンググループ会議である。 対象の違いがあるとはいえ、どちらも専門性が求められるお仕事であるし、しんどく思う部分がありつつも「自分を選んでいただいた」という高揚も手伝って当

          おならガモとレッドデータブック

          山村によくあるキリスト教のちょっと怖い看板コレクション in富山

          山村によくあるキリスト教のちょっと怖い看板コレクション in富山

          がんばろう北陸?

          県外の広告会社から電話営業があった。 高速道路の大きめのサービスエリアに設置する観光マップに、御社の広告を出稿しませんか?という広告案件の提案である。もちろん有料だ。 サービスエリアは北陸道と東海北陸道の、富山へ向かう車線に数千部設置し、自由に持っていってもらう形のフリーペーパー型広告だそうだ。 よく話を聞いてみると、数年前、私が担当になる前に何度か取引したことがある会社らしい。 検討するので詳しい企画資料と見積書をメールして欲しい、とお話しし、アドレスを伝える。

          がんばろう北陸?

          人間の認知の限界 ~SDGsや生態系サービスの説明を「個人として」受け入れるには

          人間は感情で動く動物である。いかに理論的に正しい行動指針でも、自分の中に行動につながる動機付けが生まれなれば行動は発現しない。 どんなシンポジウムでも、「結局は熱意や感動がなければ事業は進まない」というまとめになるのももっともである。 では、実際に「個人としての」動機づけとなりうる事象とはどのようなものだろうか。どのような社会現象でも、それを受けて個人が動く動機足り得るのだろうか。 「社会」の、時間軸と広さについて考えてみた。 「七代祟る」という言葉がある。 曾祖父母

          人間の認知の限界 ~SDGsや生態系サービスの説明を「個人として」受け入れるには

          将棋と戦争

          最近よく将棋の中継を見ることがあるんですけれども、ある解説者の棋士の方が、「将棋の素晴らしいところは、負けた方が「負けました」と宣言して勝負が終わるというところだ」とおっしゃったんです。「こういう競技やスポーツは他にはない」と。 なるほど、言われてみればそうだな、確かに稀有だ、とその時は思ったんですけれども、その夜ネットニュースを見ていて、ウクライナ問題やパレスチナ問題、中国とか北朝鮮の軍事的なニュースも多いんですけれども、「戦争も負けた方が負けましたって言って終わるよな